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2015年3月14日

2015-03-15 21:49:45 | 環境

ディーゼル汚染物質の吸入と呼吸困難を関連づけるメカニズムの発見
Researchers uncover a mechanism linking inhaled diesel pollution and respiratory distress



英国の研究者は、ディーゼルエンジンの排気ガスによる汚染がどのように肺の神経に影響を及ぼすのかについて初めて示した。大気汚染は健康に対する重大な脅威である。ディーゼル排気ガスへの曝露と呼吸器疾患の増悪を関連づける潜在的なメカニズムを特定することは、疾患の治療につながる可能性がある。

インペリアル・カレッジ・ロンドン(イギリス)の国立心肺研究所で博士課程学生のRyan Robinson氏は、第13回欧州呼吸器学会肺科学会議(the 13th European Respiratory Society Lung Science Conference)において「ディーゼル排気ガス微粒子と気道感覚神経に関する研究」を発表する。欧州呼吸器学会(European Respiratory Society; ERS)と欧州肺財団(European Lung Foundation; ELF)はきれいな空気を呼吸する重要性について知らせることを目的とした「生涯健康な肺(Healthy Lungs for Life)」キャンペーンを今年になって始めたところへ、今回の発表である。ディーゼル排気は都市大気汚染のかなりの部分を占めており、ガスと粒子の複雑な混合物が含まれる。

「我々の研究は、ディーゼル粒子への曝露が健康への有害な影響と関連することを示した」、Robinson氏は言う。

「ディーゼル粒子は直径約20ナノメートルと非常に小さい。したがって肉眼で見えないだけでなく、肺の奥深くまで届くことがある。」

肺には潜在的に有害な刺激を検出する多くの感覚神経があり、それにより人体は咳などで反応することができる。

「しかしながら、これらの神経は呼吸器疾患の悪化にも関与する。例えば喘息のような疾患では気管支を収縮させる」、Robinson氏は言う。

Robinson氏とその指導教授であるMaria Belvisi教授、Terry Tetley教授、Alexandra Porter教授たちによる研究によると、フォークリフトトラックのディーゼル粒子はin vivoの麻酔モルモットモデル(anaesthetised guinea pig model)で気道の感覚神経を活性化する。

「物理的な感受性よりもむしろ、化学的に感受性が高い気道神経の関与が観察されたのは興味深い」、Robinson氏は言う。



次に研究者は単離した神経の組織標本を使い、関与するメカニズムをin vitroで綿密に調査した。

「我々が最初に注目したのは、『きれい』にした粒子は無害ということだった。神経の活性化にとって重要なのはディーゼル粒子から有機的に抽出された化学物質であることは明らかだった。それは我々がin vivoで観察したデータを裏付ける。」

ディーゼル抽出物がどのように気道神経を活性化するのかを知るため、研究者は薬理学的手法ならびに遺伝子ノックアウト技術を利用した。

「気道感覚神経の活性化で重要なのは、一過性受容器電位(Transient Receptor Potential; TRP)イオンチャネルとして知られる環境センサーである。そこで我々はディーゼルの抽出物がそれらを活性化できるか調べるために様々なチャネルを阻害した。」

研究の結果、ディーゼル抽出物に対する反応はTRPアンキリン1(TRPA1)チャネルの活性化によって促進されることが判明した。

彼らはさらに、抗酸化物質の投与が抽出物への反応を無効化することを発見した。

「酸化ストレスは、細胞の正常な酸化状態の乱れとその結果として生じる損傷を修復する能力との間のアンバランスであり、多くの疾患と関連がある。そして酸化ストレスはTRPA1を活性化することが知られている」、Robinson氏は言う。

とはいえ、この研究は大気汚染がどのようにして気道感覚神経と呼吸反射(respiratory reflex)に影響を及ぼすのかについての理解に向けた最初の段階に過ぎない。他のタイプの燃料が気道神経を活性化するかどうかはまだ研究されておらず、それらがディーゼル燃料よりずっと強い影響があるかもしれないという可能性は高い。

記事出典:
上記の記事は、欧州呼吸器学会(ERS)によって提供される素材に基づく。

http://www.sciencedaily.com/releases/2015/03/150314084127.htm

<コメント>
TRPA1は揮発性の刺激物、例えばニンニクに含まれるアリシンや、催涙ガスの刺激などにより活性化するチャネルですが、ディーゼルの排気ガスに含まれる微粒子は気道のTRPA1を通じて感覚神経を化学的に過敏にするという記事です。

今回の記事ではディーゼル排気ガスによるTRPA1の活性化に酸化ストレスの関与が示されていますが、検索するとTRPA1は酸化物質に反応するセンサーであるという研究が見つかりました。

http://first.lifesciencedb.jp/archives/3598
>TRPA1チャネルが担う生体における新しいO2センサー機構

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