だから、ここに来た!

いらっしゃいませ! 英国旅行記の他、映画や音楽、テレビドラマ、演劇のレビューを中心にお贈りしております!

『パラード・エレキテル』@恵比寿ガーデンホール

2004-12-19 | music
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○10月18日(土)○

恵比寿ガーデンホールで行われたガーデンプレイス10周年イベントの中の一つ、
“パラード・エレキテル”に行って参りました。
出演は、青木タカマサ・半野喜弘・sketchshowの面々。
内容的にも場所的にも先日のsonarsoundtokyo2004とかぶっていて、
出演者の曲も同じものが多かったです。

青木さんはMACがトラぶって、2回ほど演奏がストップしてしまうトラブルが発生。
私、ラップトップで演奏停止って事態を見るの、意外にも初体験でした。
MACに扇風機の風を当てながら(それで直るのか!)、
申し訳なさそうに頭を下げる青木さんに、
観客側から「大丈夫ー!」「端末再起動!」なんて声が飛び、
トラブルの中でもなんとなく暖かい雰囲気になったような気がしました。

半野さんは今回三回目くらいで生で見たのですが、初めてすごいなーと実感しました。
音の構成が心地いい。ツボを心得ています。目を瞑って聴いていました。
でも、女性二人の歌をフューチャーした曲は、なんとなく楽しめないんですよねー。
なんでだろう。CDで聴くと違和感ないのに。
ヴォーカルが目立ちすぎちゃうからでしょうかね。

そして15分のセットチェンジの後、sketchshowの登場。
このころには観客の皆さん、くたびれて休憩中に体育座り。
皆、やっぱりスケショーまではその場を動けない…。
一曲目はお決まりの「EKOT」。冬にピッタリの出だしです。
そして次が懐かしいデビュー曲?「turn turn」だったのですが、アレンジが凄かった!
ssには珍しく激しいロックっぽい演奏で観客大いに沸く!
これはゲストの小山田君の影響が大でしょうね。彼のギターは全体通して最高だった!
三曲目は新曲でした。ステージの後ろに映る映像がとっても可愛かった! 
後の曲順がちょっと失念してしまったのですが(申し訳ない…)、
1st.から久々に「do you want marry me?」もあり、
幸宏さんの名曲「walking to the beat」のSSバージョンもあったりで
ライブ一回一回を新鮮に見せてくれるSSの姿勢に感激です。

最後は出演者全員で、青木さんremixの「MARS」を演奏しました。
豪華だー!! しかも気付いたら細野さんがずっと中央!!
こんな貴重な並びはそんなにないんでは??
しかも、今回の細野さんは歌も力入ってました!
「グッポイン!くりだす!フライライン!」
最後では「おじいちゃん!」の声援に照れてるところも見せたり。
いつも以上にかっこよかったー、御大!
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野田地図 第10回本公演 『走れメルス』

2004-12-19 | stage
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○12月16日(木)○

この日は一番仕事が忙しいので、個人的に仕事を前倒しして望みました。
いやぁ、頑張った!
席は前から二列目。また舞台から近い…。
野田さんの芝居は見た目がまず美しいんであって、
舞台から近いと全体の見え方が分からないから、
楽しみが半減してしまうのです。
思えば『オイル』も『カノン』もそうだった…。
でも、役者さんが近くで見られるのは嬉しいですけどね。

『~メルス』は野田さんが二十歳の時に書いた、夢の遊眠社の代表的な作品の一つ。
あえて、今まで戯曲を読まず、
新しい印象を自分に植え付けるために先入観をなるべく排除して出かけました。

結局、『赤鬼』のような最近のフラットな野田作品に慣れてしまっているので、
今回の『走れメルス』のスピードに、最後まで慣れることは出来ませんでした!

でも、「懐かしいなー」と思ったんです。
高校の時、貪るように見た遊眠社の芝居(ビデオですが)。
見るたび驚きがあって、こんな面白い芝居があったのかーと思った十代の冬。
あのドキドキする世界が、今また上演されている、
そう思うだけで、なんだか幸せな気がしてしまうのでした。

押しも押されぬアイドル「メルス・ノメルク」と、
結婚式をメルスを連れて逃げ出した「零子」。
鏡台に向かって青春手帳に描いた架空のメルスに憧れる「芙蓉」と、
彼女を思い続け、下着を盗み続ける「久留米のスルメ」。
二つの「あちら側」と「こちら側」が重なっていく瞬間、
それぞれが自分の存在の不安定さに気付いて崩壊していく。

野田さんもパンフレットで語っているけど、
二十年以上経った今でも、人間の間にこの歪み方は存在している。
自分の場所を、自らの幻想によって支えているけど、
他の社会に出てみたら、それが成立しないことに気付いたり、
作り上げた自分の偶像に、本当の自分が見えなくなったり。
なんだ、ちっとも懐かしい話ではないんだと思えます。

役者さんの中で、ダントツに印象的だったのは古田新太!
前方の席だと意外と後ろの席よりもセリフが聞き取りにくいのですが、
(野田さんの芝居だと余計に。)
古田さんの声はいつでもクリアーに聞こえた! しかも飽きさせない!
野田さんとの絡みも最高! アドリブのようで実はアドリブじゃないやり取りが一番見所。
チップス先生最高!(気になる方は見に行ってくれ!)

あと、桐島三人姉妹(峯村リエ・濱田マリ・池谷のぶえ)が大好きだった。
とぼけてるけど小ズルイ女な峯村さんに、
おばちゃんキャラ演じたら右に出るものはいない池谷さん、
独特の高い声に運動能力もあるマリちゃん(側転が鮮やかでした!)、
最高の女優トリオだと思うんだけど、何故あんまり評判を聞かないんだろう??

絵里ちゃん・深津はもう出来上がってる感がありました。
野田の芝居はこうやるんだ!って声と体で覚えてそう。
小西「コニタン」真奈美ちゃんは『赤鬼』に比べると目立たなくてもったいなかった。
メルスの河原さんは、この人意外にメルスできそうな人っていないよってくらいはまり役。
勘太郎君は、スルメになろうと、全身全霊、頑張ってるのが伝わってきました。
その、芝居に対するまっすぐさがスルメとかぶって感動的です。
これから、歌舞伎の世界だけでなく、演劇の世界でも期待したい役者さんです。

あ、忘れてた! 野田さん、あなたの美しい女装が見られて幸せでした!(笑)
今度再演するなら『小指の思い出』が見たい!!
『小指~』が見たいというか、粕羽聖子@野田さんが見たい…。
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