今日返却した本。
ニーアル・ファーガソンの『大惨事』はまだ途中なので延長してまた借りてきた。
『中国のデジタルイノベーション』の著者は小池政就(こいけまさなり)。
三島市出身、2012年みんなの党から46回衆議院選立候補し、選挙区では落選するも比例で復活。
結いの党、そして維新の党から47回衆院選に出るが落選。
また、希望の党から48回衆院選に出るがまた落選。
その後、2018年北京大学で研究生としてデジタルイノベーションを目の当たりにする。
それについての概説だ。
著者の経歴を見て止めようかとも思ったが借りて読んだ。
初めて大学の寮に入り、洗濯をしようと備え付けの洗濯機の前に立つがその使い方がわからない。
スマホでのID認証、電子マネーの支払いなどの準備がないと使えない。
それほど現在の中国ではデジタルイノベーションが社会の隅々まだ進んでいる。
ここからその現状を日本と比較してゆく。
確かに、その分野に投入されている、人のパワーも金額も、また大学や社会の体制も日本とはまるで違うようだ。
現在の中国は政治的にも経済的にも曲がり角に来ていて、今後今までの20年のような目覚ましい成長は期待できないなどとの言説が日本の一部では広がっているが、中国の底力は決して侮れないと強く警告している。
”中国すごい”の一種かもしれないが、岩波新書で出されている以上、それなりに評価すべきなのだろう。
『アメリカ分断の淵をゆく』は女性ライターによる、ディープアメリカの紀行だ。
今のアメリカには各種の分断があるという話。
取り立てて目新しいこともなかった。
東山の小説は読んでいるときは面白かったが、今はもう内容の記憶がない。
上は今日借りてきた本。
以前どこかの批評で見た記憶があるが、その時は読もうとは思わなかった。
新刊の棚にあったので手に取り借りてきた。
午後から夜中まで一気に読んでしまった。
著者は野口の秘書のようなことをしていた人で、野口と喧嘩したり、自分の生き方に疑問を持ったりで、その職を三度も辞したり、また勤めたりしている。
表題から見ると、野口を貶める内容に見えるが、野口と著者の抜き差しならぬ関係が見えてくる。
野口が変わった生い立ちで、英国の学校でも落ちこぼれだったことは知っているが、彼のエキセントリックな発想や実行力が何に基づいているかとか、彼が接触した政治家、橋本龍太郎、石原慎太郎、小池百合子などがいかに「政治家」であったかなどが面白く描かれている。
野口の人となりに善意を持ちながら書いている。