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私たちが好きだったこと

2007-12-04 | 読書記録・お勉強
 宮本輝 著   新潮文庫

 半分くらい読みました。
 いまのところ、胸キュン青春小説て感じ。
 ひょんなきっかけで公団住宅に男女2人づつの4人が共同生活することになり、その2組の男女に愛情が育まれたり、お人よしな4人が色々と知り合いや恋人のために借金を重ねていったりしてます。(すごくテキトウ)

気になった文章をいくつか書いておきたかっただけです。
   

P85 
 ルネ・ユイグ著「かたちと力」という本を、頭の良い(でも不安神経症を患っている)愛子が読んでいて、3人に紹介している。

 ーーーもっとわれわれの身近なところでは、水や火や風となって動く自然のなかに具体化された力が、あらゆるところに現れては、攻撃しに殺到してくる。
 それらの標的になるのは組織を形成して、ひとつのかたちをまとい、それを維持しようと努めているものすべてだ。
 こうした力の背後には、虚無の控えの間である混沌へ返れという威しがいつでもとどろいているかのように見える。
  ・・・・・・・・・「時は満ちた。地球よ、永遠に死ぬのだ・・・」
 これが、自分の目で見て確かめられるものの水準で、人間が間違いなく抱き得た想い、本能的に知の姿を規制することになった想いである。---

 
 この手の事はあんまり考えたくないなぁ。(でもたまに気になったり。)
 虚無・・混沌・・ 終わりのない宇宙のことを考えるのは怖いので、天文学者の気持ちってあんまりわかりません。ルネ・ユイグって人は何学者なんやろう?
 知の姿を規制かぁ・・・・
 ちなみに愛子は皆に勧められて27歳で医学部受験勉強を始めるのですが、
 本当は天文学部に行きたかったと言っています。



P180 
 ロバ(昆虫を撮る為に奥地にこもったりしている写真家)の名言
 
 命も金で買えない。金で買えないもののために、金が必要なんだ。
 「金ってやつは、金で買えないもののために真価を発揮する」

 そうだね、ロバちゃん、いいこと言うね。
  


P181
 曜子(カリスマ美容院の店長になった)が過去の不倫相手に心が傾いているのを、ロバが悩んでいたり、4人が面倒見ている少年少女に子供ができたあたりの場面で。
 
 ファーブル: 物の秩序は、その膨大な数が偶然の疫病と季節の無慈悲からではなく、産むと同じように、烈しく破壊する避けがたい運命のために殺され滅ぶことを求めている。

 ーーなぜ、そのとき、私の脳裏にファーブルの言葉が浮かんだのかわからない。
 なぜ、物の秩序が、烈しく破壊する避けがたい運命のために殺され滅ぶことを求めているのか、私(与志=工業デザイナーの主人公)にはわからない。 けれども、それは、<産むと同じように>という前置きなくしてはすべて無意味となる言葉であることだけはわかったのだった。
 そして、そのとき、私は、愛子を愛そうと思った。これが愛するということだと、愛子も知り、私も知るように愛してみせる、と。ーー


 与志くんに同感でございます。 物の秩序ってどうにもならないんだなぁ・・みたいなことは、小さい頃からおぼろげに思ってました・・。
 でも、それは変わらないことで、生まれたからには・・みたいな。(そのわりには・・
 まぁこんなことを考えるのは、暇な証拠です。 有難いような有難くないような・・ 


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