ATSUー歴女(おばさん?)のひとりごとー

見たこと・聞いたこと・ちょっと調べたこと,気ままに「My 日記」として書いています。

呉座勇一の交流の歴史学より:藤木久志『雑兵たちの戦場』などなど・・・

2017-06-22 09:24:11 | 日記 本
朝日新聞土曜版(?)の呉座さんの連載・「呉座勇一の交流の歴史学」が面白い。
(家では,主人と「呉座さん」とか「網野さん」とか言っているので,そのまま「さん」で書きます。)

2014年10月の「中世の宴会」にはじまったようですが,
今はネットなどでは見ることができません。
(本当は見る方法もあるのかもしれませんが)
朝日新聞をとっているので,月1回の呉座さんの連載を楽しみにしていますが,
今年4月からは「ブックガイド編」とのことで,
最終回が近づいてきたのかなあ・・・と勝手に思っています。

4月は網野さんについてでした。
学生時代(約30年前),網野さんの「無縁・公界・楽」を読み,
衝撃を受けました。
当時はまだ,唯物史観が当たり前でしたから。

5月は「藤木久志 ロマンと無縁な戦国の現実」です。
早速,紹介されている『雑兵たちの戦場』を読んでいます。

前述した通り,
私が学生のころは,唯物史観が当たり前でした。
戦国大名の歴史ではなく,
中世・戦国時代の民衆の歴史にはまっていました。
(それがカッコよく思えました。)
ですから,中世といえば,
民衆は戦乱もあり苦しくても,
惣など自治を行ったり,
一揆を起こして,荘園領主や地頭と対立したり,
要求を通したり,・・・
それが,統一政権になると,
これまでの自由が枠の中にはめられてしまう・・・と。

学者によって見方は違いますが,

以前JMOOCで学習した本郷和人先生の「日本中世の自由と平等」では,
一向宗はリゾーム(トップを持たない中世的平等)
信長はツリー(つまり,トップは1人で,枝分かれして上から下へ)
信長により,
一向宗は生き残っても,中世的平等:リゾームは消える・・・
という話だったと思います。

藤木さんの『雑兵たちの戦場』によると,
食べるのが大変だから,雑兵になり,乱暴狼藉をする,
略奪をする。
負けた方は,奴隷として売り飛ばされる。(下手をすると,海外まで)
戦国大名は農閑期に出兵し,食料を現地調達・つまり,略奪させる・・・。
まだ,半分しか読んでいませんが,
中世・戦国時代の惣も自治も一揆も
私の頭からぶっ飛びました。
(でも,こんなのだから,一向宗やのちにキリスト教に救いを求めたのかもしれませんね。)
そういえば,
今年のお正月のテレビ番組「戦国のへーほー」でも,似たようなことを言っていましたよね。
もともと,この本がかかれたのは,1995年。
またいろんな学者がいろんな説を言っているのでしょうが,
少なくとも,
戦国大名中心の歴史でも,
唯物史観の民衆史でも不十分であるということだと思います。

さて,今週の土曜日には,
呉座さんが次の本を紹介してくれるでしょう。
さて,次は誰でしょうか?
私の予想
黒田俊雄氏,石井進氏,佐藤進一氏,五味文彦氏?
えへへっ
全てJMOOCの本郷先生の講義の中に出てきた人です。

この連載がいずれ本にまとめられるでしょう。
絶対に,即,買います。

PS.「私の予想  黒田俊雄氏,石井進氏,佐藤進一氏,五味文彦氏?」
すべてはずれました。
本郷先生のJMOOCのマイ・メモを見ると,
この方々,中世の国家論で有名なようで・・・。

6月の「呉座勇一の交流の歴史学」では,清水克行氏が紹介されていました。
早速,図書館で『大飢饉,室町社会を襲う!』を借りましたが,
やっぱり買おうかな?
面白そうです。
ちなみに,『雑兵たちの戦場』はあと20ページほどです。
主人が買った本を横取りして(?)先に読みました。   (6月26日追記)
コメント (4)
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