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2014年4月4日

2014-04-09 09:05:08 | 感染症

マラリア原虫ゲノムの三次元構造が構築される


カリフォルニア大学リヴァーサイドの細胞生物学者を中心とする研究チームは、寄生虫の生命サイクルの3つの異なる段階におけるマラリア原虫ゲノムの3次元モデルを生成した。寄生虫のライフサイクルの進行に伴う3次元モデルの構築は初めてである。

「染色体の空間構成を理解することは、どんな真核生物細胞でも遺伝子発現の調節を理解するために必須である」、細胞生物学神経科学の準教授であるカリーヌLeロクは言う。

マラリア原虫で強く発現する必要がある遺伝子、例えば翻訳に関与する遺伝子は細胞核の一箇所に集中してクラスターを形成する傾向がある一方で、毒性に関与する遺伝子のように厳密に抑制されなければならない遺伝子は、3次元的に見て別の位置にある「抑制センター(repression center)」で観察される。マラリア原虫の毒性遺伝子は、ヒトの体内で寄生虫が生き残る原因となる大きな遺伝子ファミリーである。

「我々は最近開発された染色体コンフォメーション捕捉法(chromosome conformation capture; 3C)という方法を用いた。3Cは高スループット塩基配列決定の後継技術であり、細胞の自然な状態で染色体の立体構造を分析する。そうして得られた物理的相互作用の全マップを用いて、分析された寄生虫のライフサイクルの各時期ごとにゲノムの3次元モデルを生成した。」

生体またはどんな細胞型のバイオロジーでもそれを理解するため、科学者は、ただゲノム配列にコード化される情報だけでなく、どのように順序が凝縮され、物理的に各細胞/組織において構成されているかも理解する必要がある。そして、3Dゲノム構造の変化が遺伝子発現、染色体形態発生、そしてゲノム安定性を調整することにおいてどれだけ重大な役割を果たすことができるかをも。

ヒトの細胞において、構成と凝縮における染色体の変化は、癌のような疾患に至る可能性がある。



現在、カリーヌLeロクの研究室はマラリア生命サイクルの他の時期を観察することで3Dゲノムを構築する因子を特定しようとしている。

「ゲノム構築の重要性は、より高度な真核生物にとってのみ不可欠であると最初は考えられていた」、彼女は説明した。

「しかし驚いたことに、ゲノム構造はマラリア原虫の毒性にさえ密接にリンクしていることを我々は発見した。」

学術誌参照:
1.赤内サイクル(erythrocytic cycle)の間の熱帯熱マラリア原虫ゲノムの3次元モデリングは、ゲノム構造と遺伝子発現の間に強い連結を明らかにする。

Genome Research、2014;

※赤内サイクル(erythrocytic cycle): マラリア原虫の生活史で赤血球内に存在している時期で、病原性を発生する期間

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/04/140404221908.htm

<コメント>
マラリアの寄生虫のゲノム立体構造は遺伝子発現の調節に重要な役割を果たしていて、寄生を続けるための戦略として毒性を発揮する遺伝子の発現のタイミングが調節されているという記事です。

下図で紫色の部分が『毒性』に関与する遺伝子です。