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危険な早期療育、早期教育が子どもの心を壊すとき

2009-07-27 10:38:51 | 自閉症
今朝、知人から「●●のブログを読んでみて。」という電話をいただいて、
さっそく☆自閉症児の母の後悔のブログに一通り目を通させていただきました。
私はこれまで、こうした話を生徒さんから口伝で耳にしたり、
海外で街をあげておこなわれた幼児教育なんかがこうした結果を生んだ話を
目にしたことがあって、その危険を気にかけていました。

このブログでは、TEACCHや視覚支援や構造化
によって問題行動が減り、集団生活に適応できるようになった自閉症の男の子が、
そうした働きかけゆえに、心が崩壊していく様子を記録していらっしゃいます。

「カナー君の心が壊れてしまったのは、我家で実施した療育プログラムの結果だと感じています。
こういうケースもあるということを、皆さんに知っていただきたくて、このブログをはじめました。」という親御さんの言葉をありがたく受け止めて
みなさんにも紹介させていただこうと思いました。

☆カナー君のこと(とうとう大爆発)

この男の子に起こった問題は、自閉症の子に限っての問題でも、療育や支援の種類に限っての問題でもありません。

子どもが、感情や意志や心を持ったひとりの人であることを無視して
親が望む子どもの姿を目標に
「飴とムチ」を使って子どもの行動を、
機械に良い行動をインプットしていくような感覚でかかわるとどうなるか
の結末が書かれています。

障害児のための早期療育も定型発達の子のための早期教育
親が望む子供の姿を目標に、
子どもを操作しよう~大人の計画の上を歩ませようという思いでおこなうと
とても危険です。

最近、
エチカの鏡の横峰式の教育の影響か、子どものやる気は、
子どもの中から生まれるのでなく、
無理やりでも良い行動を取らせて、できるようになったらうれしくて
やる気が出るんだから~
といった、子どもの心に対する鈍感な意見を口にする
親御さんをたびたび目にするようになったからです。

子どもを観察するという言葉が
個性やその子の精神の発達を無視した、大人の都合でどうやって言うことを聞かせようか~という視点からの観察になっていて、

大人による管理、支配がうまくいっていること=
子どもがよくなっている、成長している

と勘違いする方が増えているのです。

これは非常に危険なことです。
思春期までの子には有効で、目を見張る効果が得られるかもしれません。
でも、子どもは、思春期に自立し始め、
自分の意志で自分で決定して生きていかなければならないのです。

そうした時には、まじめにがんばるべきときはがんばると同じくらい
うつ病などのリスクを避けるためにも、
自分の内なる危機を察知して、どこで気を抜くか、どう休むかを選んだり、
何を喜びとするか探し出したり、
自分自身の生き方を模索したりする能力が必要です。

子どもを大人のリモコンで動く機械にしてしまうと、
こうした自立の時期を迎えるとき、
必ずといっていいほど、壊れてしまうのです。

子どもに問題行動があらわれているときというのは、
あらわれる必要があるからあらわれている場合がほとんどです。
成長に不可欠な通るべき段階、
子どもからのSOSなど。

病気でも疲れやすくて休みたいときは、
休んで身体内部の病気の悪化を抑えることが大事で、
休みたい心を無視することや、しんどくてもいかにたくさん仕事を続けるかを重視すると危険ですよね。そうしたサインは早期に受信して
きちんと対応すべきことですから。

ですから、子どもが泣いても無視する、良いときだけ反応するなどして
親や先生が正しい!良い!と思う子ども像、生徒像に
手っ取り早く変えてしまうことを続けることは、
非常に危険なことでもあるのです。

まだうまく説明できていない部分もたくさんありますが、
それはまたの機会に書かせていただきますね。



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2 コメント

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Unknown (さまんさ)
2009-07-28 07:39:20
無理やりでも良い行動を取らせて、できるようになったらうれしくて
やる気が出るんだから~
といった、子どもの心に対する鈍感な意見を口にする
親御さんをたびたび目にするようになったからです

・・・わたしもその一人かもしれないと思いました。
おむつをとるときでも、自転車の補助輪をとるときでも、親が強力に推し進めないと、いつまでも前に進もうとしない子でした。
 新しいことには興味をしめさず挑戦しようともせず、慣れた状況に固執するのは今でもそうです。
 このブログのお母さんがどのように後悔されているのか、読んでみようと思います。
 
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先日行った講演会 (さるたこ)
2009-07-30 00:32:36
日本人の中では早い段階でティーチをアメリカで学んできた人の講演会でした。

しかし内容は療育方法ではありませんでした。

「私達が勉強してきて上手く行った方法を例の1つとして紹介してきたのに、真面目な皆さんはその方法が全てだと思わんばかりに全て型にはめてやっている。今はその間違いを訂正するために、全国を講演して回っているのです。
大人しくなると楽だから、というのは周りの大人の都合でそのためにされている指導は療育ではありません。自閉症者にとっては合わない支援は余計なお世話でしかないのです。その人に合った支援を考えましょう」
という内容(意訳)でした。

支援者にとっては痛い内容だったみたいですが、私にとっては普通の子育てにも通じる良い内容だったと思いました。
何故なら、親(自分)が怒るというのは、時間が無くて慌しい時だったり、自分の考えた行動をとっていない時だったりしますから。
結局親の都合の良い行動を子供に押し付けていたんだなぁって、反省となる講演会でした。

でも一朝一夕で自分の考えや行動が変わるわけでなく、今日も時間が迫っていて大声をだしてしまったのですが(汗)
難しいですね。子育ては親育ちというのは真実ですね。
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