今日のどーじょー主

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コラム 12月号

2006年12月03日 | 啓学院通信のコラム
「サンタクロースは、ホントにいるのか?」
そう不思議に思ってる子が、たくさんいるのだとか。
夢があって、いいですねぇ。
ボクが小さかったころは、「クリスマス」なんてブルジョアのイベントで……。
ボク自身は、ほとんど縁がなかったです。
「サンタはいるのか?」なんて疑問さえ、持たなかった。

いるのかいないのか、よくわからないサンタさんですが……、彼に聞いてみたいことがあります。
「サンタさん、おたくの使命は、いったい何なんですか?」と。

サンタの由来は、セント・ニコラスという司教さんだそうで。
貧しい人々に、夢や生きる希望を与えた人だとか。
さてさて、いまの日本の子どもに、サンタは必要なんだろうか、とっても不思議です。

いまの日本の一般家庭は、モノにあふれている。
一軒の家に、なぜか、子どもの数と同じだけ、同じゲーム機があったり。
それなのに、「新しいゲーム機がほしい」とねだり、手に入れば古いゲーム機はガラクタになる。
そんな、物欲の権化みたいな連中を育てるのが、サンタの役割なんでしょうか。

もう、充分じゃないのか?
キミたちは、もう充分に受け取っているんじゃないのか?
何かが足りなくて苦しんでいるのは、キミ以外の「だれか」じゃないのか?

世界のどこかにいる、苦しんでいる人たちのことに思いを寄せることも大切だと思う。
でもそれだけじゃなく、キミのもっと身近に、「夢」を失って苦しんでいる人がいないか、見回してもいいんじゃないかな。

たとえば、お父さんやお母さん。
「家族のため」「子どものため」って願うあまり、いつの間にか「自分の夢」を見失っちゃってる大人が、じつはいっぱいいる。
たとえば、お祖父ちゃんやお祖母ちゃん。
「余生」という言葉に支配されて、夢を熱く願うことをあきらめているかもしれない。

そんな人たちの枕元に、キミからのクリスマスカードを置いておくだけでもいい。
ふだんは照れくさくて言えない感謝の気持ちとか、心の支えになっている思い出とか、そんなことを綴ってみたらどうだろう。
そんなちょっとした「プレゼント」が、キミを愛しく思ってくれる大人たちの、生きる力になったりする。

言葉にするとなんだか陳腐になっちゃうけど―――サンタは、じつはキミの中にいるんじゃないかな。
もしキミが、充分な愛情に包まれて育ったなら、心の中に「サンタの心」があふれているはず。
いまは、それをだれかにプレゼントする番ではないのかな。

すてきな夢は、物欲を満たすことでは得られません。
むしろ、何かを与えることで見られるものかもしれません。
メリー・クリスマス。
キミに、すてきな夢が届きますように。