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広汎性発達障がいの子が中学生になった時に関数や方程式でつまずかないにするには?

2009-04-02 09:11:42 | アスペルガー症候群
コメント欄で、チューブを搾ることに夢中なので、その時期に適した遊びを教えてくださいという質問をいただいています。
ビニール袋(かケーキの絞り袋)と匂いのない油ねんどや、小麦ねんどを用意して
力を込めると、繰り返し絞る遊びをさせるといいと思います。
筆圧がつき、手先の力をコントロールすることができるようになります。
また、クッキー作り、小麦ねんどの散髪屋さん遊び、湿らせた土で山を作る
なども楽しめるかと思います。
大きなゴミ袋に空気を詰めて、押して空気を移動させる遊びも喜ぶかもしれません。マヨネーズの空き容器を洗って、お風呂のおもちゃに加えてあげるのも良いと思います。


前回の続きです。

広汎性発達障がいの子が中学生になった時に関数や方程式でつまずかないようにするにはどうすればいいのでしょう?

小学生の間は、計算を中心にけっこう良い成績を取っていた子が、
関数の学習が始まったとたん
まったく手も足も出なくなったりします。

関数の学習では、
表の中の曲線を見てそれを移動したり、線の中の点を縦と横の線を交差した線上でとらえたりすることが、必要です。

知識をためることよりも、
感覚情報を正しく取り入れることができる
という部分が大切!

つまり、小学生の間に、算数の基礎だから…と計算練習を繰り返したり
することとは別に、
『感覚統合』の訓練がとても大切になってくると思うのです。

特に目から入る情報を
正しくすばやくインプットできる能力を
遊びの中でいろいろ育てていく必要があるように感じています。

先日も、同じサイズの円が2つ重なっている絵を見せて、
円の中の直径を通る線の長さをたずねると
「半径の3つ分」とすぐに答えられた広汎性発達障がいの女の子が、

長方形の中にその円が入っている図で、同じ問いを出されても
さっぱりわからなくなっていました。
線が増えると、その中から必要な部分を抜き出して
目で捉えることができないのです。

解き方がわからないのではなくて、
見ること自体に問題があるのです。

さまざまな色を組み合わせてブロックの塊を作り
すばやく同じものを作る遊び
おりがみ
あやとり
数字を書いたカードをばらまき、1から順にタッチしていく
他のさまざまな感覚統合のための遊び

などで、そうした見え方から来る学習の困難はずいぶん防げるように思います。


それでは方程式は、どうして解けなくなるのでしょう?
方程式には、イメージすること
他の視点から眺めること
という広汎性発達障がいの子が苦手とする能力を要求されるからのようです。

察することと
推測することが極端に苦手な子は、
1次方程式は無事にマスターしても、
他の方程式の学習が入ってくると混乱し始め
しまいに最初にできていたものまで
ごちゃごちゃになってしまうようです。

それで、私は与え方によっては思考力を弱めてしまう公文式の
ような暗記からスタートする反復学習も
広汎性発達障害の子には、
学習の命綱ともなりうるな…と感じています。

察する、推測する、イメージすること、
を伸ばし続けることも大事なのですが、
それが何より苦手で、
その部分の能力が年齢よりも幼すぎるように見える子には、
考える必要はなく、繰り返す努力だけで進める学習は救いでもあります。

けれどもそればかりに頼ると、
今度はもともと察する、推測する、イメージするが苦手な子から
さらにそれらの能力を奪うことにもなりかねないので、
その都度、子どもの能力を見極めて判断していくことが大事だと考えています。




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