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橋下のイデオロギーとは 閉塞感利用した『大衆扇動主義』=ファシズム 大阪の小型ヒットラー

2011-10-16 | 橋下維新の会 ・地方政治 / 共産叩かれ記
 橋下のイデオロギーとは     大阪府議会・市議会


大阪の当面する課題
 11月13日告示、11月27日投票で大阪市長選が決まり、知事選と市長選の同日選挙になる可能性が大きいと言われています。民主勢力は独自候補を立てる方向です。橋下知事も平松市長も関西財界べったりの府政・市政をすすめており、独自候補を立てて正面から批判していくことが大事だと思います。


今春の統一地方選挙の結果をどう見るか 

 今年4月の統一地方選挙の結果をどうみるかですが、『維新の会』が非常に票を伸ばして、革新政党が議席を減らしました。『維新の会』の新人候補者たちは政治家としての実績も能力もない人たちで、宣伝カーも橋下知事が演説したテープを流していました。そうしたなかで革新候補の陣営の現場でも油断があったと言われます。

 実際に投票する府民は、候補者の演説を聞いて投票するわけではなく、『維新の会』ということで投票しているわけです。もっと橋下知事と『維新の会』の危険性を訴える必要があります
 知事選・市長選は、府民の代表、市民の代表をそれぞれ1人選ぶわけですから、人物が問われます。人格・思想、何をやろうとしているのかが問われる選挙ですから、しっかり批判していく必要があります。


橋下の手法をどう見るか

 統一地方選挙のあと、「あんな知事の推す『維新の会』が伸びるなんて、大阪府民はアホとちがうか「大阪は民主主義ではなく、愚衆政治になっている」という声を聞くことがあります。しかし大阪府民はアホではありません。府民は変革・改革を望んでいました。大阪ではオール与党体制のもとで、関西空港2期工事など無駄な公共事業をやってきていました。無駄が積もり積もって借金が増え、税金が財界へ吸い取られる府政を変えてほしいと私たちは言ってきました。それが府民の中にもかなり浸透していて、『維新の会』が伸びたのは変革を望んでいた結果だと思います。


橋下知事は「無駄を省く」「借金にドップリ漬かっている大阪府を変える」と言って当選しました。府民はその正体を見抜くことはできませんでしたが、『変革』ということで『維新の会』に票を入れたといえます。
橋下知事は、無駄を削って赤字を減らすのではなく、大阪府は倒産企業だと言って、府の職員の給料を減らし、一時金はカットする、定数は減らす・・・と、まず府の職員に犠牲を押し付けました。公務員バッシングで「悪いのは公務員だ」と本当の敵ではなく『仮想敵』をつくって、いかにも頑張っているという姿勢を示しました
 
 また、橋下知事は「行政の仕組みが悪い」「大阪市をぶっつぶす」と、『大阪都構想』を打ち出しました。関西財界は『道州制』を昔から唱えていて、『大阪府と大阪市の二重行政をなくす』ということを主張していました。しかし『道州制』ということになると、国の法律を変えなくてはならないし、『関西州』も大阪だけで決めるわけにはいきません。『州都』にしても、京都・奈良・兵庫なども「自分のところへ」となるでしょう。そこで手っ取り早く大阪市をぶっつぶして『大阪都』にしようというわけです。

 『大阪都』にして何をやろうとしているのか。いま大阪市や大阪府がやっている教育・医療・福祉など住民のための施策を全部『大阪都』はやらない。住民サービスは市町村にやらせて、『大阪都』はゼネコンに儲けさせる大型公共事業ばかりやる。こういうことを目指しています。黒字の優良企業である大阪市の地下鉄を『民営化』で売り払って、赤字の穴埋めに使うことも考えています。また、大阪府と大阪市の水道事業を統一して、柴島浄水場のような広大な優良地を大企業が狙っています。

  『都』というものは、そんなにいいものではありません。東京都は確かに黒字ですが、それは全国の大企業が東京にあるから、税金を東京都に納めるからです。『都政』にすれば黒字になるわけではありません。戦前は大阪にもいっぱい本社がありました。ところが、それがみんな東京に行ってしまいました。それで大阪は税収が減ってしまって赤字になったわけです。橋下知事は、全然別の話なのに、『都』にすれば豊かになるような幻想をふりまいているのです。そして、『大阪都構想』に反対する大阪市長が悪い、「大阪市をつぶす」と、『敵』をつくってそれを叩き、支持を拡大しているのです。


 こういう手法を世間では『ポピュリズム』(大衆迎合主義)と言ってますが、私はポピュリズムの域を超えていると思います。名古屋市長が『減税』と言って、自分の給料も半分にして、票を取ったのはポピュリズムです。橋下知事は、減税とは言わない。自分の給料も減らさない。減らしたのは府の職員の給料です。そして『都』にすると言っている。これは『大衆迎合主義』ではなく『大衆扇動主義』=ファシズムです。大阪の小型のヒットラーと言っていいでしょう。


 それからマスコミが悪いということがいえます橋下知事が毎日記者会見をしていますが、マスコミは橋下知事が話したことをそのまま流しています。知事もマスコミ受けすることを一言言う。それをそのままマスコミが垂れ流す。マスコミは知事の言ったことをそのまま流すだけで、それが何を意味するのかなど、研究して解説する記事がありません。マスコミの不勉強だと思います。大いにマスコミ批判もやっていかなければなりません。


 知事の応援団を見ると、関西財界がいるのは当然ですが、それだけでなく『影の黒い応援団』がいます。マスコミが知事に対して批判的なことを書いたり言ったりすると、そのマスコミ関係者にドーッと恫喝的な抗議が来るそうです。個人の橋下ファンの動きではなく、組織的な動きと見られます。

 その橋下知事が『君が代起立条例』を強行しました。さらに言うことを聞かない職員はクビにするという『教育基本条例』『職員基本条例』を次の府議会に出すと言っています。これまで「赤字だ」とか『都構想』ばかり言っていた橋下知事が、『君が代』問題というイデオロギー問題に踏み込んで、教育界では大問題になっています。国家主義・軍国主義的な方向に公然と足を踏み入れたということです。はっきりと日本を戦前のような状態に戻そうというところに踏み込んだわけで、断じて許すことはできません。

 その背後にある橋下知事のイデオロギーとはどういうものかというと、非常に歪んだ人間観・教育観です。彼ははっきりとツイッターで「教育は2万パーセント強制でなければならない」と言っています。教育は強制では無理です。どんなに反動的な教育学者でも『競争』『訓練』ということは言っても、『強制』とは言いません。さらに最近は「政治は独裁でないといけない」と言い出しました

 府民に選ばれたのだから何でもできる、府民が全権委任した、何でもやりたいようにやってくれと言って票を入れたかのように錯覚して、知事の言うことは絶対であるというような異常な独裁者の発想になっています。


大阪における、日本における民主主義の質の問題 

 いま大阪における、さらには日本における民主主義の質の問題が問われていると言えると思います。日本は一応民主主義の国で、手続き上は選挙で代表が選ばれて、国会が成立し、内閣が成立し、知事も選挙で選ばれています。

しかし民主主義の質が問題です。ヒットラーも民主主義の手続きで選ばれました。ワイマール憲法という当時としては非常に民主的な憲法のもとで、ヒットラーは選ばれました。「選ばれたら何でもできる」と独裁者になったのがヒットラーです。選ぶところまでは形式上は民主主義の手続きに従っていたのです。ドイツのヒットラーの時代の民主主義の質が問われるように、いま日本の、そして大阪の民主主義の質が問われなければならないと思います。

 なぜこんなことになってきたのかというと、民主主義の『病』があると思います。『個人の優位』― 個人の尊重は大事ですが、ここで言うのは自分さえよければいいという利己主義です。『市場の優位』― 儲かればいい、金儲けの自由、儲けるためには何をしてもいいということです。新自由主義的な利己主義の『病』が発症しています。日本がアメリカ社会に近づきつつあることが背景にあるといえるでしょう。

 そして家族や親族のきずなが破綻してきています。地域共同体も崩壊しています。かつては封建的な秩序を担っていた面をもっていた地域共同体ですが、今はそれが崩壊して、地域共同体のもっていた良い面が消えてしまっています。それで閉塞感・孤独感がひろがり、何でも個人として処理しないといけないことになって、暴力への傾向も出てきています。

 そこで政治に対しても、『大阪維新』というような形で一挙に変えてほしいという願望が強まっています。それで閉塞感・絶望感を持った人たちの票が「大阪をぶっつぶす」というような人のところへドッと行くという傾向が現れているといえるでしょう

 これに小選挙区制が絡んできます。小選挙区制で「一挙に変える」という可能性が出てきました。現に小選挙区制で、自公政権がぶっつぶれて民主党政権に変わった。無党派層の票がドッと動けば長年続いた自公政権が倒れた。『維新の会』にドッと票が行けば、大阪が良くなるのではないかという錯覚を府民に持たせることができる。府民の側にもそういう錯覚に陥りやすい下地がある。そこで、漠然とした期待だけの政治、具体的な政策内容を示さないイメージ戦略、公務員たたき・市長たたき・教育委員会たたきなど、仮想『敵』を設定し支持を拡大する手法がまかり通っています。


民主主義の質を鍛える

 いま民主主義の質を鍛える必要があります。いまの日本では、個人をみんなバラバラにしておいて、全体を締めつける国家を強めようとしています。ファシズムは、中間のつながりを排除して個人と全体の両極に分解しておいて、全体を国家で締めつけます
私たちは、個人と全体の中間の市民的連帯を強めていく必要があります。例えば労働組合の強化、地域の諸組織や血縁関係の見直し、学習組織の強化を図ることが求められています。そして日常会話で社会や政治のことを語り合うことが大切です。それが大阪の民主主義の質を高めることにつながります。そうしてさまざまなレベルで政治的関心を高める秋にしましょう。


鰺坂 真・関西大学名誉教授

(文責・事務局)。


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