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パーキンソン病で保護的なタンパク質を突き止める

2016-10-05 06:06:00 | 
Scientists identify new lead in search for Parkinson's cure

October 5, 2016

https://www.sciencedaily.com/releases/2016/10/161005084313.htm


[ストレスを受けたドーパミン作動性ニューロン]
 PK2↑→細胞外へ分泌→パラクリン・オートクリンでPKR2↑
 PKR2↑→TFAM,PGC-1α→ミトコンドリア生合成↑
 PKR2↑→ERK↑→AKT↑→ニューロン生存↑
※PKR2はGPCR

(疾患早期の神経に有害なストレスの間、どのようにしてプロトキネチシン2(PK2)が急速に誘導されて細胞外の空間に分泌されるのかを示した図
アイオワ州立大学(ISU)生物医科学の研究者たちは新たな研究で、ニューロンがパーキンソン病に対処するのを助けるための保護的なメカニズムとしてPK2が作用することを突き止めた

Credit: Anumantha Kanthasamy)


アイオワ州立大学(ISU)から最近発表された研究は、パーキンソン病の新たな治療法のヒントになるかもしれない

ISUの科学者たちがオンライン学術誌のNature Communications誌で発表した論文によると、パーキンソン病の早期に高い頻度で発現し、脳細胞を保護している可能性があるタンパク質として『プロトキネチシン2/Prokineticin-2 (PK2)』 を突き止めたという

「ニューロンはストレスに対処するためにPK2を使う
これは生まれつき組み込まれたin-built保護的なメカニズムである」
Anumantha Kanthasamyは言う
彼は獣医学の特別教授職Clarence Hartley Covault Distinguished Professorであり、神経毒物学ではEugene and Linda Lloyd Endowed Chair、そしてアイオワ州立大学の生物医科学の学科長chairである
今回の研究の主な執筆者lead authorsの一人であるKanthasamyはパーキンソン病の複雑なメカニズムを理解して治療法を見つけ出すために過去20年間研究を続けてきた

研究によると、プロトキネチシン2はニューロンがミトコンドリアを生産するように刺激し、細胞のエネルギーを作り出させるのだという
結果として改善されたエネルギー産生はニューロンがパーキンソン病による損害を耐え抜くのを助ける
パーキンソン病は脳内のドーパミンレベルが不十分になる神経疾患である
この疾患は進行性で、発症するまでに何年もかかる

プロトキネチシン2をさらに理解することは、疾患の進行を遅くする手段や新たな治療法の発見につながる可能性があるとKanthasamyは言う
例えば、このタンパク質やタンパク質のアナログをもっと多く作るように刺激して、ニューロン上の受容体に結合させるような方法があるという


彼の研究チームはパーキンソン病を研究するために学際的multidisciplinaryで統合的なアプローチを選択した
研究資金はKanthasamyと彼の配偶者spouseであるArthi KanthasamyへのNational Institutes of Healthからのグラントによるものだった
Arthi Kanthasamyは生物医科学の教授である

彼らが培養した脳細胞とげっ歯類、そして患者の死後の脳を調査してパーキンソン病によってもたらされる変化を追跡したところ、それぞれの全てでプロトキネチシン2の高い発現が確認された

この発見から、研究チームはさらに徹底的に調べようという刺激を受けたprompted

「我々が実験で追跡した数千、数万という要素の中で、なぜこのタンパク質がこれほどまでに高い発現を示したのか?」
Arthi Kanthasamyは言う

その問いへの答えを見つけることはとても時間のかかるであろう難題だが、しかし潜在的な可能性は重大であるようだと彼女は言う


http://dx.doi.org/10.1038/ncomms12932
Prokineticin-2 upregulation during neuronal injury mediates a compensatory protective response against dopaminergic neuronal degeneration.
ニューロン損傷中のプロキネチシン2の上方調節はドーパミン作動性ニューロン変性に対する補償的な保護的応答を仲介する


Abstract
プロトキネチシン2/Prokineticin-2 (PK2) は最近発見された分泌タンパク質で、嗅覚の生合成olfactory biogenesisや中枢神経系の概日リズムcircadian rhythmsなどの重要な生理学的機能を調節する

興味深いことに、黒質系nigral systemでのPK2の発現は低いにも関わらず、その受容体は黒質線条体ニューロンnigrostriatal neuronsで構成的constitutivelyに発現する

今回我々はPK2レポーターマウスreporter miceならびにMitoParkマウスを含むパーキンソン病の複数のモデルにおいて、ニューロン変性の早期段階でPK2の発現が黒質ドーパミン作動性ニューロンnigral dopaminergic neuronsで強く誘導されることを実証する

機能的な研究functional studiesによりPK2がミトコンドリアの生合成を促進し、
ERKとAktによる生存シグナル伝達経路を活性化してそれにより神経保護を駆動することが実証された

重要なことに、PK2の過剰発現は保護的である一方で、PK2受容体への拮抗は実験的パーキンソン病においてドーパミン作動性の変性を悪化させる

さらに、パーキンソン病患者の脳で生存していた黒質ドーパミン作動性ニューロンsurviving nigral dopaminergic neuronsにおいて、PK2の発現は増大していた
このことはPK2の上方調節がヒトのパーキンソン病でも臨床的に関連があるrelevantことを示す

まとめると、我々の結果は黒質ドーパミン作動性ニューロンにおけるPK2による補償的な神経保護シグナル伝達に関する理論的枠組みparadigmを明らかにするものであり、パーキンソン病の治療に関して重要な意味を持ちうる


Introduction
ドーパミン作動性細胞/dopaminergic (DAergic) cellが死ぬ間の遺伝子発現の変化をPCRアレイを使って調査したところ、驚いたことに、TNFαによってドーパミン作動性細胞が死ぬ間、PK2のmRNAが強く誘導された(10
我々はPK2がドーパミン作動性の変性中に分泌される全く新しいシグナル伝達メディエーターであるという仮説を立てた
この考えを支持するように、我々のPDマウスモデルでは、変性する間の早期にPK2が黒質のドーパミン作動性ニューロン/nigral dopaminergic neuronsで誘導され、それは運動の欠陥が現れる前だった

また、我々はPK2の発現がPD患者の黒質/substantia nigra (SN) で上昇することを発見した
これはマウスモデルだけでなくヒトのPDでもPK2の臨床的な関連性があることを裏付けるcorroborate


Discussion
PK2のプロモーターは複数のE-ボックス配列 (CACGTG) が豊富repleteであり、ここには転写因子のbasic helix-loop-helix (bHLH) 、例えばHIF1αが結合して、血管新生angiogenesisの間のPK2発現を調節する(12
他のグループによる報告では、黒質ドーパミン作動性ニューロンならびにPDの細胞培養モデルにおいてMPTPによる酸化ストレス後にHIF1αの活性化が報告されている
このことは、PK2の転写的な上方調節が 保護的応答としての候補であるという可能性を示す(42,43,44
我々のラボは現在、ドーパミン作動性ニューロンにおけるPK2上方調節を調節する転写的メカニズムを研究中である



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http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/b649d34f25f6e9b47b023cae7fe1105a
アルツハイマー病で保護的なニューログロビンのスイッチを入れる方法



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https://www.sciencedaily.com/releases/2016/05/160519130242.htm
p62は、NRF2, mTORC1, c-Mycを活性化することで癌を促進する
これらはストレスのかかった細胞が生き残るのを助ける



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https://www.sciencedaily.com/releases/2016/04/160418120716.htm
PI3K/AKT経路はグルタチオン産生を促進し、それにより癌は化学療法を生き残る



関連サイト
http://ytmd.blog.fc2.com/blog-entry-6.html
KRASやBRAFなどの癌遺伝子はNRF2経路を活性化して抗酸化物質を誘導する



関連サイト
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16551619
GSK-3βは転写因子Nrf2を直接リン酸化して核から排除することにより細胞の生体異物応答xenobioticならびに抗酸化応答を阻害するが、AKTはGSK3βをリン酸化して不活性化する



関連サイト
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25110549
アンジオテンシンIIは樹状細胞に酸化ストレスと炎症応答を引き起こすが、アトルバスタチンはPI3K/Akt/Nrf2経路を介してそれを抑制する



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https://www.sciencedaily.com/releases/2016/06/160608120614.htm
フマル酸ジメチル(DMF)と代謝産物フマル酸モノメチル(MMF)はNrf2の活性を上昇させるが、DMFはグルタチオンを枯渇させて酸化ストレスを生じ、MMFはより直接Nrf2を活性化するので、パーキンソン病の治療としてはMMFの方がいいかもしれない



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https://www.sciencedaily.com/releases/2015/09/150901134946.htm
尿酸はアストロサイトのNrf2経路を活性化し、グルタチオンの分泌を高めて神経保護効果をもたらし、パーキンソン病リスクを低下させる
 



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