ハロン湾へ向かうバスの中から、シベリアンハスキーらしい大型犬をバイクに乗せている。
ハロン湾へは初めから行ってみたいと思っていた。
旧市街を歩いているときも小さな旅行社があると店頭のパンフレットを見たり問い合わせていた。
日帰りコースが大体どこも20ドルから30ドル程度だった。
中に、スタンダードが28でデラックスが32ドルという店があったので、決めようとしたら、妻が反対した。
信用できない、どんな内容かわからない、食事が心配だという。
今までパリでもイスタンブールでも飛び込みのツーリストインフォメーションや旅行社でツアーを買ったことがあるのに、ベトナムではということらしい。
ホテルのコンシェルジュに相談しろという。
いわれたように相談すると、ホテル内にカウンターを持つ旅行社に連れていかれた。
バスのグループで100ドル、専用のプライベート乗用車で150ドルという。
最安値から見たら5倍以上だ。
使われるバスもクルーズ船も食事も、この価格差ほど違いはないと説得するも聞かない。
100ドルを申し込んだ。
最終日にホテルをチェックアウトして荷物を預け、ツアーから戻って市内で夕食を取り、空港へ向かえば、深夜のフライトにちょうど良い。
前日に出発時間が早くなったと連絡が来た。
我々のホテルがスタートだった。
バスは相当時代を経た韓国製の中型車。
他に日本人の子供連れ家族が乗り込んだ。
次にソフィテル、続いてヒルトンと客を拾ってゆく。
妻が、やはり高級ホテルばかりでピックアップしてゆくと勝ち誇った。
しかし、最後は旧市街に近いホアンキエム湖横のバックパッカー宿で一番多い人数を拾った。
とても100ドル出したとは思えない客だ。
総勢で18名ほど。
客を拾い終わり、市街を抜けて郊外の道を走るが、どうも走り具合がおかしい。
スピードをあまり出さず、ほかの車にどんどん追い越されてゆく。
町はずれの橋のたもとで止まった。
見るとパンク修理屋だった。
パンクしているので修理だという。
修理後もそれほど速度を上げない。
これで予定の11時に船着場に到着できるのかと途中で聞いてみる。
予定時間の30分前なのにまだ残り100キロ近くある。
グーグルのマップで見ても、到着予定まで1時間半以上になっている。
すると少しスピードアップし始めた。
それでも船に乗ったのは予定の1時間遅れ。
どうも、パンクや集客のトラブルで予定した船に乗れず、その後便になり、時間調整をしていたようだ。
最初の日の朝、ホテル近くには花を満載した自転車が多く走っていた。
ホテルのすぐ近くに大きな花の市場があり、そこをバスが通った。
クルーズ船は少人数用で、年式も若干新しいようだった。
船内のシートもデッキのシートも少しデラックスであった。
昼食のバイキングも心配したほどではなかった。
確かにハノイでは食事は全般的に口に合った。
ハロン湾の奇観、海の桂林だ。
デッキから。
海上にそびえたつ島々は確かに珍しい景色を見せてくれる。
しかし、妻ももらしたように、ニュージーランドのミルフォードサウンドの壮大さにはかなわない。
感動は別物だ。
島の一つに大きな鍾乳洞がある。その島の船着場。
同じような船ばかりで、団体客用の大型船は乗り換えてくる。
出発した船着場に戻ったのは、渡された計画書の3時半ではなく5時だった。
運転手に聞くと、ホテルまでは4時間以上かかるという。
我々の帰国便には遅くとも9時半までにホテルに着いてもらうのが安心だ。
運転手には9時までに何とか到着するように強く言いつけた。
そのせいか、街路灯のない真っ暗な道をかなりのスピードで走ってくれた。
追い越しが怖かった。
おかげで何とか8時過ぎに町の戻り、ホテルには9時15分前に到着した。
礼を言うと運転手もガイドも嬉しそうだっだ。
空港までのタクシーも30分程度で、ガイドブックに書いてあるより少ない時間で着いた。
料金もホテルの送迎車の3分の1程度の2千円ちょっとだった。
空港では食事をしたり、買い物をするする時間が十分とれた。