狸  森  日  記

                 ムジナnoモリnoクラシカタ

pic・a・resque

2006-12-16 01:35:16 | ひとりごと
ピカレスク。辞書で調べてみると
「〈小説が〉悪漢を主人公とした・・・悪漢小説」と、書いてある。


今は亡き「今東光」の著書に「悪太郎・悪童・悪名・・etc」が有るが
こういうのを「ピカレスク小説」と言うのだろうか。読んでいて実に
楽しかった記憶がある。


2、3日前のニュースの中に、愛人との生活費を「引ったくり」で稼いで
いた40代半ばの男が逮捕された・・と、言うのがあった。
今東光の本に出てくるような悪人と比較すること自体が間違いであるが
貢がれていた女性は「幸せ」ではなかっただろうか。
引ったくりの数、実に600回に及び、金額にして4000千万円以上だとか。


今 東光(こん とうこう、1898年3月26日 - 1977年9月19日)は、天台宗僧侶
(法名 今 春聴)・作家・画家・参議院議員でもあった。
後に大僧正となり、中尊寺貫主となり瀬戸内晴海(現;瀬戸内寂聴)を得度。
僕の記憶では「異形の大僧正」というイメージが強い。


勝新太郎&田宮次郎(何れも故人)のコンビで1961年に映画化された
「悪名」は実に面白かった。今、あの悪名をリメイクするとしたら、
誰と誰のコンビが最適だろうと考えるが、思い浮かばない。


今は、作家、役者の中にも、アクが強く、個性的な人がいないように思う。
緒方拳は年を取りすぎているし、松方弘樹では、アクが弱い。渡辺謙だと
少々重みが足りない。矢張り「悪名」は、勝新太郎&田宮次郎のコンビが
ベターだったのかもしれない。

二枚目俳優だった田宮次郎を敢えて3枚目的に起用した監督の眼力にも
敬服しますね。



ピカレスクの主人公にはどこか正義に通じるものを持っている、それが
観ていて面白いのかも知れない、嫌な感じではないのである。
役が人を作る・・・という事も有るので、是非リメイク版を観て見たい。