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Palace Theatreで'Singin' in the Rain'を見る

2013-03-16 | 2012年、英国の旅 ~秋編
前回の続き。

ロンドン交通博物館レッドカーペットと見て、
この日はロンドンで初めてミュージカルを見る日でもありました!
演目は'Singin' in the Rain'(雨に唄えば)! 大好きな映画の舞台化。
主演はバレエ・ダンサーであり、マシュー・ボーン演出の「白鳥の湖」で一躍有名となったアダム・クーパー。
シャフツベリー・アベニューにあるPalace Theatreで上演されています。



レッド・カーペットで時間を取り過ぎたので、
慌ててレスタースクエアからシャフツベリー・アベニューへ向かい、
中華レストランで10分強で夕食を口の中にかき込んだ後、Palace Theatreへ。

チケットは前日にレスタースクエアの格安チケットショップで購入。
お金の余裕はなかったので、一番安い席をお願いし、
£18.5のバルコニー席を購入しました。
tktsに貼られている料金表も見てみたのですが、
一番安かったのはそのチケットショップにあるバルコニー席でした。

ところが実際に入場すると、モギリのお姉さんがトランシーバーでBox officeと話をし、
二階席(Dress Circle)中央にアップグレードしてもらえました。
通常Dress Circleなら£80はするはず… 混雑してなくてラッキー!\(^▽^)/

客席では、制服を着たおじさまがグッズの傘を売り歩いていました。
外側が黒で、内側が赤や黄等の鮮やかな布ばりになっている傘。

Palace Theatreの舞台は、思ったよりこじんまりとしているように感じました。
日本で来日ミュージカルを見る時にはオーチャードホールやACTシアターのような
横に広い舞台が多かったので、なんとなくもったいないような。
でも、劇場自体の雰囲気は最高です。

SINGIN' IN THE RAIN - new video trailer


あらすじは書くまでもないと思いますので省きますが、
映画とは印象の異なる曲目や演出もありましたので、そのあたりを。

まず何よりドン役のアダム・クーパーです。
幼いころはバレエ以外のステージ・パフォーマンスも習っていたそうですが、
歌唱もタップもこなし、見事に"ミュージカル俳優"として演じていました。
なにより身のこなしの優雅さに見とれます。少し優雅すぎるくらいです。
肩と背中のラインも美しい…。

ドンの相棒、コズモ役Daniel Crossleyもコミカルで素敵でした。
私が映画で一番好きなシーンはコズモが唄う"Make 'Em Laugh"なのですが、
パントマイムを取り入れた動きで、これはこれで目を楽しませてくれました。

個人的に今までそれほど印象に残っていなかった、
ドンとキャシー(Scarlett Strallen)が唄うデュエット"You Are My Lucky Star"も印象的。
コズモも交えた"Good Mornin'"のダンスも、実際見ると映像よりもずっと心に残ります。
ベンチを倒して笑い転げるところが本当に楽しそう。

SINGIN' IN THE RAIN (West End) - "Good Mornin'" [Live @ 2012 Olivier Awards]


アンサンブルが登場するシーンひとつとっても、
例えばキャシーがケーキの中から登場する女性アンサンブルのシーン"All I Do Is Dream Of You"等
色とりどりで目に焼き付いています。


主役たちの他に特筆すべきなのは、ドンが発音の練習をする"Moses Supposes"!
発音の先生(David Lucas)がドンとコズモ顔負けにダンスするので呆気にとられました(笑)。
先生かっこよかったです!

あとは、ドンの恋人気取りのスター女優リナ(Katherine Kingsley)!
映画でもオイシい役所ですが、ミュージカルでは主役以上に目立つ存在。
素っ頓狂な高い声が劇場に響く響く!(笑) トーキー映画の撮影シーンは一番笑えます。
ドンにつれなくされて嘆き悲しむ"What's Wrong With Me?"も、あの声で唄うので笑っちゃいますが、
同時にちょっと切なくもあります。


そして、このミュージカルの見せ場はなんといっても、言うまでもないですが、
キャシーと心を通わせたドンが歌い踊る"Singin' in the Rain"!

第一幕終盤、舞台にドッとシャワーのような雨が降り注ぎます。
舞台の板の上にザーザーと、ざわめきをかき消す程の音量で容赦なく降り注ぐ水に、
観客は思わず笑っちゃいます。
その中を、スーツを着て軽やかにステップを踏むアダム・クーパー。
ドンが足を振り上げる度に、一階席の観客に大量の水たまりの水が浴びせかけられ、
驚きと喜び?の悲鳴があちこちから上がります。
これでもかと観客に雨を引っ掛けるドン。
私のいる二階席にはさすがに届きませんが、一階席の観客にレインコートは配られておらず、びしょぬれ状態の様子。
休憩に入ると、普通の芝居とは違う雰囲気のざわめきが起こります(笑)。
それにしても、毎日のようにこの雨の中を踊るアダム・クーパーは風邪のひとつもひかないのでしょうか…。

休憩時には、何人ものスタッフが舞台上の水をきれいに掃き取ります。
舞台は真ん中が一段低く作られていて、その段差のくぼみにワイパーで溜まった水を拭って落としてました。
雨のシーンは、全キャストが登場するエンディングでも楽しめます。
(ちなみに休憩中は、劇場係員が客席でハーゲンダッツのアイスクリームを売り歩いています。)

Singin' In The Rain Opening Night!


目の覚めるような水の演出がクライマックスというのも、ミュージカルとしてはなんとなくズルい気がしますが(笑)、
こういうダイナミックな見せ場があるというのは、作品にとって重要だよなーと思ったり。
映像で見る雨と実際に降らせる雨を見るのとでは全然刺激の大きさが違いますからね。


今回は予算の関係もあり、この1本しかミュージカルは見られませんでしたが、
今度ロンドンに行くことがあればもう何本か見てみたいです。
Matilda the Musicalもまだ見ていないし、映画で世間に浸透した(と願う)「レ・ミゼラブル」も
(春のイベントではちょっと見ましたが)ウェストエンドで全編通して見てみたいな。
まだまだロンドンで見たいものがたくさんあります。



ロンドン滞在も残すところあと1日とちょっと。

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