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GBA1突然変異はα-シヌクレインを細胞外へ放出させる

2016-02-22 06:06:54 | 
Stemming the flow: Stem cell study reveals how Parkinson's spreads

February 18, 2016

https://www.sciencedaily.com/releases/2016/02/160218132257.htm


(パーキンソン病に冒された幹細胞が脳細胞に変化する様子を示した画像

Credit: Parkinson's UK)

幹細胞を使った新たな研究により、パーキンソン病がどのようにして細胞から細胞へと広がるのかについての新たな手がかりがもたらされた
このプロセスは研究者が何十年もの間ずっとはぐらかしてevadeきた問題である

Stem Cell Reports誌で発表された今回の研究は、α-シヌクレインの放出とGBA1遺伝子の突然変異とを初めて関連付けた
α-シヌクレインは体内で自然に生じるタンパク質であり、パーキンソン病の発症において中心的な役割を演じている
GBA1β-グルコセレブロシダーゼをコードする遺伝子で、パーキンソン病で最も広く見られる遺伝的なリスク要因である
この研究はパーキンソン病という破滅的な神経疾患とその症状の進行でGBA1がどのように関与するのかについて新たな光を当てる


Parkinson's UKの出資によりオックスフォード・パーキンソン病センターが実施した今研究では、二つのグループからなる参加者から得られた細胞を調べた
グループの一つはGBA1遺伝子に突然変異があるパーキンソン病患者で、もう一方はそのような状態/病態conditionのないコントロールグループである

参加者の皮膚から作られた幹細胞と脳細胞を分析した結果、GBA1の突然変異はタンパク質、特にα-シヌクレインがどのように処理されてリサイクルされるかに関する問題を起こすことが初めて明らかになった
GBA1変異を持つ人は細胞内でのタンパク質のリサイクルが適切に働かず、α-シヌクレインが蓄積build-upされる
それは脳内に放出されてパーキンソン病が拡散spreadする一因となる

パーキンソン病の身体症状/運動面での症状は黒質という脳の一部で約70%の細胞が失われると現れる
身体症状としては振戦tremor、緩慢slownessな歩行、硬直stiffnessなどがあり、病態が脳の他の領域に広がるspreadとパーキンソン病認知症のような認知問題が生じる

今回の新しい研究結果は、どのようにして、そしてなぜ過剰なα-シヌクレインが脳内に放出されるのかについての洞察をもたらし、このプロセスを止めうる標的治療への調査を進める新しい道を開く
そして治療の最終的な目標は疾患の重症化を止めるか、最小限にすることである


オックスフォード・パーキンソン病センター長のRichard Wade-Martins教授は次のように述べる
「我々の脳細胞は工場の複雑な製造ユニットのように働く
活動を実行するための新しいタンパク質を作り、損傷したタンパク質をリサイクルしている
パーキンソン病では冒された細胞からα-シヌクレインが脳内に逃れて、そこで別の脳細胞によって取り込まれうることが既にわかっている
今回の研究で我々は初めてα-シヌクレインがどのようにして放出されるかを理解し、この拡散がどのようにして起きるのかについての手がかりを得た」

「最も重要なことは、これらの研究結果がα-シヌクレインの拡散を止めて疾患の進行を遅らせるための潜在的な治療法の調査に向けた新たな道を開くことだ」


Parkinson's UKの研究ディレクターであるArthur Roach博士は次のように言う
「パーキンソン病の患者やその家族は、この病態が精神と身体の両面に将来どのように影響するのかについて確信を持てずにいる
よく知られた動きやバランスの問題に加えて8割までの患者が認知症を発症し、
理論的な考えや計画性、集中力、注意、記憶、言語が影響を受ける」

「今回の研究は、遺伝的な病態についての研究がどのようにして病態全体の根本的な特徴であると考えられるものに対する重要な洞察をもたらすのかという良い例である
これらの研究結果はどうやってパーキンソン病を途中で止めるのかについての新しい概念をもたらす
それはイギリスで生きる12万7千人の、そして世界では700万人のパーキンソン病患者たちの人生を変化させるだろう」


OPEN
http://dx.doi.org/10.1016/j.stemcr.2016.01.013
http://www.cell.com/stem-cell-reports/abstract/S2213-6711(16)00030-8
ER Stress and Autophagic Perturbations Lead to Elevated Extracellular a-Synuclein in GBAN370S. Parkinson's iPSC-Derived Dopamine Neurons.
ERストレスとオートファジーの混乱は、GBAN370S変異パーキンソン病のiPSC由来ドーパミンニューロンにおける細胞外α-シヌクレインの上昇につながる

 GBA変異→折りたたみ失敗→ERストレス,リソソーム肥大(緑色),オートファゴソーム↑(赤色)→オートリソソーム肥大(黄色),カーゴ分解されず,α-シヌクレイン放出

Highlights
・GBA-N370S突然変異を持つパーキンソン病患者3人と、コントロール群3人のiPSC細胞系統から作られた、ドーパミンニューロンの機能的分析
・iPS細胞N370S変異ドーパミンニューロンでは、脂質プロファイルの乱れ、ERストレス、オトーファジーが見られた
・iPS細胞N370S変異ドーパミンニューロンでは、リソソーム区画が拡張enlargedして損なわれていた
・iPS細胞N370S変異ドーパミンニューロンの培養では、細胞外α-シヌクレインが増大した

Summary
β-グルコセレブロシダーゼ/glucocerebrosidase (GBA) 遺伝子のヘテロ接合heterozygousの突然変異は、家族性パーキンソン病で広く見られる最も強いリスク要因である
しかしながら、その関連の根本的な分子メカニズムはほとんど理解されていない

今回我々は、互いに独立したパーキンソン病患者3人とコントロール群3人から得られた10の独立した誘導多能性幹細胞/induced pluripotent stem cell(iPSC)細胞系統lineを分析し、関連する疾患メカニズムを明らかにした

ドーパミン作動性ニューロンに分化させた後、我々は突然変異体グルコセレブロシダーゼタンパク質がER内でプロセシング失敗misprocessingするのを観察した
それはERストレスの活性化、ならびに異常な細胞内脂質プロファイルと関連していた

さらに、オートファジーの乱れperturbationとリソソーム区画の拡張enlargementが、特にドーパミン作動性ニューロンで観察された
最後に、細胞外α-シヌクレインがニューロン培養基で増大し、これはエクソソームexosomeとは関連がなかった

まとめると、ERストレス、オートファジー/リソソームの乱れ、細胞外α-シヌクレインの上昇は、おそらくパーキンソン病早期の決定的な細胞表現型であり、多くの治療標的をもたらす可能性がある



関連サイト
http://www.genecards.org/cgi-bin/carddisp.pl?gene=GBA
Entrez Gene Summary for GBA Gene
この遺伝子はリソソーム膜タンパク質をコードし、グリコシルセラミド(糖が結合したセラミド。セレブロシド)のβ-グルコシド結合/beta-glucosidic linkageを切断する
グリコシルセラミドは糖脂質glycolipid代謝の中間体intermediateである
この遺伝子の変異はゴーシェ病Gaucher diseaseの原因であり、リソソームにグルコシルセラミド(グルコースが1分子結合したセラミド。グルコセレブロシド)が蓄積する



関連記事
https://www.sciencedaily.com/releases/2016/02/160217091003.htm
脳脊髄液中(CSF)のα-シヌクレインの濃度低下は、パーキンソン病における早期の認知力低下(軽度認知障害/mild cognitive impairment(MCI))を示すバイオマーカー



関連サイト
http://first.lifesciencedb.jp/archives/6527
RAB7L1とLRRK2は協調してニューロンにおける細胞内輸送を制御するとともにパーキンソン病の発症リスクを決定する
RAB7L1のノックダウンによってもリソソームの肥大化がみられること,同時に,リソソームの機能に重要な加水分解酵素の輸送を担うカチオン非依存性のマンノース6-リン酸受容体のリソソームへの局在が減少することが見い出された.
一方,RAB7L1の過剰発現によりG2019S変異をもつLRRK2の発現によるリソソームの肥大とマンノース6-リン酸受容体のリソソームへの局在の低下は回復した.
 

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