今日も元気で頑張るニャン

家族になった保護猫たちの日常を綴りながら、ノラ猫たちとの共存を模索するブログです。

天国のルイへ ~FIPという病気の話~

2021年04月27日 | (故)ルイ(新手、顔白)
やあ、ルイ
そっちでの調子はどうだい?
病気からも解放されて快適かい?
早いもので、あれからもう1年半になるんだね


ルイ、天国ではのびのびと暮らしていてほしい
(本記事の写真は再掲です)

食べたいのに食べれなくなって10日ほど
やがて現れたときはお腹がぷっくりと膨れ
動く気力もないお前を保護して休ませた
うれしかったよ
お前は、最後の力を振り絞ってわが家に来てくれたんだ

お腹の膨れたルイはもう動くことができなかった

お前の状態をネットで調べるとFIPの疑いが濃厚
不治の病で余命も長くはないという
すぐに病院に向かい、苦しそうなお前を見かねて
躊躇する先生に腹水を抜くよう頼んだ

保護した時のルイはむしろ落ち着いたように見えた

しかしその後のお前の憔悴ぶりは著しく
地獄の痙攣を伴う1週間の闘病の末、旅立った
お前は最後の最後まで意識を保ち、保護者にも呼応した
「もっと生きたい」という生への執着と精神力
お前を看取った後も、感動の余韻が消えなかった

凄まじい痙攣に歯を食いしばって耐えるルイ

お前を救う機会はもっとあったのではないか
腹水を抜いたのは死期を早めただけだったのか
自分は、無知過ぎたのではなかったか
残された者は常に後悔に苛まれる
だがその時の後悔は、特別に大きかった

旅立つ直前まで意識がはっきりしていた

「この家の子になりたい」
お前のアッピールは痛いほどわかっていた
単に食べに来るだけでない
家の周りに陣取って中の子たちとの交流を続けた
まさか、あんな形でお前を家に迎えたなんて

勝手口を開けると入りたそうに覗き込んだ

ルイよ、お前を奪ったFIPという憎き不治の病
その病気の治療に光明が差してきた
米国の大学で開発中のGS-441524という製剤
まだ製品化されてないが、その有効性が認められた

家中の連中に挨拶を欠かさなかったルイ

同じような成分を持つ 中国製品のムティアン
サプリメントの扱いだが一部の病院で使い始めた
この薬でFIPが改善した症例が続出している
ただし滅茶苦茶に高価(治るまで100万以上)のため
あちこちでクラウドファンディングが立ち上がった

家中の子たちと一緒にくつろぐ

情報源が限られるのでさらに調査が必要だけど
コルディという漢方やシクロスポリンという抗生物質
これらが有効だという報告もある
要は、諦めずに希望を持ち続ければ道は開けるのだ

わが家に来た頃はサクラ(上)と一緒に食事

ルイよ、お前には改めて謝らなければいけない
あの時の自分は、"不治の病"と聞いて落胆するばかり
お前のような精神力と執着心に欠けていたのかもしれない
またひとつ、お前に教わったな

9ヶ月という短い付き合いでも、たくさんの思い出を残してくれた

※ルイ闘病記録の詳細は「(故)ルイ」カテゴリーの3記事に綴られています。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする