不適切な表現に該当する恐れがある内容を一部非表示にしています

片雲の風に誘われて

自転車で行ったところ、ことなどを思いつくままに写真と文で綴る。

10/5 県立牧野植物園

2011-10-12 22:18:06 | 四国遍路

県立牧野植物園は高知県の佐川町に生まれた植物学者牧野富太郎を記念する植物園。
高知県の植物を中心に展示がされている。


 ホテルはチェックアウトが10時なので、9時過ぎに出た。
他の客はもういないようで私が鍵を返して階段を降り始めると直ぐフロントの男はロビーの電気を消した。
駅で荷物を預け、コンコースにいた観光ガイドに植物園行きの方法を尋ねた。
バスは一時間に一本のMAY遊バスしかないようだ。
路面電車で一番近くまで行き、徒歩で20分ほど歩いて、植物園のある五台山に上った。
山の上には31番の竹林寺がある。
山門の前で、これなら納経帳を持ってきて打ち終えたことにすればよかったと気が付いた。
スロープを歩いて登る時は痛みがないが、階段になると途端に痛みが襲ってくる。
植物園の中は階段を減らしてスロープへの改造が施されている。
植物の展示レイアウトは展示中心というより、庭としての景観に拘っているように見える。
四季折々に散歩に来る楽しみが期待できる所だ。
散策の途中から激しい雨になった。
合羽上下を着て、頭にはフードをかぶった。
傘を差さずに雨に打たれながら歩くのもまた趣がある。
しかし、市内に戻るのにはバスを使った。

 はりまや橋で降りて、高地城まで歩いた。
市内を歩いてみて、ほとんど高知の町を知らないことに気が付いた。
高知にはこの40年近くの間に20回以上来たことがあるが、何時も空港から車で営業所や客先に行き、市内を歩いたことがなかった。
高知城も来たことはないようだ。


高知城の大手門から天守閣を望む。
この二つを一つの画面に写すことが出来るのはここ高知城だけだそうだ。

維新後放置されて相当に痛んでいた天守閣を太平洋戦争後修理して現在の姿に修復したものだ。
熊本城ほど城閾は広くないが、古い面影をよく残していると思う。
雨のウイークデイでほとんど見物客もなく静に楽しむことが出来た。

 城を出て直ぐのところに「ひろめ市場」という屋台村があった。
世界中にあるフードコートの形式だが、土佐料理を中心としたメニューが楽しめる。
喉が渇いていたので、生ビールとモツ煮でテーブルに付いた。


土佐藩の名家老であった深尾弘人蕃顕(ひろめしげあき)のあった場所で、彼の屋敷が姿を消した維新後も、この一帯は市民から親しみを込めて「弘人屋敷(ひろめ屋敷)」と呼ばれてきたので「ひろめ市場」と名付けられた。

5時を過ぎると、直ぐに全てのテーブルが埋まるほどになった。
観光客らしい姿も見えるが、大部分は地元の客のようだ。

 バスは夜十時の名古屋行きだ。
それまでは繁華街のサウナで時間をつぶすことにした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

10/4 海の駅とろむ~モネの庭~奈半利 32キロ

2011-10-04 21:25:12 | 四国遍路
 3日間世話になった海の駅とろむをやっと離れることが出来た。
テントをたたみ、5個のバッグを自転車に全て積んで、港の出口の坂をスムーズに登った。
違和感が少しあるものの、痛みはなく、これなら快調だと言えると調子よく走った。
しかし、それも20キロ程度だった。
そこから徐々に痛みが増してきた。
奈半利に入る前には、やはり少しの登りでペダルに力が入らなくなった。
それでも右足の痛みが少ない為片足で漕ぐ形になった。
奈半利では少し山に入った北川村にある「モネの庭」を見ることにしていた。
駅を通り過ぎて山に向かった。
2キロほどで入口に着いた。
急な上り坂で600メートルと出ているので坂の入口に自転車を置いて歩いて上った。
浜名湖にあるガーデンパークにも「モネの家」があったが、「モネ」の名前を冠することが出来なくなった。
ここはまだ許されているようだ。
ともに、印象派の画家として日本では好まれているクロード・モネが晩年をすごした、フランスノルマンディーのジヴェルニーにある彼の家や庭を再現したとするものだ。
何年か前に本家の庭を見に行ったことがあるが、少し離れたところに設置された駐車場が木立に囲まれた気持ちの良いところだった記憶が強くて、肝心の家や庭の思い出が少ない。
しかし、今回両方を見ての印象では、全体としては浜名湖の方が印象が似ている様に思う。
確かにこちらは「モネの庭」と名乗るだけあって、家はない。
それも睡蓮の池が主に真似されている。

睡蓮の池、ナナカマドが紅葉を始めている。

だが、花の植え方や手入れの悪さは本家に近いかなとも思う。
これは訪ねる季節によるところが大きいが。

モネが咲かせたくて出来なかった、青い睡蓮の花がここでは咲いている。

園内を巡るとき階段はやはり辛かった。
これでは、とても400メートル以上の山の上にある27番神峯寺(こうのみねじ)に登ることは出来ない。
とうとう諦めることにした。
お遍路は終わりにする。
土佐くろしお鉄道の奈半利駅で自転車を送り返し、鉄道で高知に出る。
ヤマト運輸に集荷を頼んだ。


慌てて梱包したので輪行袋に入りきれず一部はみ出している。

 挫折したくはないと強く思ったが、これ以上無理をして、残された人生、階段が登れないのではそれも辛い。

 高知では今日の夜出る夜行の名古屋行きがあったが、牧野富太郎を記念した植物園があると友人から紹介されているので、明日はそこを訪れることにして、駅近くの安宿に入った。
現金なもので、止めると決めて、風呂から出ると痛みはなくなっている。



コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

10/3 海の駅とろむ~津照寺(しんしょうじ)~金剛頂寺(こんごうちょうじ) 徒歩10キロ

2011-10-03 18:31:57 | 四国遍路
 今朝も自転車を試してみたがペダルに力が入らなかった。
これはもう無理かなと考えた。
しかし、歩く方はより回復したような感じだ。
そこで、朝食後25番津照寺まで行ってみようと出発した。
距離は片道2キロ程度だ。
標高も30メートルと低い。
30分ほどで着いた。
しかし、本堂までが階段だ。
百段以上ある。
平地を歩くのは平気になったが、階段は苦しい。

最後の階段下から津照寺本堂を望む。

打ち終えて下まで降りてきたところに薬屋があった。
湿布薬を買った。
これで少し元気が出て、26番の金剛頂寺に向かう。
更に6キロ。
1時間半掛かる。
歩き始めると、独りの歩き遍路に追い着いた。
話しかけてみると、二週目を回っているそうだ。
一周回って、そのまま二週目に入っているとのこと。
あまり話ししたくないようなのでお先にと声を掛けて追い越した。
同年代の男だった。
金剛頂寺は標高が165メートル。
また、葛篭折れの道を登った。


金剛頂寺、山門から本堂を覗く。

 寺に着いてみるとさっき追い越した男がもうお参りをしていた。
近道があったのかと聞いてみると、真直ぐ登る道があると、無愛想に答えた。
打ち終えて少し降りると、確かに遍路道の看板があった。
全くの山道だ。
降り始めて見ると、とても私の足では登れなかっただろう本当の山道だった。
下の通りまで降りるとちょうどバスが来たのでバスに乗ってとろむに戻った。
三時間弱、午後1時になっていた。
 昨日食べ損ねたレストランで昼食を摂った。
クジラの竜田揚げ定食を頼んだ。
クジラなど食べるのは何十年ぶりだろうか。
味は何のことはないバサバサな味だった。
 昼寝の後自転車を試してみるとなんとかなりそうだった。
そこで少し離れた室戸市の中心まで走ってみた。
スポーツ洋品店を探して、下半身を締め付けるタイツを買おうと行く。
高校の近くに店を見つけたが、在庫がないと言う。
徳島の店にあるから取り寄せると言う。
私のキャンプ地まで夕方に届けると言ってくれた。
これでなんとか旅を続けられそうになったので、帰りにスーパーで食料の補給をする。
今朝は、自転車を送り返して高知まで出て帰ろうと考えていたが、少し明るくなった。
 気がつくと金木犀の香りがあちらこちらからしている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

10/2 とろむ~最御崎寺 徒歩往復 8キロ

2011-10-02 18:35:20 | 四国遍路

テント場

 今朝、起きて少し痛みが和らいだところまでは書いた。
プログをアップ後、少し歩いたり自転車に乗ってみたがとても長い距離や坂道を行くのは無理そうだった。
そこでまた、テントに入って昼前まで寝ていた。
昼は米で粥を作り、その中にインスタントの味噌汁を入れておじやだ。
食後、大丈夫そうなので身支度をして、徒歩で最御崎寺に向かった。
しかし、歩き始めて直ぐ港の出口の坂道で右ひざに強い痛みを覚えた。
これは無理だとまた戻った。
ラジオを聴きながら2時間ばかり横になっていた。
試してみるとなんとかなりそうだ。
再度出発した。
平地を2キロばかり歩いて、丘への上り口までは問題なかった。
遠くから見えていた上り坂は、とても急で正常時でも漕いで登りきるのは無理だろう。

下から眺める葛篭折れの上り坂。

坂を登り始めると少し痛みがあったがそれも慣れると薄らいだ。
標高165メートルを上りきり無事本殿の前に立つことが出来た。
しかし参拝の手順を思い出せない。
人のやるのを見よう見まねでなんとかこなす。

本殿は古びた趣のある雰囲気だ。
 
帰りに階段を下りたがこれは応えた。
手すりなしではとても下りられない。

上からの眺め、遠くに見える港の向こうがテント場。

帰り道古い町並みを通った。
立派な家も並んでいるが、三分の一以上が空き家になっている。
通りに面して店屋だったらしい家もあるがどれも閉まっている。
出来れば湿布薬を買おうと思ったのだが何処にもない。
諦めて、テント場に戻った。
往復で2時間半掛かった。
帰って、そばにある足湯で足を休めて、今夜はそこにあるレストランで夕食だと思っていたら、店から人が出てきて、足湯の電源を切った。
5時までだそうだ。
直ぐには冷めないからそのまま使っていて良いと言う。
レストランは何時までだと聞くと、同じく5時で終わりだと。
また今夜も食べそこなった。

 獣が怪我を癒す様に暫くじっとしていて、痛みが薄らいでゆくのを感じていたが、動き始めたのが少し早すぎたかもしれない。
これで明日も自転車に乗れないとすると、ここから出る大阪行きのバスに乗らなければならなくなる。
今回も何時ものように行き当たりばったりで出て来たが、今回は簡単に挫折できない訳がある。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

10/1 日和佐~室戸岬 87キロ

2011-10-02 08:17:12 | 四国遍路

サンラインの海岸線、台湾を思わせるような海へ落ち込む山と崖、その先に広大な太平洋。

 第一日目は散々なスタートとなった。
途中で膝が痛くなり、最後は歩くのも困難になった。
今は室戸岬の漁港にある公園の中のバス停で電源を借りている。
昨夜なんとかたどり着いてテント泊したところだ。

 昨日の朝、宿を出るとき、上り下りは多いが景色の良い海岸線のサンラインを行くか、平坦な内陸の国道55を行くか迷った。
その時、同宿の自転車青年に会った。
彼はサンラインを行くと答えたので私も行くことに決めた。
先ず、薬王寺の山門前でこれからの道の安全をお願いした。
日和佐の町外れまで国道55号で行き、県道147のサンラインへ入る。
直ぐに急勾配の山道になる。
暫くは漕いで登ったが、勾配が急になったところで歩いた。
標高150メートルが頂上で、また少し下る。
その後は最大80メートル程の上り下りの繰り返しが続く。
最初以外はコツを取り戻したのか歩かずに漕ぎ続けることができた。
しかし、途中で少し左ひざに少し違和感を感じた。
腿の筋肉が引きつるような感じだったが、大したことはないと思った。
それよりも、150メートルの高さから見る海の景色に見とれながら漕いだ。
黒潮の海が濃い群青色に輝いている。
人家は見えず、通りがかる車もなく自分ひとりが自然に抱かれているようで、旅に出てきた開放感が充分に感じられた。
 15キロほどでサンラインは終わり国道55号に合流する。
暫くは海辺の小さなが切れ切れに点在する。
30キロを越えたころから小さな坂でも左足に痛みを覚えるようになった。
大したことはないと、右足で少しかばうように漕ぎ続けた。
その頃昼だったので、残り50キロは3時間弱、今日中に24番最御崎寺を打ち終わって次に向かえるだろうと考えていた。
しかし、50キロを越えたころから今度は右足にも違和感が湧いた。
高知県に入ると道はほぼ平坦になるが、それでも10メートル程度の坂はある。
そんな坂でも痛みが出るようになった。
午後2時ごろからは30分走っては20分休むと言うような状況だった。
もう今日は終わりにしてどこかで泊まろうと思っても、海岸ぎりぎりの道で、テントを張る場所も見つからない。
それでは民宿を探しても、やっと見つけた宿は営業していない。
それでも4時過ぎにはなんとか室戸岬に着いた。
海洋深層水を利用したプールと風呂のある施設が目に入った。
風呂にでも入れば楽になるかもしれないと期待して飛び込んだ。
しかし、施設の入口の数段の階段でさえ登るのがやっとの状態だ。
深層水の露天風呂に暗くなるまで2時間近く浸かっていた。
少し楽になった。
なんとか宿を探す元気が出た。
フロントで聞くと、ここの駐車場にも東屋やトイレがるのでテント泊してもいいと答えてくれた。
しかし、名前を登録してくれと言われた。
それにここは人の出入りが多い。
もう少し先に行くと港の近くにもテントの張れる場所があると教えてくれる。
そちらへ行くことにした。
しかし、走り出して直ぐ後悔した。
やはり少しの坂でも漕ぐのがかなり辛い。
やっと6キロほど走って着いたのがここ、海の駅とろむと言う漁港の隣の施設だ。
屋根のある場所にテントを張った。
歯も磨かずそのまま直ぐ、寝袋にもぐりこんだ。
夜8時から朝7時まで、風の音に悩まされながらもなんとか眠れた。
まだ足は痛むが歩くことは差ほどではなくなった。
この後、自転車に乗れるか試してみる。
しかし、最御崎寺は160メートルの山の上らしいので、ここに自転車を置いて5キロほど歩いてゆくかもしれない。
そしてもう一晩ここで様子を見るのも良いかもしれない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする