ADD?先生の発達障害児 教育応援サイト

ADD?傾向のある塾教師がADHDやアスペルガー症候群の子にどうかかわり教えたらいいのか模索していくブログです。

コツコツできない 繰り返す作業ができない 忘れる

2009-04-26 12:32:01 | ADHD
発達障害のある2年生の☆くんのレッスンで、
人工雪作りとアルカリ性酸性を調べる化学実験を行ったところ
全身から喜びがあふれるような様子で
熱中していました。
定型発達の子たちは、小学生になると
たちまち幼児のころにあった強い好奇心や実験への没頭するような態度を失くしていく子が多いのですが、発達障害のある子たちはいくつになっても
全身全霊かけてそうした作業に夢中になる子が多いです。
これは決して私が発達障害の子をひいき目に見ているからでは
ないのです。
視覚優位なところや社会性の発達の遅れとも関係あるのかな?
とも感じています。
子どもっぽい…と表現できるような様子で
目の前の不思議に心を奪われているのです。

一方、発達障害のある子は、

「コツコツできない 繰り返す作業ができない 忘れる」

が極端な子がよくいます。
この☆くんも、図形問題を考える力は高学年レベル
文章題を考える力は中学年レベル
なのにもかかわらず、
まだ一ケタの足し算、引き算があやしいのです。

木の棒を使って楽しみながら計算をすると
何とかやっていたのですが、
途中からはお母さんのひざにつっぷして「やらない~にがて~」と言い張ります。

お母さんの話では、

コツコツ繰り返さなければならない作業はとにかくやりたがらない。

けんかをして手をだしたあとで、そのことをたずねても「忘れた~」と言うばかりで、本当に覚えていないようにも見える。
日ごろから、言葉が出てこなかったり、記憶が飛びやすかったりする。

ということでした。
☆くんは広汎性発達障害の診断名がついていますが、
サリーとアンの課題は解けますし、
人間関係もさほど不自由はありません。

外からは、発達障害を逃げ口上に使っている
甘やかされている子

として映りがちなグレーの子です。

「コツコツできない 繰り返す作業ができない 忘れる」という発達障害からくるハンディーは、
他の明らかに発達障害をイメージさせるハンディーよりも
理解してもらいにくい部分だと思います。

「忘れた」も責任のがれの口実…としか映っていないでしょう。

でも本人にすれば、
やはり本当に困っていることでもあるはずです。
やろうにも自分の力ではどうしようもないのです。
だからといって、発達障害の子に繰り返す作業をしなくていい…としてしまうと
基礎が身に付きません。
「忘れた」をいつも認めていると、それを
適当な言い訳に使うようにもなるでしょう。

ですから、ハンディーとは見えないようなこうしたハンディーについても
学校や家庭で
きちんとていねいな対処法を考えていく必要があると感じています。
2次障害のもととなるような
「わがまま」と決め付けて追い立てる方法ではなくて、
子どものハンディーに寄り添って、努力してみようと決意させる支援の仕方でです。


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