ADD?先生の発達障害児 教育応援サイト

ADD?傾向のある塾教師がADHDやアスペルガー症候群の子にどうかかわり教えたらいいのか模索していくブログです。

サリーとアンの課題はできるけど広汎性発達障がい? 1

2009-04-01 20:56:38 | アスペルガー症候群
前回の記事の続きの間に、ちょっと今気になっている話を挟ましてくださいね。

私は専門家ではないので、
あくまでも子どもの遊び方と問題を解決する姿、学習の仕方などを
観察して感じることなのですが、

サリーとアンの課題に正しい答えを出せるのに、
他の多くの面で
非常に広汎性発達障がいの受動型の子に近い認知のあり方をしている子

がいるのです。


そうしたタイプの子は、外から自分がどのように見えるか把握していないように見えます。

広汎性発達障がいの子か、純粋にADHDやADDの子か…では、
学習を教えていると、
成績は変わらない子でも
非常に大きな違いを感じるときがあります。

広汎性発達障がいの子は、
かなり難しい問題が解ける子であっても
学習以前の情報の取り入れ方や問題解決の仕方で
頭を傾げたくなるような方法を取ることがよくあります。

学習上の暗黙の了解と思われるようなことが、
小学校中学年を過ぎても、自分では思いつかない…ようなのです。

わからないとき、他の人のやっていることを見て判断する

うまくいかないときは、他の方法を試してみる

1箇所だけ間違えているときは、その部分を何とかする
(全部1からやりなおしたりはしない)

といったことです。
純粋なADHDと診断されている子でも、

その子にとってそれほど楽しいとは思えないような習い事を
やめたがらない

という特徴を持った子の学習を見ていると

先に紹介したような学習上の暗黙の了解がわかってないな…というところ、

私のその子へのまなざしを正確に受け取っていない感じ…

その子のできている能力、年齢からいうと易しすぎる課題でも、
はじめてする場合、手が出なくなる…(かなり極端)

ということがあるのです。

広汎性発達障がいかどうか、診断がおりていないのに、
推測して何の意味が…?と思われるかもしれません。

が、私は、広汎性発達障がいがあるようなら、かなりグレーゾーンの子でも小学校時代の対応で気をつけることがあると思うのです。

ひとつは公文式のような反復学習を続けるか否かは、広汎性発達障がいがあるかどうかで選択肢はちがってくる

もうひとつは中学でつまずきが予測される関数や方程式の概念を理解する
基礎となる体験を遊びを通して積んでおくべき

ということです。

ちょっとわかりにくい記事になってしまいましたが、今度時間のあるときに
しっかり続きを書きたいと思っています。




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重度の自閉症の☆くんと可能性 1

2009-04-01 16:27:44 | 自閉症
先日、重度の自閉症の診断を受けている4歳の☆くんが、
お母さんといっしょに虹色教室に来てくれました。
虹色教室では自閉症の子に対する特別な療育をしているわけではありません。

定型発達のさまざまな月齢の子たちと同じく
遊びを通して、

その子の発達段階で非常に敏感になっている吸収のいい分野の
最近接領域を見極めて働きかけていく

ことを繰り返していくだけです。
子どもの内部からの成長しようとする力の助けを借りると、
障害児教育の専門家というわけではない
親御さんのちょっとしたサポートが
子どもに大きな変化を起こすのを何度も見てきました。

それで、重度の自閉症という診断を受けている☆くんのレッスンでも
☆くんができることと手伝ってもらったらできることの間、
つまり今後働きかけ次第で伸ばしていけると考えられる
可能性の領域をさぐりました。

すると☆くんはできていることがたくさんあり、
周囲の環境次第で伸ばせそうなこともたくさんあるのが
見えてきました。

☆くんと積み木遊びをする上で気になったのが、
☆くんがでたらめなおもちゃの扱いをするたびに、
お母さんが即座に指示を与えて、「~するのよ」と教えているので、
簡単なことも自分で解決している姿が一度も見られなかったことです。
例えば、何か落としてしまっても、「拾いなさい」というお母さんの
言葉があって拾っているので、

落とした拾う

という問題の解決法を自分で思いつくことができるのか
わからなかったのです。
積み木をつないで線路を作る方法をして見せたときも、
「ここに積み木を置きなさい」とお母さんの指示があったので、
☆くんが、

私がつないでいるのを見て自分も同じように真似てみよう

という判断をして動けるのかわからなかったのです。
お母さんの指示が多いと、☆くんはたびたび混乱して
積み木をぐちゃぐちゃと散らかすだけの行為に向かっていました。

そこで、お母さんには、いったん☆くんへの声かけをやめてもらって、
私と☆くんのふたりで遊びながら、
☆くんがでたらめな試行錯誤の後でどのような行動を取るのか
観察しました。
すると、☆くんは、数回やってみてうまくいかないと、
私のやり方を見て真似しはじめたのです。
自分からずんずんずんずん線路をつないでいきました。

☆くんのレッスンの様子は次回に続きます。



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