「小さな政府(小泉構造改革)」=格差社会

格差問題を中心とした考察 ※コメント、トラックバックは受け付けません

「古舘 伊知郎」、企業経営と国家運営は違うんだよ

2007年01月24日 | その他経済

先日、報道番組『ニュースステーション』にてキャスター役の「古舘 伊知郎」が無茶苦茶なことを言ってた。

「ホワイトカラー・エグゼンプション」に関連して、『サラリーマンに負担を求めるなら、無駄な公共工事、公務員の高給を見直して15兆円を節約しろ』といった趣旨のコメントで締めていたのである。
 
こういった見識のない輩(他にも「みのもんた」「久米宏」など)がニュースキャスターを務め、また彼らが国民の多くに大きく影響を及ぼすところに「ダメな日本」になっていく原因があるのではないだろうか。

彼らはすぐに『公共事業3割カット!』といったウケ狙いの発言をするが、本当にそれを実行したらどんなに酷い不況になるか。
彼らは経済のメカニズムも理解できずに無責任な発言をしているのである。

ムダな公共事業(全体額のうちわずか)とは言え、現実に多くのお金が世の中に出回り、日本経済を支えている。
別にお金を燃やしたり、溝に捨てているわけではないのである。それを単純にカットしたらどうなるか。

『企業ならコストを削減すれば利益が増えるぞ、国家も同様じゃないか』と彼らは言うだろう。

私が「いいや、企業がコスト削減を行い、国民がコスト削減を行っているときに、国家までもがコスト削減(効率化は良いが)をしたら、膨大な輸出でも行わない限り、GDPは大きく下がり、当然、税収も下がり、結果として今は勝ち組であるあなたがたニュースキャスターも含めて、皆の給料が下がり、皆が不幸になるよ。」と説明しても、頭の良い彼らには理解できないだろう。

しかしながら、経済学では、「80兆円の国家予算があって50兆円の税収しかない」場合に、だからといって、公務員の首を切ってまたは給与を下げて、公共事業を削減して30兆円の穴埋めをしても、1年後に税収50兆円が確保できて国家予算と均衡するか、といえば答えはノーなのである

消費・投資が冷え込み、税収は10兆円単位で下がり、雇用保険など特別会計予算が大赤字となるでだけである。なんのための削減かわからないということである。

長期金利が1%台(長期国債を銀行が大量に買っている)ということは、2%以上儲かる投資先がないこと、不況の原因は財政赤字にあるのではなくて、需要不足にあるということを証明している。

これまで日銀も政府も、銀行救済のため、そして財政政策を使わないために低金利施策を行ってきた。

特に政府は需要不足を否定し、ミニバブルを期待してきましたが、行き場のない日本マネーが、円キャリー取引により原油相場などの世界市場をかく乱している。

日銀も政府も、このことを認めまていないがこれは事実なのである。

需要カットの考えが間違いで、財政再建と経済成長とは両立できないこと、さらにはこの財政再建を追求すると、恐慌を引き起こす可能性すらあることに彼らは気づいていないのである。
 
こうした間違いを実験して失敗したのが、橋本龍太郎であり、小泉純一郎である。

残念なことに小泉内閣では当初、『30兆円の国債発行しかしない』としていたものを、特別会計や他の財源で誤魔化して、実質40兆円超の赤字国債を発行し続けてしまった。

このことが結果として、日本経済を支えることになり、さも構造改革が日本経済を救ったとうそぶいている。

マスコミは知らん顔しているが、「橋本、小渕、森の三代の内閣5年間」で153兆円の財政赤字を増えたのに対し、小泉純一郎171兆円もの赤字を増やしているのである。

逆に言えば、有言実行で財政赤字を削減していれば、日本は破綻していただろう。