♪楽・楽・楽♪

楽しいことに囲まれて、頑張りすぎず楽に考える、そしていつでも音楽の流れる人生を・・・

「やさしさ」とか「いたわり」とか「気遣い」とか

2006-02-18 | つんどく本 〆(.. )
あれから3冊くらい読んでます。だからちょっとそれについて書いてみようかなとか思います。

まず一冊目。
「熱帯魚」吉田修一 

2,3年前の本。「芥川賞作家の最高傑作!!愛ではなくてひりひりする恋」と帯には書かれている。うん、この人の本は「最後の息子」を読んだときもそう思ったけど、すっきりさらり涼しげな感じがする。夏の暑い日に飲む氷の融けかかったアイスティー・・・みたいな。私の印象だけで言うと、途中は面白い。話に入り込みやすい。でもラストに「?」が残る。え、もう終わり?と拍子抜けするのは、おそらく読者への要求が大きくて、それに応えられていないだけかもしれないけど。
表題作のほかに2篇「グリンピース」「突風」が入っている。全体としてはそんなに印象があるわけじゃないけど、いくつか響いた言葉↓

「でもな、大輔くん・・・誰にでもやさしいっていうのは、誰にもやさしくないのと同じじゃないか?」

「熱帯魚」で、主人公大輔が同棲していた女性とその娘、なぜか家に住み着いていた友人が一度に家を出て行ってしまい、「みんなにやさしくしてやったのにどうして出て行ったんだ、恩知らずめ」と愚痴っているときに彼の恩師がかけた言葉。

この状況に関わらずこの言葉は響く。
やさしいってなんだ?
やさしくないってなんだ?

ここでちょっと話は飛びますね。
バイト先の偉い人がよく聞いてくること。
「係の人から意地悪されなかった?文句言われたり態度悪かったりしたらすぐ言って。もし、相手方からクレームが来たときにこっちの言い分が分かってると有利なこともあるからね。」
どうやら他の人は、冷たくされたとか嫌味を言われたとか報告しているらしい。「もしそういうことされても向こうは仕事を一生懸命やっているときだから仕方ないの。気にしないようにして」ってフォローされる。
・・・いっつも思うんだけど、私は仕事先なんてそんなもんかと思う。そりゃ、あまりに冷たい態度だと凹むこともあるよ。でも自分なんて所詮あまたいるバイトの一人で、その一人一人に優しくしてる暇なんてあるわけない。冷たくしてるんじゃなく目に入っていないだけ。そんな気がするからそれが普通って思っちゃう。自分と他人の相手からの接し方がどれだけ違うかは知らないけど、そこにまで優しさを求めるのは甘いかなと思う。もちろんそんな中でも笑顔で「お疲れ様」と言ってくれるような人には好感持てるし見習いたい。そういう人でありたいと感じる。
一番いいのは感情を失くすことのない仕事をすることなんだろうなぁって強く思うけどね。社会に出たらそれは難しいのかなって寂しくもそう思う。・・・だから学生でいたいっていう甘え根性もちょっとある。

まぁ、ちょっと論点ずれてるけども「やさしさ」にも色々あるんだろうね。
大好きな人がたくさんいたらみんなにやさしくしたいって思うけど、本当に愛する人って言うのができたとき、その「やさしさ」は伝わりにくくなるのかもしれない。よく分からない。何が正しくて誰がやさしくて、、、状況によりけりか!?でもついつい使っちゃう「やさしさ」という言葉・・・難しい。



それからもう一つ。「グリンピース」の後ろの方にあった言葉。

人を傷付けないように生きていこうとしているのは分かる。
ただ、傷つけないようにといたわられることに、一番傷つく人間だっているのだ


これもある種「やさしさ」のくいちがいだよなぁ。
傷つけない=やさしさでもあれば、いたわる≠やさしさだったりする。
本音でぐさぐさ痛いとこ突かれて落ち込むこともあれば、気遣われすぎて遠慮されすぎて悲しくなることもある。
私はどっちかっていうとズバズバ言ってくれた方が楽になることが多い。もちろんそこに信頼とか愛情とか友情とかがあっての話だけどね。やっぱりほとんど見知らぬ相手からだったらむかついてしまうんだろう。

ううん、書いているうちに何が言いたいんだかわかんなくなってきたぞ。
「やさしい」という言葉を使わずに、身の回りにいる「やさしい」と思う人を形容するとどうなるかって結構難しいと思う。昔よんだ「やさしさの精神病理」っていう本でも取り上げられていた。深く考え始めると絶対答にたどりつかない。
自分は人にやさしくできているんだろうか。
他人が満足するやさしさを提供できているんだろうか。
やさしいってなんだ?
なんだ?
???
???
???