今日も元気で頑張るニャン

家族になった保護猫たちの日常を綴りながら、ノラ猫たちとの共存を模索するブログです。

猫捨て防止啓蒙活動 ~それでもやらなければならない~

2024年05月19日 | シリーズ:ノラたちとの共存を目指して
本記事は、「ノラたちとの共存を目指して・場外編その8」の位置づけとなります 

美談の数百倍の猫捨てがある
自分は毎日猫関連ニュースを見ています。すると、AIでその人(のPC)向けに記事を選択するYahooニュースには猫ニュースが多くなる。特に多いのはSNSに投稿された記事の紹介で、過酷な外生活から保護された猫が幸せになった話。猫虐待や殺処分などのネガティヴなニュースよりもずっと多い。しかしそれら美談のタイトルや冒頭の数行に注目すると、捨てられた猫である場合が多いのです。しかも数匹死んで1匹残った猫だったりとか・・。

本シリーズ場外編その5で、日本には「当たり前のように猫を捨てる文化」があると書きました。子猫を大きな川の真ん中に投げ捨てる、ビニール袋に密閉してゴミ箱に投げ捨てる。ごく普通の人たちが、他人が見てなければ地獄の使者にも変貌するのです。それは身近なところでも結構あることがわかって来た。このむごい遺棄の件数は美談ニュースになる件数の数百倍はあると推察され、それに気づいて以来、猫捨てが現状のままでは野良猫問題は決して解決しないと声を挙げてきました。

例えばどんな水漏れトラブルでも先ず水道の元栓を閉めることが絶対です。水道の水を出し放しにしたまま水漏れを修理したり溢れた水をかい出したり、なんてあり得ないことです。ところが今の野良猫対策(保護活動)はそれに似ている。確かに猫は多産系だが、野に生まれた子猫の1才生存率は(人の保護がなければ)2割に満たない。それにいつも書いているように、どんなノラでもそのルーツを辿れば捨て猫なのです。

ではどうすれば猫捨てをなくす、あるいは減らすことができるのか。実はそれが悩みの種で、そのために本シリーズ終盤のその8、9、10を書くことできなくなってしまったのでした。(もう1年近く空いてしまいました。)

※捨て猫が保護されて幸せになった記事の一例
ねこちゃんホンポ:一人ぼっちで捨てられた子猫を保護したら…"ごはん"に見せた反応が切なすぎる・・

チキン「自分は物心つく前に捨てられいたそうです」

捨て猫・猫虐待防止啓蒙活動の効果は? 
かつて「死刑に処すべし」という記事で、捨て猫を防止するには摘発を強化して最高刑(懲役1年か罰金100万円)を課すべきと訴えました。しかし現状、どんなにむごい猫遺棄虐待事件にも無罪に近い判決しか出さない今の司法(裁判官)に期待するのは難しいでしょう。つまり司法関係者の頭の構造が、遺棄などの罪を犯す連中と同質なのです。この人たちの頭の構造が欧米並みになるには少しづつは進歩するにしても、100年はかかると思われます。

一方自分みたいにエキセントリックには考えなくても、できることから地道に活動している人たちも大勢います。動物福祉の考えを拡充するという大きな目的のもと、遺棄や虐待の防止を訴える人たちです。講演やセミナー、イベントやネットでの発信がその手段で、多くの場合相手は不特定多数です。その内容は視聴者(参加者)の人間性に訴えることが基調です。自分はこういった活動の必要性を重々認識していますが、あえてその効果という点について考えてみました。

ポイントは、そういった講演に参加したりネットで見たりする人は一体どんな人かということです。例えば自分は見ます。でもご承知の通り、自分は既に十分意識を持ち合わせた人間です。猫と暮らし始めたか暮らそうとしている人なら興味があるかもしれない。でも既に猫と暮らしていてしかもためらいもなく猫を捨てるような人が、そういった啓蒙話に興味を持ち耳を傾けるでしょうか。自分にはそうは思えません。文化のレベルが違う? いや、耳を傾けない人たちはごく普通の人たちです。講演やネットでの主張をもっと有効にするには、実際に猫捨てを行う層の人たちに声を届かせなくてはなりません。

そこで、自分の提案はメディアの活用です。日本のメディアははっきり言って質が低い。多くのワイドニュース番組で、MCやコメンテーターが芸能人であることからも製作者の姿勢がわかります。しかし逆に強みもあって、それは付和雷同型であり執拗に同じ話と画像を繰り返すことです。この特性(刷り込み効果)を使って、チョコレート製造会社はバレンタインデーなるものを国を挙げてのイベント化して大儲けした。今は同じことを転職産業が仕掛けていて、これが亡国への道につながらないかと案じています。いずれにしても、講演などの相手をメディア関係者に絞り込んで、まず彼らを味方につけることが一番の早道だと思う次第です。

軌道に乗れば、メディアが具体的な方法をいろいろと提案してくれるでしょう。大事なことは官民一体となって検挙数を上げることです。まずはそこから初めて、裁判官の"手抜き"を徹底的に取材して公開することではないでしょうか。
※少し古いですが、啓蒙活動に向けての滝川クリステルさんの話を以下にリンクしておきます。


ニャー「おれも捨て猫だったらしいけど、外時代はもう忘れたな」

◆「ノラたちとの共存を目指して」目次  ※予告編(期日未定)含む
その1  資料編「現状と動向調査」(追記:餌やり、地域猫問題) 2017.2.27
その2  現場編「ノラを守るのに理由は要らない」(報道されたボラさんたち) 2017.5.31
その3  エサやり問題・続編「裁判事例の検証・他」(司法が肯定したもの、否定したもの) 2017.8.31
その4  一服編「ノラだからこそ・・かわいい!」(ニャー&みう+テンちゃんの日常) 2017.11.30
その5  闘魂編「許さない、虐待に不法投棄に暗闇ビジネス」 2018.4.29
その6  原点回帰編「再確認・人間性とは?」(食肉、動物駆除と保護活動) 2018.8.31
その7  形而上学編「ノラの幸せとは」(シャッポやソトチビの行動に想う) 2020.1.31
その8  地域猫問題・続編「殺処分ゼロに向けて」(目的達成のために必要なこと)2022.11.30
その9  理想追求編「殺処分ゼロの先にあるもの」(対等の精神と真の共存)
その10 最終章「共存の終焉」(ノラのいない社会)
番外編
番外編1「罪と罰」(法の実行と刑罰の妥当性) 2019.3.29
番外編2「動物愛護の精神を問う」(餌やり議論の本質) 2019.10.31
番外編3「エサをやるなは殺せと同じ・第3弾(前編)」(特別加入) 2020.6.30
番外編4「エサをやるなは殺せと同じ・第3弾(後編)」(特別加入) 2020.8.31
番外編5「政治とメディア」(ノラたちの未来を決める人たち) 2021.1.31
番外編6「保護に奔走する人たち」(その2とその6の補足) 2023.7.31
番外編7 殺処分と暗闇ビジネスを今一度炙り出す
場外編
場外編1 猫の煩悩とはこれ如何に 2021.7.10
場外編2 続・死刑に処すべし? ~死に体・動物愛護法の復活を期して~ 2021.7.21
場外編3 どうしてこんなに軽いのか <続・続・死刑に処すべし> 2021.11.10
場外編4 メディア批評、の・つもりが・・(国民の鏡としてのメディア) 2021.11.24
場外編5 社会の闇 (残存する「当たり前のように猫を捨てる文化」) 2022.6.29
場外編6 ジレンマ(猫捨てを補完するノラ保護活動)2022.7.31
場外編7 ノラたち自身のためのTNR ~命と生活を守るには~ 2022.12.8
場外編8 猫捨て防止啓蒙活動 ~それでもやらなければならない~
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