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中国批判の的外れ 中国のコロナ感染者数が発表機関によって違うのは集計範囲が違うから 吉川さんから届いたコロナ感染者数に関する文書

中国批判の的外れ
中国のコロナ感染者数が発表機関によって違うのは集計範囲が違うから
吉川さんから届いたコロナ感染者数に関する文書


 WHOが発表している中国のコロナ感染者数は、「中国」を狭義の本土の中華人民共和国域内+香港+マカオ+台湾を含む範囲として一括集計し、香港、 マカオ、台湾については単独集計せず(一つの中国として)集計。

 ジョンズホプキンス大学が発表している中国のコロナ感染者数は、狭義の中華人民共和国域内+香港特別行政区+マカオ特別行政区を含むデータが 集計されています。

 吉川さんの作成した表『中国本土での COVID-19 の主な流行のまとめと試算』は、狭義の中国本土の状況にもとづくものであり、香港特別行政区、マカオ特別行政区、台湾での COVID-19 をめぐる状況は集計に入っていないとのことです。

 こうして見ると、WHOが「一つの中国の原則(台湾は中華人民共和国の領土の不可分の一部、香港はイギリス植民地から中国に返還された中国領土)」という国際法を最も忠実に守ってコロナ感染者数を集計していることが分かります。私は感心しました。

 ここで注意すべきは、こうした集計範囲の差異をもって中国のコロナ対策を否定する謬論を許してはならないということです。中国は大国でありながらいち早くコロナを克服し経済のV字回復に成功した唯一の国です。コロナ対策は、日本が中国に謙虚に学ばなくてはならないことに何ら変わりはないと思います。 (伊関)

以下、吉川さんから届いた文書(PDF)を掲載します。



COVID-19 患者数中国本⼟分の集計について
             吉川淳⼦(南京中医薬⼤学)

 先⽇『中国本⼟での COVID-19 の主な流⾏のまとめと試算』という私が作成した表を公開させていただきましたところ、たくさんの⽅にご覧いただき、誠にありがとうございます。ご質問をいただきましたのでお答えいたします。

1. 各機関が公開しているダッシュボードの数と吉川作成の表のデータの不⼀致について
「各機関が公開しているダッシュボードの数とデータが⼀致していないのではないか」というご指摘を頂戴しました。
じつは各ダッシュボードの「中国」の範囲の設定は⼀定していません。

①「中国」を狭義の本⼟の中華⼈⺠共和国域内(特別⾏政区含まず)として集計し、⾹港特別⾏政区、マカオ特別⾏政区、台湾はそれぞれ別の地域として集計。
②「中国」を狭義の本⼟の中華⼈⺠共和国域内+⾹港特別⾏政区+マカオ特別⾏政区を含む範囲として集計し、台湾は別の地域として集計。
③ 「中国」を狭義の本⼟の中華⼈⺠共和国域内+⾹港+マカオ+台湾を含む範囲として⼀括集計し、⾹港、マカオ、台湾については単独集計せず(⼀つの中国として集計)。
という 3 つの基準が混在しています。
例えば WHO のダッシュボードは「③⼀つの中国として集計」を採⽤していて、集計には狭義の中華⼈⺠共和国域内+⾹港+マカオ+台湾のデータを全部含んでいます。
https://covid19.who.int/table



⾹港、マカオ、台湾を単独で選ぼうとしても選択肢がなく選べません。



Johns Hopkins University のダッシュボードでは②を採⽤していて、台湾は別に集計されているのですが、「中国」を選ぶと、狭義の中華⼈⺠共和国域内+⾹港特別⾏政区+マカオ特別⾏政区を含むデータが集計されています。
https://coronavirus.jhu.edu/region/china




①(本⼟、⾹港、マカオ、台湾を別々に集計)を採⽤しているのは、Coronavirus (COVID-19) live map tracker from Microsoft Bing などです。
https://cn.bing.com/search?q=Coronavirus



 吉川の作成した表『中国本⼟での COVID-19 の主な流⾏のまとめと試算』は、①狭義の中国本⼟の状況にもとづくものであり、今回⼒量がなくて、⾹港特別⾏政区、マカオ特別⾏政区、台湾での COVID-19をめぐる状況は集計に⼊れていませんのでご了承ください。
 表の「うち武漢市」の⾏と、「2020.4.26 までの全国累計」、「2021.9.26 までの全国累計」の⾏の、確定症例、死亡者数は,中国国家衛⽣健康委員会発表の数値です。
http://www.nhc.gov.cn/xcs/yqtb/list_gzbd.shtml(中国国家衛⽣健康委員会)
 以上ご理解よろしくお願いいたします。

2.武漢以降の死亡例 3 例の詳細について
 また武漢以降の COVID-19 死亡例についておたずねがありました。
 武漢の流⾏以外で亡くなられた 3 例について発表されている内容は以下の通りです。
①2020 年 5 ⽉ 16 ⽇、吉林省で確定症例が 1 名認定されたが、⾼齢による⼼⾎管などの基礎疾患があり死亡された。(この⽅は死亡後感染が確認された可能性があるかもしれません)
②2021 年 1 ⽉ 13 ⽇、河北省⽯家庄藁城区の 60 代⼥性が死亡。1 ⽉ 9 ⽇に陽性がわかり、重度の⼼筋損傷から肝不全、腎不全をきたし、気管挿管、ECMO 治療を受けたが死亡。(短期間で重症化されました)
③2021 年 1 ⽉ 25 ⽇ 吉林省通化市の 87 歳の⼼臓病の基礎疾患のある患者さんが死亡。無症状感染者との接触で発症され、重篤型(⽇本の重症に相当)で⼀時は持ち直したものの死亡された。

 この③の患者さんが今現在で中国本⼟の COVID-19 の最後の死亡者となります。つまり中国本⼟(⾹港、マカオ、台湾を含まない)では、2021 年 1 ⽉ 26 ⽇から本⽇(2021 年 9 ⽉ 29 ⽇)まで、8 か⽉以上(247 ⽇)死亡ゼロが続いています。
 亡くなられた皆様のご冥福をお祈りします。

 以上です。今後も質問や詳しく知りたいことがあればお知らせください。

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