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ADD?先生の発達障害児 教育応援サイト

ADD?傾向のある塾教師がADHDやアスペルガー症候群の子にどうかかわり教えたらいいのか模索していくブログです。

2歳9ヶ月の多動と広汎性発達障害の特徴を持っている☆くん 7

2008-10-30 10:11:38 | 発達障害児に教える基本
☆くんがパズルをする前から「できない~」と投げ出してしまう…
というお話だったので、☆くんのできるレベルに調節しやすい
問題を作りました。

色のついた電車のカードの上に
色のついた電車を置いています。

あんぱんまんやトーマスのカードの上に
指人形を乗せていくのでもオリジナルパズルができます。

☆くん、しっかりやり遂げました。完成して、とてもうれしそうでした。
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2歳9ヶ月の多動と広汎性発達障害の特徴を持っている☆くん 5

2008-10-30 10:06:16 | 発達障害児に教える基本
☆くんとおりがみで工作をしました。

できあがり作品はこちら
(☆くんの場合、つりざおを振り回して、ストローが目に入る危険も考えられるので、先を丸く切った厚紙を曲げて、ストローのかわりにしました。)

☆くんは、とにかく目が回るほど動きが激しいので、
いっしょに座って遊ぶことはめずらしいのですが、
レッスンで工作を繰り返すうち、工作の時だけは
けっこう集中して取り組んでくれるようになりました。

切込みを入れて、折る

作業を教えています。☆くんにはすでに一度ゆるく折ったものを
与えて、上からしっかり折る作業を手伝わせています。
テープで貼る、はさみで切るも
補助してあげると大好きな作業です。

レッスンはもう少し続きます。

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2歳9ヶ月の多動と広汎性発達障害の特徴を持っている☆くん 4

2008-10-30 09:58:29 | 発達障害児に教える基本
レッスンのつづきです。

☆くんとお化けのゲームをしました。
ゲームができるようになることより、
いっしょにコミュニケーションをとりながら、

大人の話に耳を傾けること、
指示が聞けるようになること、
注意力がすぐにあっちこっちいってしまわないこと

をめあてにしながら遊びました。
☆くんは、人形をどんどんすすめて自分ルールで遊びはじめました。
本人がやりたいルールで遊びながらも、

「順番に交代する」というところだけは守らせる

など社会性を学ばせるチャンスをのがさないようにしています。

2歳9ヶ月の多動と広汎性発達障害の特徴を持っている☆くん 3

2008-10-29 17:46:25 | 発達障害児に教える基本
前回の続きです。
☆くんは、先に起こる事を推測せずに、
すばやく行動に移すので、危険な目にあうことがよくあります。

この日も、
力まかせに引き出しを引っぱって、ひきだしを足の上に落とす。
セロテープの台を乱暴に動かそうとして足の先に落とす。
という痛い経験を2回もしました。
それ以外にも、「待った」をかけて大事にいたらなかったのですが、
何度も危険な目にあいそうになりました。

そこで、☆くんに、うさぎのぬいぐるみを使って、

行動に移す前にひと呼吸おいて考えてからする

ということと、
どういうことをすると危険なのか

を教えました。

うさぎさんが引き出しをあけようとする時に、
☆くんに「あぶないよ。急に引っぱったら、ストーンって抜けて、
ドスーンって足に落ちるよ。痛いよ~!!」と
うさぎさんに注意するのを手伝ってもらいました。
「危ない!危ない!まって、まって!ゆーっくり、ゆーっくり。」
☆くん、うさぎさんに、良い引き出しのあけ方の見本を見せてあげました。

それからセロテープ台の底にしっかかり手をそえて、
「急に、動かしたらあーぶーない。そーっと。そーっと」
とそーっとの見本をしてもらいました。

☆くん自身に危険なことを教えようとすると、
手を振り払ってどこかへ行ってしまうのですが、
うさぎさんに教えるときには、ものすごく上手な先生になってくれました。
☆くん、すっかりうさぎさんが大好きになって、ほほをすりすりしながら、
どういうことをすると危ないのか学んでくれました。

広汎性発達障害の子や自閉症の子にぬいぐるみを使って何かを教えるとき、
ぬいぐるみの肌触りや抱き心地がとても大切なように
感じます。
現代的なユーフォーキャッチャーで取れるようなぬいぐるみには
好まない子が多いです。
くたっとしたやわらかくて、本物のペットのような親しみが
感じられるものが好きなようです。
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2歳9ヶ月の多動と広汎性発達障害の特徴を持っている☆くん 2 

2008-10-29 08:54:46 | 発達障害児に教える基本
☆くんは多動があるので、ひたすら無秩序に動き回って
しまいます。
☆くんが取り組んでいるのは、目と手を協力させて、
そうした意のままにならない身体を、
自分の意識通りに自由に動かせるようにするための訓練です。
(お家でそうした訓練に取り組みたいという方は、『子どもは動きながら学ぶ』講談社 などのモンテッソーリ教育の関連本を読まれるとよいかと思います)

分類する、系統立てる、切る、折る、丸める
などの作業に少しでも集中する時間を作っていき、
しまいに自分が納得するまで繰り返しする状態に導いています。

☆くんは、教えてくれている人の手もとを見たり、
人の声に耳を傾けたりすることが難しく、
とにかく動き回るので、
こうした訓練は無理なようにも見えました。

しかし、本人がまったく無関心な間も、
私は繰り返しそうした作業を、☆くんのそばでやってみせるように
しました。
☆くんのお母さんにも、協力をお願いしていました。

すると、3週間前までは、
何でもかんでもいっしょにボウルに放り込んでまぜまぜすること以外興味なかった☆くんが、
今回のレッスンでは、マメとどんぐりを分け始めました。
少しすると疲れてかんしゃくを起しそうになったので、
途中で写真のようなマメを転がす「手作りの板」を
作業にくわえて、
楽しい気持ちを持続できるように工夫しました。

こうした集中させる時の工夫は、多動のある小学生の子に宿題等を
させる際にも応用できます。それはまたの機会に書きますね。

☆くんのレッスンは次回に続きます。

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2歳9ヶ月の多動と広汎性発達障害の特徴を持っている☆くん 1 

2008-10-28 18:44:05 | 発達障害児に教える基本
☆ 遊びが発展しない 多動のある子

で、3週間前に記事にさせてもらった2歳9ヶ月の☆くんの
今日のレッスンの様子を一通り紹介させていただくことにしました。
家庭での療育の役に立てていただけたらうれしいです。

☆くんは前回のレッスンまで、とにかく一瞬もじっとしていない
動きっぷりでした。
ごはんを食べている間も、足や腰はバタバタくるくるもぞもぞ動いているほど、
ひと時もじっとしていることができないのです。

前回のレッスン時に、種類別に小皿に分けることや、同じ色の電車同士を連結することが難しいという相談をいただき、
☆くんのお母さんに「間接的にでもいいので、分ける作業を
手伝わせてみてください」とお願いしていました。
「難しいですね~すごく機嫌のいい時に、少しだけ、はい、と物を
渡してくれるだけでした」と報告をいただいたのですが…

☆くんを写真の「ペグ刺し」に誘うと、
前回では考えられなかったくらい熱心に取り組んでくれました。

集中できた理由は、
最初に5色のペグ(前まら2番目に大きいサイズ)をセッティングしておき、
一番短いペグの5色を一本ずつ渡していったことです。

☆くんは、達成するのに時間がかかりそうだと感じると
簡単なパズルでも「できない~」と投げ出してしまうのです。

「いっぱいで、できない~!」という気分にならないように
1本ずつ手渡していったのです。
すると、☆くんはきちんと色通り正しい位置に置けました。
それだけでなく、
「もっとする!」と意欲を見せ、次の5本も
置いて、最後に全ての棒を置いていきました。
最後の方はサイズがでたらめになってしまったのですが、
色はきちんと置けました。

☆くんがそれほど見分ける力を持っていたとは、
すごく以外でした。☆くんのお母さんもびっくりしていました。

☆くんのレッスンは次回に続きます。
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雨が嫌、体育が嫌…などで学校を辞めると叫びます

2008-10-25 09:56:36 | 発達障害児に教える基本
コメント欄でこんな相談をお受けしました。

小学校一年生の発達障害の女の子のママです。最近学校に行くのを嫌がります。理由は苦手な体育がある、雨が降っていて嫌、荷物が多い、掃除で雑巾がけの時転んでいたいから嫌等々。なぜ学校に行かないと行けないの?学校辞めると叫びます。言っている事はきっと他の皆も嫌だと思うこと。でも一般的には我慢して当たり前の事ばかりなんですよね。我慢とか頑張るとか娘なりにしているのは分かるからあまり言いたく無い。けど、皆の前で叫ぶと子供の世界での娘の立場が悪くなるのではと心配になってしまいます。どのように接したら良いか困ってます。

かなり困った状況ですね。
親御さんは、そんな時にも、娘さんのがんばりをちゃんと認めていてすごいなぁと思いました。

本人に会ったわけでないので、くわしくはわからないのですが、
娘さんが「嫌!」と感じて叫んでしまうところは、
感覚過敏と関係の深いものが多いのではないか…
と感じました。

雨の冷たい感じ、ぬるぬるする手や足、塗れた衣服の気持ち悪さ、
雨があたった時、痛い気持ちがするなど…
周囲からは「たかが雨」と感じる場面でも、
本当に気持ちが悪くなり、辛くて我慢ができないのかもしれません。

掃除での雑巾がけも、ほうきでする掃除に代わってもらえたら、
感覚過敏からくる苦痛(その結果、怪我した、転んだ、などの訴えが多くなる)
も減るのかもしれません。

感覚過敏がひどくて、集団生活がしんどい場合、
3つの対処が大切だと思います。


まず、
感覚過敏の原因となっている苦痛をなるたけやわらげる
工夫をしてあげる
本人が気持ち悪いと感じている部分をくわしく聞いて、できる範囲で
取り除いてあげる

感覚過敏が少しでも軽くなるように、感覚統合のトレーニングを
する

5段階表などを用いて、叫びたくなった時、
代わりになるもっと問題の少ない方法で助けを求める方法を教える
(先生にも協力してもらう)


みんなは我慢しているから、みんな嫌なことなんだから…と言う言葉で
訴えを退けていると、
「学校を辞めたい!」という考えに こだわりだすかもしれません。
ひとつひとつの訴えを、
ていねいに解決していく事が大事なのではないかと思いました。

親御さんだけで、対応することはとても難しいケースです。
学校の先生にも協力していただいて、
娘さんが少しでも学校で快適に過せるようになるといいなぁと願っています
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広汎性発達障害の☆くんと予想外の出来事 3

2008-10-23 14:16:23 | 発達障害児に教える基本
「ぞうさん、立ってごらん」と☆くんが繰り返します。
「☆くん、ぞうさん、うまく立てないわ。見本を見せてあげてよ。
こうやって立つんだよ~って!」
そう頼んでみました。すると熱心に、ぞうに声をかけていた☆くんが、
ぷいっとよそを向いて元の聞こえない振りにもどってしまいました。
そこで、やわらかいボールを取ってきて、
「ぞうさん
あしのここ(裏のぶぶん)で、蹴ってみて!う~んうまく蹴れないな」
とダンボにボールを蹴るまねをさせて、こわがっているようなそぶりをさせました。
これに興味を持った☆くんのねんざした足の方に
ボールをそっと転がすと、
☆くん、ボールを軽く蹴って見せました。
「すごいじゃない~足が動いたよ。歩けるよ~」
お母さんにたくさんほめてもらって、
☆くん、複雑な顔をしています。
好きなおもちゃで遊びながら考え込んでいました。
しばらくして、再び、「ぞうさん、立ってごらん」と応援している時、
☆くんは、ぞうさんに見本をしるすように思い切って
立ち上がってくれました。
ねんざしているという足には、
まだ力が入らないようですが、とにかく立つことに抵抗はなくなった様子です。
そんなやりとりのあと、一歩、一歩、支えてもらいながら
歩くようになりました。
そうして、しまいには、
びっこを引きながら(ささえありです)トイレに行くことも
できました!

外から歩くように何度働きかけられても、
立とうともしようとしなかった☆くんが、
1時間もしないうちに歩くようになった姿を見て、
広汎性発達障害の特性をよく理解した上で、
問題を乗り越えていく大切さを実感しました。

小さな恐怖心が、強いこだわりに発展しやすい子は、
いったんその不安をお人形などに肩代わりしてもらうと、
自分がどうすれば良いか、判断できるようです。

こうした経験は、今後、小学校に入った時に
登校しぶりが起こったときなど、
早めにどう対処すればよいかのヒントにもなるかと思います。

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広汎性発達障害の☆くんと予想外の出来事 2

2008-10-22 17:44:16 | 発達障害児に教える基本
☆くんのお母さんは、療育やパソコン、本などから得た知識で(虹色教室にも通ってきてくれていますし)
さまざまな困った場面を何とか乗り越えてきました。

が、最近になって予想もしなかった事態にぶつかって
本当に困っています!

という相談を受けました。
予想もしなかった事態というのは、
☆くんが少し高いところからとびおりた拍子に足をねんざしてして
しまったことです。
お医者さんから、「もうすっかり歩けるようになっていますよ」と
太鼓判を押してもらっても、
足をぐねった時の恐怖が蘇るのか、
決して歩こうとせず、どこへ行くのもハイハイで、
トイレもひとりで行けなくなっていました。
虹色教室にもお父さんにおぶわれてやってきました。

「幼稚園をずっとお休みしてきたので、明日から通わせようと
思っているんですが、トイレにも一人で行けない状態で、
先生に迷惑がかかるのでは…」と心配されていました。

私はやわらかいひざ掛けを床に敷いて、
「ねぇ、☆くん。道路はかたいから、足が痛いかなぁって心配だったんだね。
でも、この上なら、ちっとも痛くないと思うよ。
ちょっと立ってみようか?」
と誘いました。
するとまるで聞こえていないかのように無視しています。
しばらく☆くんと積み木で遊んだあとで、
ダンボのぬいぐるみを持って来て、足にハンカチの包帯を巻いて見せました。
「ぞうさんがね、ねんざしちゃったんだって。歩けないよ~って言っているよ」
「でも、とびおりてなかった!」と☆くん。
「☆くんが、教室に来る前にとんで、ねんざしたの」
「ふ~ん」
「歩けないよ~って言ってるけど、お医者さんはだいじょうぶって言ってるの。
ちょっとここで立ってごらんって言ってあげようか?」
「ぞうさん!ちょっと、ここで立ってごらん」
☆くんは、ダンボに声をかけました。


引っ張りますが、次回に続きます~・

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広汎性発達障害の☆くんと早期の療育

2008-10-22 12:59:07 | 発達障害児に教える基本
1歳半の時に市の発達相談で
広汎性発達障害を指摘された☆くんは、
その後、さまざまな療育を受けて現在5歳になっています。
(市によってさまざまですね~
☆くんは非常に育てにくい面と、
広汎性発達障害の子に対応した働きかけさえすれば
何度言っても聞き入れなかったことでも
あっさり~と受け入れることができる面を持っています。
ですから、親御さんが、非常に早い段階から、
広汎性発達障害に関する知識を持って対処してきたおかげで、
幼稚園での生活もスムーズに行っているようです。

☆くんは、ひもやゴムにこだわりがあり、それを取り上げられると、
そこら中の物を投げて暴れたり、
勝ち負けへのこだわりの強さから
いっさいゲームに参加しなかったり、
遊んでいる時に、次の作業に誘われても
聞こえていないように無視する
などさまざまな問題行動がありました。

対処が遅れると、今度は問題行動そのものがこだわりとなり、
それ以外の態度がとれなくなってしまいます。
親御さんは、それまでの療育の中で、

言ってわからないことも
数字を使うとすんなり理解する

☆くんの特徴をつかんでいて、問題行動の度に、
「今の態度は2しかできてないよ。3してごらん」と言った
数字を取り入れたアドバイスをすると
何を言っても聞かなかった☆くんが、素直に従うようになってきたそうです。
この数字、塗り絵のような数と関係ないものにまで
効果があるそうです。
細部にこだわって、塗りすぎるところと、全然手をつけないところの差が大きい
☆くんに、お母さんが、
「ここは2しか塗れてないね~」といったアドバイスをすると、
どれくらい塗ればいいかわかるのだそうです。

話が中途半端ですが、続きは次回に書きますね。

数字で、広汎性発達障害の子に感情のコントロールを教える記事はコチラ↓

☆ 自閉症スペクトラムの子どもに感情のコントロールを教える「五段階表」

☆ 自閉症スペクトラムの子が感情のコントロールを学べる「五段階表」2



診断を受けてもきちんとした早期療育が受けられません…

2008-10-19 18:07:34 | 発達障害児に教える基本
早期の療育について書いた記事に
さくらさく さんから、こんなコメントをいただきました。

はじめまして。うちの2番目ちゃんも上の子となんか違う、皆よりもごゆっくりさんと思って、保育園に相談したりしましたが「普通ですよ」と言われてました。
年長になって発達支援センターに連れて行ったところ、特定できない軽度発達障害と診断されました。
それ以来、いろんな本を読み、自分なりにかかわり方を変えて試行錯誤を続けています。
療育にも月2回のペースで通っています。
「もっと早くに、療育的にかかわったら子供がもっと伸びたのでは」という思いがあります。年長途中ではありますが、思い切ってたくさん遊んでくれる幼稚園に転園することにしました。(今の園は勉強系でつめこみのように思いました)
なおみさんもいつか書かれていましたが、「母親のかん」ってとても大事だと思います。
微妙なところにいる子供たちを助ける手だてがあるといいなと、いつも思っています。



診断を受けたものの、療育が受けられない…
療育を受けているには受けているけれど、内容は集団に慣れることが中心で、
診断別の対応法がわからない…
自分の今受けている療育だけで良いのか疑問を感じる

といった話をよく聞きます。

私も教室に通ってきてくれているアスペルガー症候群やその周辺部にいるグレーゾーンの子供たちを見て、
就学後に役に立つと思われる療育がきちんと行なわれていないことを痛切に感じます。
療育に通っている子と親御さんといっしょに
遊んだり勉強したりしていると、
親御さんが子どもに教えなければならない大切なポイントから
かなり離れた部分を強調して教えているシーンによくぶつかるのです。

注意の向け方や
情報の入力の仕方にハンディーがある子らは、
注目させるときに工夫して気持ちを引きつけたり、
視覚的なアプローチを加えたり、
何から手をつけたらよいのかわかりやすくさせたりするポイントをはずすと、
いくら教えても少しも身につかないことがあります。

また、就学後、具体的な困難を想定して、
練習を積んでおくと、助かることもたくさんあります。

たとえば、プリントが配られた時、
自分の1枚を取って、後ろの人に回す練習。

「教科書の3ページを開いてください」と先生が言ったら、
どうすれば良いのか、
教科書をぺらぺらめくり続けてはいけない、
などを学ぶ練習。

社会性を教えるという課題も、ただ集団ですごす練習を
続けるだけでは足りない気がします。

親御さんと遊んでいる時に毎回ズルをして
勝とうとするとき、どう教えればよいのか?

恥ずかしい…という感覚がわかりずらい子に、
みんなの前でどういう行為をするのが恥ずかしいことなのか、わからせるにはどう教えればいいのか?

そうしたことを、どのように教えたら子どもが理解するのか、
療育の場で具体的に何も教えてもらっていない親御さんが多いのです。

これでは診断を受けて途方に暮れている親御さんが
本当に困ってしまうと思います。
きちんとした集団での過し方を学べずに、就学を迎える子供達も困りますし、
集団を乱しがちな子を引き受ける小学校の先生も困ってしまうはずです。

今後、少しずつでも
早期療育の質が向上していくことを願っています。

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学習障害の子のための考える 思考する練習法

2008-10-19 11:49:09 | 発達障害児に教える基本
前回の記事の続きです。
文字を見ると、考えることをやめてしまう☆ちゃん。
色と視覚的なものを通して、
考える練習をしています。

教材の作り方

5色のお人形か、お人形に色紙の帽子をかぶせたものとさいころを用意します。
名刺サイズの紙に、人形と同じ色の塗りつぶした丸を描いていきます。
いろんな色の組み合わせを作ります。

遊び方

カードを表に向けて置きます。
順番にさいころを振って、さいころの目の回数だけ人形を動かして、
カードと同じ配列に人形を並べられたら
カードがもらえます。

考える力、見比べる力、推測する力が伸びます♪

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ただ のんびり屋なだけなの? 気がかりな4歳児 3 (2歳の★くん)

2008-10-17 12:42:14 | 発達障害児に教える基本
「クレーン現象」のように見えて
クレーン現象でない…

それはどういう場合なんでしょう?
★くんは、お母さんや私の表情を読んで、
非言語的なやり取りをすることが得意な子です。
無表情なまま親の顔色をうかがう…というアスペッ子の特殊な表情の読み取りではなくて、いたずらっぽい顔をしたり、嬉しそうにしたり甘えたりする
その子の気持ちに合った表情をして、お母さんや私の反応をうかがっています。

また、私がしてみせる動作を真似て、
ねんど遊び、工作、積み木遊びなどの遊びができます。
活き活きとした気持ちの交流が感じられる時間が
きちんと持てるのです。
もし広汎性発達障害を持っているとすれば、非常に難しい課題
だと思われます。

クレーン現象とも見える行動は、恥ずかしがりの感受性の鋭い子が、
「お母さん、かわりにやって~」という甘えた気持ちで、
お母さんの手をつかんでしてもらおうとしているのではないか…?
と思えます。

また、広汎性発達障害の子のこだわりと、★くんのこだわりも
質の違いを感じました。
一般的に使われている「こだわり」という言葉では、
2~3歳児のイヤイヤ期の子の行動はすべて
こだわりの塊です。敏感期もこだわりと解釈できます。
しかし広汎性発達障害の子のこだわりは、そうしたこだわりとは一風異なる
言葉で表現することは難しいのですが、
場や時やその子の心情にそぐわないところがあるように思うのです。
同じ道を通りたい、同じ番号の車両に乗りたい、
そうしたことが、おいしいおやつや出会ったお友達よりもいつも優先されるとき、それにこだわることがその子に
どんな利があるのか…?
周囲にはさっぱりわからない…そうした「こだわり」方が広汎性発達障害の子には
見られます。が、★くんのこだわりは、嫌なことは嫌という大人に対する主張である場合が主です。また性質に神経質で几帳面なところがあるので、自分の好みがはっきりしているだけのように見えます。

★くんのようなこだわりは、敏感期の子の秩序感が環境によって
しょっちゅう乱される場合、強くなりがちなようです。
お引越し、転園などが、★くんの心を不安定にさせている
だけだろうと、私には感じられるのです。

しかし、大切な子どもの将来に関わることで素人判断は禁物ですから、
園の先生や、小児科の先生、児童館や保健所の職員さんなどに
検査を勧められた場合は、安心を得るためにも
一度は、診察を受けてみることをおすすめします。

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ただ のんびり屋なだけなの? 気がかりな4歳児 2

2008-10-17 08:07:57 | 発達障害児に教える基本
この2~3日、とても多忙だったので、メールのお返事が遅れています。
今日の午後か、明日中にお返事しますね。

☆くんは、何かができるできない
覚えている覚えていない

の問題ではなく、

相手の動作の手元を見て真似られない、
1~2歳児が理解できるレベルの指示の意味が理解できない

点で大きな問題を抱えているように思われました。
細部へのこだわりや人への無関心、
毎日描くと言うロボットの絵の描き方から広汎性発達障害が疑われるようです。
ただ、まだ4歳ですから、はっきりしたことは言えないでしょう。
一度診断を受けてみて診断がつかない場合でも、その後の成長の中で困難が
大きくなるようであれば、
再度、診断を受けてみる必要がありますね。

もし軽度発達障害ではなく、関わりや体験の不足からくる
発達の遅れであったにしても、
2年後の就学のために、
外の情報を入力する困難さを減らす、さまざまな働きかけが必要な
気がしました。

☆くんのおばあちゃんは、☆くんのお母さんお父さんと話し合いをされ、
☆くんのために少し動き出してみる決心をされました。

この☆くんのように周囲から見た感じに発達障害を思わせる部分が少なくても、
遊びやゲームややり取りを通して、
たくさん気になる事が見つかる子がいます。

また一方では、クレーン現象と呼ばれる「他人の手を使って
何かを取ろうとする」動作や
こだわりの強さがあって、「発達障害では?」と指摘されても
おそらく広汎性発達障害ではないだろうと思われる子もいます。

親子レッスンに通ってくれている2歳の★くんがそうで、
知り合いの保健士さんから検査を勧められたそうですが、
私はこの子は発達障害ではないだろうと感じています。
(しかし、念のために、検査をうけ、その後も注意深く成長を見守る必要はありますが)

★くんは、知能が高く神経質な子で、恥ずかしがりやです。
何かお母さんにして欲しい時に、直接口にできず、
身体を押したり、お母さんの手を動かして自分の欲求をかなえてくれるように働きかけたりします。
が、その行為は「クレーン現象」というものとは
質的な違いを感じるのです。

少し長くなったので次回に続きます。
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