だから、ここに来た!

いらっしゃいませ! 英国旅行記の他、映画や音楽、テレビドラマ、演劇のレビューを中心にお贈りしております!

SHERLOCK「The Great Game」~シャーロック、退屈するの巻。【ネタバレ】

2011-09-30 | TV/SHERLOCK S1 "The Great Game"
今回は第三話「The Great Game」の冒頭のセリフを振り返ります。
先にJM君との対決を取り上げてしまったので、かなり順序がバラバラですが( ´▱`;)
シーズン1の最終話だけあって、見せ場となるシーンが多いです。
セリフの比較という意図とは離れてきてしまっていますが、
思い出して楽しむために置いておきます(^_^;

冒頭は、ベラルーシのミンスクで拘留中の若い依頼人と面会するシーンから始まりますが、
wasと言うべきところをwereと言ったりする、ちょっと会話のお行儀が悪そうな依頼人に
(吹替だと)「やれる、じゃなくて、やられる、だ」といちいち修正を入れるシャーロック。
ラ抜きの殺意ですね?

シャーロックはミンスク行きの飛行機のことを「airplane」と言ったジョンに対しても、
「aeroplaneだ」と、ジョンのブログ上で修正しています。
この際、どっちでもよくね?と思うのですが
「よくね?じゃない、よくない?だ」と言われそうなので止めておきます。

221Bに戻った後は「シャーロック、退屈するの巻」ですね。
ここはセリフも含めて振り返ります。

--------------------------------------------------------------------------------------------------------

(John arrives home to find Sherlock shooting at a smiley on the wall)
(部屋に戻ったジョンは壁に描かれたスマイリーを射撃するシャーロックを見つける。)
John
What the hell are you doing.
どうした!? 何をやってる!?
Sherlock
Bored.
つまらん。
John
What?
何?
Sherlock
BORED!
つまらん!
John
No…
なっ…
Sherlock
BORED!! BORED!!
つまらん!! つまらん!!





(stops, hands the gun to Watson.)
(銃を撃つのを止め、ジョンに銃を渡す)
I don't know what's got into the criminal classes.
犯罪者どもは何をしているんだ。
Good job I'm not one of them.
僕がその一員でなくてよかった。
John
So you thought you'd take it out on the wall?
八つ当たりか?
Sherlock
Oh, wall had it coming.
壁の自業自得だ。
John
What about that Russian case?
ロシアの事件は?
Sherlock
Belarus? Open and shut domestic murder. Not worth my time.
ベラルーシだ! 僕の時間を割く価値のない単純な事件だった。
John
Oh, shame!
そりゃ残念。
Do we have anything in? I'm starving.
何か食うものある?
Oh, f-... It's a head... A severed head.
あークソっ…人の首…生首が!




Sherlock
Just tea for me, thanks.
僕はお茶だけでいい。
John
No, there is a head in the fridge.
冷蔵庫に入ってる…
Sherlock
Yes.
だから?
John
A bloody head!
血まみれの首が。
Sherlock
Where else was I supposed to put it? You don't mind, do you?
他にどこに置く? いいじゃないか。
I got it from the Barts' morgue.
病院から借りてきた。
I'm measuring the coagulation of saliva after death.
今、死後の唾液強固を測定中で。

--------------------------------------------------------------------------------------------------------

聖典(原作)は、ちょっと記憶が曖昧な部分があるので、
見逃している引用があるかもしれませんが、
ホームズの射撃の記述は「マスグレーヴ家の儀式」にありますね。
標的はV.R.(ヴィクトリア女王)で、現代版ではスマイリー。
ニコニコ笑う民衆を撃ち殺したい、という心境の現れでしょうか?
背中から撃つ姿がキマってます。

さらに「マスグレーヴ」には第一話「A Study of Pink」で登場した
「マントルピースの上に返信していない手紙をジャックナイフで突き刺していた」
という様子も描かれてます。
シャーロックは身なりには気を使っているけど、習慣はかなりだらしない、という風に。
キッチンに向かうジョンがテーブルの上を見て、
「こんなに散らかって!」というような手を広げる動作をしているのが全てを物語ってます。

そして現代版では「スリッパに煙草」どころか「冷蔵庫に生首」が入っているという衝撃!
動揺するジョンに「僕はお茶だけでいい」ですからね。
まあ、確かに自宅で生首をうまく保存する場所なんて冷蔵庫しかないけど…

「僕が犯罪者じゃなくて、この社会は運がいい」という発言は
聖典では「ブルース・パーティントン設計書」で登場。
(It is fortunate for this community that I am not a criminal.)
「ブルース~」は第三話の軸になっている短編ですが、
犯人もトリックも聖典の形をそのまま使っていますね。

さて、退屈なシャーロックの批判対象は、まず“専属ブロガー”であるジョンに向けられます(笑)。

--------------------------------------------------------------------------------------------------------

Sherlock
See you wrote up the taxi driver case.
犯人がタクシー運転手だった事件。
John
Uh, yes.
ああ、あれか。
Sherlock
"A Study in Pink"? Nice.
題して「ピンク色の研究」、読んだ。
John
Well, pink lady, pink case, pink phone. There was a lot of pink.
だって、ほら服もスーツケースも携帯も全部ピンクだったから。
Did you like it?
気に入った?
Sherlock
Ummmmm… No.
あー…いいや。



John
Why not? I thought you'd be flattered?
なんで、すごく誉めたのに。
Sherlock
Flattered?
"Sherlock sees through everything and everyone in seconds,
but what's amazing is how spectacularly ignorant he is about some things".
どこがだ。
「シャーロックは数秒で全てを見抜く。
 しかし、いくつかのことには彼は見事なまでに無知である。」

John
Now hang on minute. I didn't mean…
いや、悪い意味で言ったんじゃ…
Sherlock
Oh, you mean spectacularly ignorant in a nice way.
じゃあいい意味で言ったのか?
Look, it doesn't matter to me who's prime minister, who's sleeping with who…
でも僕にはどうでもいいことだ。
誰が首相だろうが、誰が誰と寝ようが…

John
Or that the earth goes around the sun.
地動説も知らない。
Sherlock
Oh God, Not that again. It's not important.
またそれか。どうでもいい、そんなの。
John
Not important? It's primary school stuff.
どうでも…? 小学生レベルの知識だぞ。
How can you know that?
なんで地動説も知らないんだ。
Sherlock
Well, if I ever did, I've deleted it.
知ってたとしても消去した。
John
"Deletad it"?
「消去した」?



Sherlock
Listen. This is my harddrive,
and it only makes sense to put things in there that are useful. Really useful.
いいか、僕のハードディスクに保存するべきは、本当に役に立つ知識、
ただ、それだけ。

Ordinary people fill their heads with all kinds of rubbish,
and that makes it hard to get at the stuff that matters!
Do you see?
みんなくだらない知識で頭を一杯にしていしまうから、
大事なことを取り出せなくなってしまうんだ。

John
But it's the solar system!
だけど太陽系くらい…
Sherlock
Oh hell, what does that matter?
おーそれがなんだ?



So we go round the Sun.
If we went round the moon or round and round the garden like a teddy bear,
it wouldn't make any difference.
地球が回っているのが太陽の周りだろうが月だろうが、そんなことどうだっていい!
All that matters to me is the work.
Without that, my brain rots.
僕に大事なのは、仕事だけ!
仕事がないとダメだ。

Put that in your blog, or better still, stop inflicting your opinions on the world!
そうブログに書いとけ。
君の意見を押し付けるのは止めて欲しい。




--------------------------------------------------------------------------------------------------------

このふて寝姿!w
どんな顔してブログ読んでたんでしょうか。気になります。

地動説を知らない、という件は「緋色の研究」から。
ほとんど忠実に聖典のやり取りを実写化している印象ですね。
ここで「頭脳の空き部屋に家具を備え付ける」という例えを
“harddrive”と簡単に言えてしまうのが現代版ならでは。

意外だったのが、現代版を作るにあたって、
シャーロックの知らないものの例えが地動説から別の何か…
月面着陸したことを知らない、とか、20世紀後半に起こった出来事から引用されると思ってたのですが、
案外変わりませんでしたね。
その後に出て来る超新星の話題に関わって来るので、
宇宙や天体に関わるエピソードである必要はあったのだと思います。
もう21世紀なんだし、地動説くらい知っていてもたいした容量にはならないんじゃないかねえ?

ところで、「太陽の周りだろうが月だろうが」と言っている中で、
オリジナルでは“round and round the garden like a teddy bear,”とシャーロックが言っています。
こんな激怒中にくまちゃんが何故お庭を?と思ったのですが、検索するとそのまま
Round and round the gardenという歌にヒットしました。
どうやら子供の遊び歌みたいですね。
さすがに吹替では触れられていませんが。
小学校レベルの地動説は消去した、といいながら、子供の頃の歌は忘れていない…
この歌はシャーロックのハードディスクに必要な知識というのもちょっと意外w

その他、個人的には「だってほら、全部ピンクだったから」とジョンがタイトルを説明するところは、
グラナダ版ホームズの「入院患者」のエンディングも彷彿とさせます。
ワトスン「タイトルはね、“ブルック街の怪事件”がいいと思う!」
ホームズ「…」
お気に入りのシーンの一つです。


…シャーロックの苛立ちを一気に浴びたジョンは機嫌を損ね、
ガールフレンドのサラのところでお泊まりしよう、と薄着で出て行っちゃいます。
そこへ戻ってきたハドソンさんにも、シャーロックは引き続き愚痴をこぼします。

--------------------------------------------------------------------------------------------------------



Sherlock
Look at that, Mrs. Hudson…
quiet, calm, peaceful. Isn't it hateful?
街を見てください。
静かで、平和で、穏やかで。ムカつきませんか。

Mrs. Hudson
I’m sure something will turn up, Sherlock.
そのうちに何か起きてくれるわよ。
A nice murder. That’ll cheer you up.

あなたの好きな、人殺しとか。
Sherlock
Can’t come too soon.

いつになるかな…
Mrs. Hudson
Hey, what have you done to my bloody wall?!
ちょっと! あなた壁に何をしたの?
I’m putting this on your rent, young man!
修理代は貰いますからね!

--------------------------------------------------------------------------------------------------------

思えばこれが大事件フラグでした。
この頃、JM君は粛々とシャーロックと遊ぶための準備を進めていたわけですね。
シャーロックが苛つくほどロンドンの街が静かだったのは、
おそらく、犯罪を取り仕切ってるJM君が準備に余念がなかったためかも。
ハドソンさんが修理代云々と言ってるけど、銃弾跡どころじゃなくなっちゃいます。




次回は、お兄ちゃんの再登場の巻、です。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« SHERLOCK「The Great Game」 ... | トップ | SHERLOCK「The Great Game」... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

TV/SHERLOCK S1 "The Great Game"」カテゴリの最新記事