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東京国立近代美術館と毎日新聞社
25日上海を20時30分発が1時間以上遅れて発った。
羽田には10分程度の遅れで到着した。
26日午前1時半を回っていて、公共交通は動いていない。
タクシーで娘のアパートへ向かった。
娘のところに世話になったのは、一眠りして、近代美術館で開催中の藤田嗣治、全所蔵作品展を観るためだ。
娘の出社するのに着いて、9時半に家を出る。
東京駅でスーツケースを送ってしまい、身軽になって竹橋に向かう。
65歳以上は入館無料だった。
今回の展示は作品の多くが、藤田が戦前日本に帰国した後、海軍などの委嘱で描いた戦争画が中心だ。
彼は20歳台にフランスに渡り、20年近く過ごした。
後半は彼の日本画の素養を生かして作った、女性の肌を表現する乳白色の肌色で有名になった。
また日本画用の面相筆を使った輪郭線も東洋の神秘に見えたようだ。
世界恐慌の後、2年ほど南米などを旅して帰国した。
時代に迎合したのか戦意高揚の絵をたくさん描いた。
これが戦後批判され、日本を離れフランスに戻り、フランス国籍を取得した。
死ぬまで日本には戻らなかった。
今回の戦争画はこれまでも、あまり公開されることのなかった作品が多い。
とくに有名な作品は、「アッツ島玉砕」や「薫空挺隊敵陣に強硬着陸奮闘す」「哈爾哈可畔の戦闘」などだ。
だが「アッツ島・・」などは死屍累々の画面でとても戦意高揚に役立つとも思えない。
確かに死屍は全て敵兵であるアメリカ兵に見えるが、悲惨さが先に来る。
レンブラントやドラクロアなど西洋画の迫力を取り込んだ大作になっている。
絵としての完成度は高いと思う。
戦争画以外も展示されている。
自画像もある。
中でも「五人の裸婦」は乳白色の肌が全てだ。
先々週はオダギリジョーの主演する映画「foujita」を観た。
映画評ではなぜ戦争画を描くことになったのか、またその心情などの解釈表現が不十分だと厳しかったが、私としては映画の中の藤田が感情を抑え、静かに描かれているのが、彼の心情を良く表していたように思えた。
観終わってからは、北の丸公園を通り抜けて、東京駅に向かった。
それほどの観光客もいなくて、静かな雰囲気が楽しめた。
一部では紅葉も見られた。
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一本だけ赤く色付いたもみじ。
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他にも色付いた木もあるが、全体的にはまだ早いようだった。
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大手町の銀杏も色付いたものは少なかった。