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楽しいことに囲まれて、頑張りすぎず楽に考える、そしていつでも音楽の流れる人生を・・・

『天国はまだ遠く』

2007-09-24 | つんどく本 〆(.. )
たまには、このカテゴリーも使ってみましょう。
読書の秋ですからね。
久しぶりに琴線に触れたというか、
読んだ後、なんだかほっとする本を発見しました。


瀬尾まいこ著「天国はまだ遠く」

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仕事はうまくいかなくなってきたし
上司や同僚とも折り合いがつかない。
話せる友達もなんだか少ない気もする。
趣味もなんだかやる気ない。
体調もここんとこ良くないし
もう仕事も辞めて死んじゃおう。

自殺願望を抱えて人目の付かない山奥へやってきた23歳の千鶴。
古びた民宿を見つけて、そこを一夜限りの宿として睡眠薬を飲んだものの
結局死に切れず、自殺に失敗。
しかしそこで出会った民宿の宿主・田村さんの大雑把な優しさに癒されていく。

自然や農業・漁業とのふれあい。
程よく距離の置かれた、でも深いつながりのある人間関係。
都会の喧騒を離れた場所で凍った心が溶かされていく千鶴。
本当の自分の居場所は一体どこにあるんだろう、と
静かな暮らしの中で気付かされていく。

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と、まあ非常にストーリーが分かりやすく展開もよみやすい
とは言えるんだけど
不思議と読んでいてほんわかするというか安心するというか
千鶴と一緒に癒されていく気分になれる本です。
重そうな気がしたけど、キャラが良いから全然そんなことない。
快楽主義者の人間は、こういうのにふらふら~と行ってしまいがちだけど
現実の自分の立つ場所は必ずあるんだよね、たぶん。
迷ってる諸君、疲れてる諸君、読んでみたまえ。
田村さんの包み込むようなさりげない優しさが
非常に、かっこいい。

瀬尾まいこさん、読むのはまだ2冊目だけど、結構好きかもです。
なんか雲の上を歩いているような文体と出てくる人の優しさが。。。
見えないところで守られてるとかね、言葉もいいよ。
こちらも映画化決定とかいう噂もちらほらあるそうですが
ほんとのところはどうなんでしょうね。
でもこの話、映画っていうよりも雰囲気的には
ちょっと遅めの時間にNHKでやってるドラマみたいな感じなんだけどなー。


今秋は、本も読む。
いっぱい平積みになってたまってるから早く読まないと。。。