― 本当に 愛国心を持っているならば、原発なんか日本に置いておけない
原発、憲法9条 あきらめずに問い続けよう
作家 ・ 赤川次郎さん 革新墾インタビュー
衆議院選挙直前、「原発を作り続けてきた政党が政権をとれば、原発を再稼動させる可能性が高い」と一般紙に投書し、共感を広げました。
日本の国を、破綻から守ろう
――安倍首相は、「科学的安全基準で再稼動を判断する」と言っていますが。
赤川 いくら基準をつくっても、当てにならないことが福島の事故で分かっているのに、まだそんなことを言うのかと思います。
再稼動を目的に言っているとしか思えないですね。
学者も原発の危機を訴えてきた人は、学会からはじき出されてしまっている。
残っている人たちで基準を作っても、「危険だ」という結論はまず出ないと思います。
また事故が起きれば経済どころか日本の国が破綻しかねません。
「取り戻す」 べきは、福島の故郷
――国民の多くが原発ゼロを願っていますが、政治に反映されていない。民主主義が問われています。
赤川 日本では例えば、官僚は優秀だとずっと言われてきました。 本当に優秀なら、自分の責任をどんな障害があっても果たすと思います。
しかし学者も含めてそのように育ってこなかった。
アメリカでは専門家としての義務を果たすためなら、相手が大統領でもケンカを売る。不正があれば、相手がどんな大企業であっても不正だとはっきりいう。 日本の「プロ」は、上と上手くやっていくための「プロ」です。福島の事故で反省している人もいると思いますが。
――「日本を取り戻す」と自民党が言うならば、福島の人に故郷を取り戻させるのが先決だと、赤川さんは主張されています。
赤川 「日本を取り戻す」というのはたぶん尖閣諸島や竹島のことだと思いますが、原発事故が起きると、尖閣どころじゃない。
日本を取り戻すといくら言っても、放射能は聞いてくれない。
安倍首相は、愛国心という言葉が好きだけど、本当に愛国心を持っているならば、原発なんか日本に置いておけない。だって、日本に住めなくなってしまうじゃないですか。
経済界の人たちも、原発をなくす過程で新しい産業を起こしていくほうが長い目で見れば利益になると、発想を転換してくれないと、日本は世界に追いつけなくなります。
人の命を大切にすることから
――自民党は、「国防軍」の創設も主張しています。
赤川 いまどき、そういうことを言う人がいるのは悲しくなります。 憲法9条が現実的な課題になってきました。自分は書くことしかできないわけですが、デモをしても無視される、訴えが選挙に反映されないと思うと、むなしくなると思いますが、それが向こう側の狙いです。 いくらやっても駄目だと思ったら負けです。
やはりあきらめないことです。戦争はいやだという人はたくさんいます。9条は変えないほうがいいという人は多数です。
原発をすすめ9条を変えようとする政党の人たちを、あらゆる選挙で落としていくことです。
原発問題であれだけの盛り上がりがあったのも、身近な命の問題を肌で感じたからです。9条でも同じだと思います。人の命を大切にすること、後に続く世代を守ることなど、人間としての基本的な立ち居地を深く考えるときです。
(全国革新墾ニュース 2013年2月号より)
赤川次郎氏は、橋下大阪市長の【「君が代」を歌っているか、教師の口元チェック】をさせた問題についても、一般紙に投書されていました。こちら⇒ 三毛猫ホームズの声 「橋下氏、価値観押し付けるな!」
=^-・-^・-・^-・ー^=
女優・ 杉田かおるさん 革新墾インタビュー 人の幸せを思い 社会のために
自然の営みの中で
2009年から2年間、有機農業の土づくりを教わる塾に通いました。 耕さずに自然の生態系の中で野菜を育てる自然農も学びました。
土の栄養素は虫や草が何十年、何百年も積み重なってできています。肥料や農薬を入れない土で作ったレタスは、塩をつけなくても本当においしい。
自然農の畑に立つと、自然の営みの中で人間も生かされていると実感でき、癒しや励みになります。そして東日本大震災と原発事故の後、どう生きたらいいか考えさせられました。
お金より命や健康が大事です。私はすべての仕事をお金で換算するような時期もありました。でも自分が追い求めていたものがお金の額だったと気づいたときの空しさは、何ともいえないものでした。
自分の身の丈にあった生活を大切にし、欲望をコントロールすること、「足るを知る」が、精神的にも安定できるんですね。
自然エネルギー中心に
もう40年ほど前ですが、小学校の担任の先生が反原発の立場で、その影響を受けて、原発の事故をずっと危惧していました。 実際に起きたときは目の前が真っ暗になりました。
一番の問題は(安全といえる)最終処分施設が世界のどこにも作られていないことです。
核のゴミがどんどん溜まっていくことは脅威です。
原発を稼動させて福島で事故を起こした責任が、どなたにあるのか、はっきりしません。原発も核兵器も責任者が一つ間違えれば、重大な事故に繋がってしまいます。すごく怖いことです。
佐賀県では海洋の温度差を利用したエネルギーの開発を行い、世界から注目されています。間伐材を使ったエネルギーの開発も進んでいます。自然エネルギー中心にした社会になってほしいですね。
人のつながりが平和に
私が出演した「金八先生」(脚本・小山内美江子さん)のスペシャルだったと思いますが、金八先生が日本国憲法をずっと読み続けるシーンがありました。 やはり、暴力で暴力は押さえられないと思います。
例えば、いま地球のグローバル化で文化や食を通じて人と人のつながりができています。これは平和への大きな一歩になると期待しています。 昨年、合鴨農法をされている方の新年会に行くと、中国や韓国、キューバなど色々な国の研究生がいました。環境によい農業という同じ志を持っていると、言葉や思想が違っても心は通じ合えます。畑の中に国境はないと、感動しました。
自分の幸せ以上に人の幸せを思い、社会のためにできることを考える方と、農業を通じて出会いました。それは争いのない世界に繋がっていくと思います。私もそういう生き方を心がけたいと思います。
すぎた・かおる 1964年東京生まれ。
7歳のとき、ドラマ「パパと呼ばないで」でデビュー。映画・舞台でも活躍。
著書に『杉田かおるのオーガニックライフ』『この私が変われた理由』など。
原発、憲法9条 あきらめずに問い続けよう
作家 ・ 赤川次郎さん 革新墾インタビュー
衆議院選挙直前、「原発を作り続けてきた政党が政権をとれば、原発を再稼動させる可能性が高い」と一般紙に投書し、共感を広げました。
日本の国を、破綻から守ろう
――安倍首相は、「科学的安全基準で再稼動を判断する」と言っていますが。
赤川 いくら基準をつくっても、当てにならないことが福島の事故で分かっているのに、まだそんなことを言うのかと思います。
再稼動を目的に言っているとしか思えないですね。
学者も原発の危機を訴えてきた人は、学会からはじき出されてしまっている。
残っている人たちで基準を作っても、「危険だ」という結論はまず出ないと思います。
また事故が起きれば経済どころか日本の国が破綻しかねません。
「取り戻す」 べきは、福島の故郷
――国民の多くが原発ゼロを願っていますが、政治に反映されていない。民主主義が問われています。
赤川 日本では例えば、官僚は優秀だとずっと言われてきました。 本当に優秀なら、自分の責任をどんな障害があっても果たすと思います。
しかし学者も含めてそのように育ってこなかった。
アメリカでは専門家としての義務を果たすためなら、相手が大統領でもケンカを売る。不正があれば、相手がどんな大企業であっても不正だとはっきりいう。 日本の「プロ」は、上と上手くやっていくための「プロ」です。福島の事故で反省している人もいると思いますが。
――「日本を取り戻す」と自民党が言うならば、福島の人に故郷を取り戻させるのが先決だと、赤川さんは主張されています。
赤川 「日本を取り戻す」というのはたぶん尖閣諸島や竹島のことだと思いますが、原発事故が起きると、尖閣どころじゃない。
日本を取り戻すといくら言っても、放射能は聞いてくれない。
安倍首相は、愛国心という言葉が好きだけど、本当に愛国心を持っているならば、原発なんか日本に置いておけない。だって、日本に住めなくなってしまうじゃないですか。
経済界の人たちも、原発をなくす過程で新しい産業を起こしていくほうが長い目で見れば利益になると、発想を転換してくれないと、日本は世界に追いつけなくなります。
人の命を大切にすることから
――自民党は、「国防軍」の創設も主張しています。
赤川 いまどき、そういうことを言う人がいるのは悲しくなります。 憲法9条が現実的な課題になってきました。自分は書くことしかできないわけですが、デモをしても無視される、訴えが選挙に反映されないと思うと、むなしくなると思いますが、それが向こう側の狙いです。 いくらやっても駄目だと思ったら負けです。
やはりあきらめないことです。戦争はいやだという人はたくさんいます。9条は変えないほうがいいという人は多数です。
原発をすすめ9条を変えようとする政党の人たちを、あらゆる選挙で落としていくことです。
原発問題であれだけの盛り上がりがあったのも、身近な命の問題を肌で感じたからです。9条でも同じだと思います。人の命を大切にすること、後に続く世代を守ることなど、人間としての基本的な立ち居地を深く考えるときです。
(全国革新墾ニュース 2013年2月号より)
赤川次郎氏は、橋下大阪市長の【「君が代」を歌っているか、教師の口元チェック】をさせた問題についても、一般紙に投書されていました。こちら⇒ 三毛猫ホームズの声 「橋下氏、価値観押し付けるな!」
=^-・-^・-・^-・ー^=
女優・ 杉田かおるさん 革新墾インタビュー 人の幸せを思い 社会のために
自然の営みの中で
2009年から2年間、有機農業の土づくりを教わる塾に通いました。 耕さずに自然の生態系の中で野菜を育てる自然農も学びました。
土の栄養素は虫や草が何十年、何百年も積み重なってできています。肥料や農薬を入れない土で作ったレタスは、塩をつけなくても本当においしい。
自然農の畑に立つと、自然の営みの中で人間も生かされていると実感でき、癒しや励みになります。そして東日本大震災と原発事故の後、どう生きたらいいか考えさせられました。
お金より命や健康が大事です。私はすべての仕事をお金で換算するような時期もありました。でも自分が追い求めていたものがお金の額だったと気づいたときの空しさは、何ともいえないものでした。
自分の身の丈にあった生活を大切にし、欲望をコントロールすること、「足るを知る」が、精神的にも安定できるんですね。
自然エネルギー中心に
もう40年ほど前ですが、小学校の担任の先生が反原発の立場で、その影響を受けて、原発の事故をずっと危惧していました。 実際に起きたときは目の前が真っ暗になりました。
一番の問題は(安全といえる)最終処分施設が世界のどこにも作られていないことです。
核のゴミがどんどん溜まっていくことは脅威です。
原発を稼動させて福島で事故を起こした責任が、どなたにあるのか、はっきりしません。原発も核兵器も責任者が一つ間違えれば、重大な事故に繋がってしまいます。すごく怖いことです。
佐賀県では海洋の温度差を利用したエネルギーの開発を行い、世界から注目されています。間伐材を使ったエネルギーの開発も進んでいます。自然エネルギー中心にした社会になってほしいですね。
人のつながりが平和に
私が出演した「金八先生」(脚本・小山内美江子さん)のスペシャルだったと思いますが、金八先生が日本国憲法をずっと読み続けるシーンがありました。 やはり、暴力で暴力は押さえられないと思います。
例えば、いま地球のグローバル化で文化や食を通じて人と人のつながりができています。これは平和への大きな一歩になると期待しています。 昨年、合鴨農法をされている方の新年会に行くと、中国や韓国、キューバなど色々な国の研究生がいました。環境によい農業という同じ志を持っていると、言葉や思想が違っても心は通じ合えます。畑の中に国境はないと、感動しました。
自分の幸せ以上に人の幸せを思い、社会のためにできることを考える方と、農業を通じて出会いました。それは争いのない世界に繋がっていくと思います。私もそういう生き方を心がけたいと思います。
すぎた・かおる 1964年東京生まれ。
7歳のとき、ドラマ「パパと呼ばないで」でデビュー。映画・舞台でも活躍。
著書に『杉田かおるのオーガニックライフ』『この私が変われた理由』など。