トライアングルの部屋

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仙台在住で大の阪神ファン

海の見える理髪店 荻原浩

2016-08-10 16:59:35 | 本 2016年
「海の見える理髪店」

海辺の町にある理髪店
客としてやってきた男
その作業の工程に合わせて
理容師が自分の人生を語る

「いつか来た道」

杏子
母とは疎遠になっていた
その母が体調を崩しているから
様子を見に行ってほしいと
弟に言われ
しぶしぶやってきた

杏子は母が嫌いなのに
同じ絵の道に進んだ

母の変わりように驚きながら
昔を思い出す

「遠くから来た手紙」

ふむふむ
子育てで大変な時期に
協力しないからと
仕事に全力を尽くす夫への愚痴ですかい
そして実家に帰省
なんとまあ
仕事の大変さを理解してないなあ

あれ?
頻繁に訪ねてきては孫を甘やかす姑

思い当たるウ
主人公祥子との違いは
実家に帰れなかったことと
夫は無理解ではなかったことかな

「空は今日もスカイ」

空のブルー
雲のホワイト
たんぼはグリーンで
あぜ道に名前も知らないイエローの花


小学生
父親が亡くなり
母が求職中のため
親戚の家に居候

おばさんにいい顔されなくて
家出のように
海を求めて
一人で歩いてきた

子供のことだから
たぶん大した距離ではないのかも

途中の神社で知り合ったのは
虐待されているらしい男の子

「時のない時計」

父の死後
母から形見だと譲られた時計
壊れていたので
修理してもらおうと
訪ねた時計屋

そこの主人と話していると
次々思い出す父との思い出

時計屋の主人の人生も
店に置いてある時計とともに語られる


「成人式」

十五歳の時
一人娘を
酒気帯び運転のトラックにはねられ
亡くした夫婦の話

お涙頂戴の話なんだろうけど
想像すると滑稽でもあるし

悲しい思い出から抜け出すためには
ここまでしないといけないのかという
悲惨さも感じる

直木賞を受賞した作品だって

大きな感動もなければ
つまらないわけでもない

なんとなく横を通り過ぎていくような話







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