ノリの東京の友人の生きる糧(福岡編)

日々のちょっとした楽しみや悲しみを徒然に語ります。

面白いけれど危険 ~ 北方謙三版・水滸伝 ~ 読中感想

2008年06月23日 | 
 先月から読み始めた北方謙三先生の『水滸伝』ですが、読み進んでいて、今は第9巻を読んでいます。会社の行き帰りに読んでいるので、朝と夕方は気合が入りまくっています。本当に面白い小説ですね。長編小説でハマったのは久しぶりです。

 ハマっている一番の理由は、私の知っている水滸伝の展開と全く違うからだと思います。
 まさか、水滸伝の中心人物の1人の○○が第○巻で死んでしまうなんて、全く想像していなかったので、読んでいる途中で飯田橋の駅のホームで絶句して固まってしまいました。衝撃の展開でした。

 豪傑の1人が死んで表舞台から消えても、次から次へと新しい魅力的な豪傑が出てくるので、次の巻、次の巻とドンドン読み進んできます。敵側にも魅力的な連中が多くいるのも熱中する要因の1つでしょうね。
 この調子で行くと、あと1ヶ月くらいで全19巻読み終えてしまいそうです。短い生きる糧になりそうです。


 と言った感じで、とても面白い北方版水滸伝ですが、面白い反面、読み物としては結構危険な部類の本ではないでしょうか?。「世が世なら発禁処分になってしまうのでは?」と思っています。

 なぜなら、この本を読むと、今の社会を憂う人ならば、世直し(クーデター)を起こしたくなるからです。少なくとも単純な私は熱くなってしまいました。

 舞台となっている中国の宋の時代の社会の腐敗した状況が、今の日本の状況に重なっているからだと思いますが、「梁山泊に集った人達と同じように、社会に害している連中を一掃したい」と思ってしまいます。
 こんな思いや考え方は、明らかに今の平和と言われているこの時代では危険な思想ですね。『すべて話し合いで・・』とか『長いものには巻かれろ』と言うお国柄ですもんね。

 まぁ、実際に、『替天行道(たいてんぎょうどう)』の旗を掲げて梁山泊のような要塞を築いてクーデターを起こすのは今の日本では不可能だと思います。
 水滸伝のように、まともな感覚を持つ政治家や役人、そして軍人(今の日本だと自衛隊や警察や機動隊の人)が集団で法律を度外視した世直しに加わるとも思えないですしね。彼らが加わらない限り、国を揺るがす騒乱には発展しないでしょうしね。民間人だけだと単なる事件で終わってしまいますね。

 と言った過激な感情も持たせてくれるのが北方版水滸伝です(私だけかもしれませんが・・)。

 個人的には、政治家や官僚や公務員の人に、この本を読んで欲しいですね。
 自分と同じような人間が、次々と倒されていったり、次々と倒していくのを、どう言う気持ちで読むのか、とても興味があります。改心してくれたり、内部告発を行なってくれたりするといいですね。
 上に立つ人間が襟を正してくれると、自ずと下々の人間もまともになり、社会の閉塞感がなくなると思うんですけどね。
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