トライアングルの部屋

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仙台在住で大の阪神ファン

たゆたえども沈まず 原田マハ

2018-11-03 14:24:58 | 本 2018年
加納重吉は
日本でフランス語を学び
先にパリへ渡っていた先輩の林忠正を頼って
パリへやってきた

忠正は
浮世絵などの日本美術を扱う仕事をしていた

当時日本美術愛好家をジャポニザンと呼び
パリではすごい人気だった

彼らのパリでの成功話かと思いきや
テオドルス・ファン・ゴッホなる人物が登場

あの画家であるフィンセント・ファン・ゴッホの弟である

林忠正も実在する人物

でも重吉は架空の人物

そしてこの話は重吉を交えた?
日本人である重吉から見た
ゴッホ兄弟を描いた物語

「ゴッホゴーギャン展」も行った

映画「ゴッホ 最後の手紙」
ゴッホの絵をもとに
アニメ風に描いた素敵な映画も観た

ゴッホの人生は少しは記憶にあったけれど
この本を読みながら
テオとフィンセント
二人の人生を調べながら読んでしまった

そしてタンギー爺さんやガシェ医師との関係も
あらためて理解した

結末はわかっているのに
どうか誰か助けてと願いながら。

テオがもう少し長生きしてくれてたらなあと

結局兄弟の生存中は
絵は認められなかったのだ
芸術家はそんなケースが多いかも

たゆたえども沈まず

パリはいかなる苦境に追い込まれようと
たゆたいこそすれ
決して沈まない
セーヌ川が幾度も氾濫して
苦しめられても
その都度再建してきた




林忠正の印象に残った言葉

日本人は自分で価値を見出すことはせず
むしろ他人が価値を認めたものを容認する
日本以外の国で認められた芸術を
彼らは歓迎するのだ

浮世絵がいい例
茶碗を包む紙に過ぎなかったのに
パリで認められたとたん
それをパリで売っていた忠正を
「国賊」と責めるようになった



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