困った人たち ～看板猫も楽じゃない・part Ⅱ ～

随分間が空いてしまいました。昨年１１月のpartⅠで予告した続編です。

春の繁忙期、夕方になると多い日は１０人近いお子さんが「猫～、猫～、」と探し回る。

中には商品そっちのけで台の下や床下ばかり探し回る親御さんも。

あまり書きたくはないのですが、看板猫の暮らしはさほど楽ではないのです。

レジ外台で休息中のレオ(手前)とココ

ある時お客さんが、「何とかしてあげた方がいいんじゃない？」と指さした。

正面ゲートの下で、何やらごそごそやっている。

近づくと、台の下に逃げ込んだレオを家族連れが追い詰めていた。

３方を母親とお子さん２人が塞ぎ、１方からお父さんが台の下に潜り込んでいた。

「よし、もう少しだ」と若いお父さん。だいぶ前から追っていたらしい。

注意すると、お父さんは台下から出てきて「何だよ、何もしてねえだろ。」

重ねて注意すると、「猫なんか追ってねえよ！」と逆切れ。

さんざん悪たれをついて家族ともども帰っていった。

裏駐車場まで避難したレオ

別のある日、事務所にいると子供たちの声が聞こえて来た。

「よし、そっちに回れ、挟み撃ちだ。」見るとレオとココが子供たちに囲まれていた。

小学の高学年が３人、それに低学年の小さい１人は弟か。みな棒のような物を持っていた。

ココはかなり怯えていたがダッシュで逃げ、レオが4人の子に挟まれた。

棒で何をする気なのか、注意すると子供たちは逃げていった。

しかし何日か後にその子たちは同じことをして、スタッフが止めたと聞いた。

他のスタッフは自分と違って、余程のことがないと注意しません。

それから間もなく、今度は展示小屋の床下に逃げ込んだレオを囲んでいた。

それぞれ手に竹箒(商品です)を持って、その柄で追い出そうとしている。

その時は強く叱ったのだが、そこに親御さん(引率者？)がやってきた。

親御さんがSCで買い物中にお子さんたちが店に来るようだった。

親御さんは平謝りで、もうさせないと約束して帰っていった。

しかしそれから数日後のこと。

温室の陰で手入れをしていると、その4人組がまたやって来たのです。

レオとココはレジの外台で休んでいた。

「いたいた、あそこだ。」子供の2人が、直径１ｍ近い特大のたも網を持っている。

(今度は計画的だ。) 　　「こらァー！」と叫んで走り寄ろうとしたその途端、

足がつんのめって化粧鉢台の上に転倒。

ガシャーンと大きな音を立てて１０個くらいの鉢が落ちて割れた。

割れた鉢で両手から出血。「大丈夫？」とお客さんが集まって来た。

その隙間から思い切り睨みつけると、子供たちは慌てて逃げていった。

その後は、その子たちを見ていはいません。

手前の小屋の後ろに隠れた棚はココの隠れ場

もうひとつ。

事務所にいると、ワンちゃんの鳴き声がやけにけたたましい。

裏の駐車場に散歩に来ることもあるので、さほど珍しいことではないのです。

でもその時は鳴き方がやけに執拗で、何かおかしかった。

窓を開けて見ると、小屋の向こうに中型犬に追い詰められたレオとココが見えた。

ワンちゃんは吠えながらじわじわと２匹の猫に詰め寄ってく。

慌てて飛び出しながら思った。　(じわじわ？)

それは驚きの光景でした。ワンちゃんはリードで繋がれていたのです。

中年の女性がそのリードを少しづつ緩め、追い詰める犬と怯える猫を撮影していた。

その時はさすがに、店内中のお客さんが振り返るほどの大声で叱りました。

まあ猫たちの能力からして、逃げようと思えばいつでも逃げれるとは思ったけど。

土砂降り雨で避難中の２匹

店には、看板猫に関する注意書きが要所の１０ヶ所にあります。

紹介を兼ねたもの、ワンちゃんの取り扱いなど注意事項。

そして目立つように、「猫を追わないでください」の大文字注意喚起。

殆どのお客さんはその看板を見て協力的です。

ココレオのファンで、見守ってくれるお客さんも沢山います。

ここに紹介したようなことは、きっとどこの看板動物たちにとっても同じなのだと思います。

いい話や面白い話ばかりニュースになるけど、こんなことも知って頂ければと思うのです。

ちなみにpartⅠも今回も、登場した人たちが猫嫌いということではないようです。

だから悪意があるわけではない。

きっとかつて「ニャン好き恋愛論」で書いた、Aタイプの人たちなんでしょうね。

裏駐車場を眺めてたそがれるレオ