わが家の家裏と言えばサクラとキジロ。
サクラとの付き合いはもうすぐ2年、キジロは1年半になります。
珍しく明るいうちにやって来たキジロを撮り溜めしました
今年は休むこともなくサクラは1日数回、キジロも1,2回やって来ます。
鉢合わせしても譲り合いの精神で喧嘩なし。
殆ど鳴かず声も小さく、基本的に通いなのでいたって静か。
ご近所迷惑もありません。
家裏では置き餌をしないので他猫の姿もなし。
2匹の環境は安定しています。
雨上がりの日、寝床の掃除を見守るサクラ
サクラが食べていたかと思えばキジロに代わっていたり、その逆も。
相互不干渉ではありながら、結構仲がよさそうだ。
でもこの2匹、ここまでの道のりは波乱万丈でした。
保護したハリーに代わって現れたサクラは初めの1年間、シロキやルイ、黄色に黄白(大人の方)、それに一見さんなどいろんなネコちゃんたちから隠れながら通い続けた。まだ子猫だったキジロが現れた頃は黄色と(大人の)黄白がよくバトルをしていて、これ以上の騒音トラブル(※)は勘弁と追い払うこともあって、今のキジロも巻き添えを食ったりした。キジロも当時は隠れたり逃げたり大変でした。
※注) 過去記事「シリーズ『ノラと家猫と』その1・灰白くんと白黄くんと地域問題」参照 (現ハリーとシロキのことです)
「ありゃ、中から誰か見てるぞ」
結局、この2匹は穏やかな性格だったのでわが家裏に残れたんだな。今は姿を見せない黄色や(大人の)黄白は気が強そうで、きっと本拠地で頑張っているに違いない。この街の人たちは、穏やかなノラちゃんに対してはとても優しいです。
「あっ、また隠れ撮りしてる」 (トイレの窓からこっそり撮影)
さて、サクラとキジロの前回記事で予告したタヌキくんの話です。
一昨年の晩秋、当時はシロキとサクラが常連メンバーだった。家裏ニャン歴史の創始者でもあるソトチビが消息を絶って9ヶ月、何とか呼び戻そうと置き餌をしていた頃でした。ある夜ニャーたちが勝手口外の異様な気配を報せてくれたのでトイレの窓から覗くと、猫の倍はありそうな大きなもそもそした何かが置き餌を食べていた。その毛が漏れた光に輝き、何者かは特定できない。勝手口に回って開けたときはもういなかった。そんなことを3度ほど繰り返したが結局正体がわからず、そのときの驚愕も時が経つと薄らいで、やっぱりネコだったのかと思うようになった。
しかしその後も時折、置き餌が異様な雰囲気で荒らされる。大型のワンコが食い散らかしたような跡だ。やはり最初に感じたようにアライグマなのだろうか。それともワンコ? いや、あれは違う。ハクビジン? やはり違う。家裏ではその後シロキを保護し、一方ルイが現れて常連となったが、その正体不明のもそもそとトラブルになることもなかった。そしてしばらく経った3月のある夜、ついにその正体を目撃したのでした。
その夜、もそもそはソトチビを誘導しようと寝床の中に置いた少量のカリカリを狙っていた。そして寝床の上、さらには戸棚の上に乗ってきた。そこはトイレ窓の真下だ。夜とはいえそれだけ近ければよく見える。該当しそうな動物をネットで調べていたのが役に立った。間違いない。もそもそはタヌキでした。愛嬌のある動きでしばらく休んでいたが、やがてゆっくりと闇の奥へ消えた。
翌日、寝床や戸棚に残された足跡でタヌキであることを再確認しました。(写真を残さなかったのは本当に失敗でした。) でも何故タヌキが。思い当たることがあったのです。
その1年ほど前から、この地域に残された最後の広大な森林が開拓されていたのです。その森林は2キロほど先にあり、住宅戸数400棟を超す大規模開発だ。開発にともなって周辺の地域では普段見かけなかった野生動物が散見されるようになった。あのタヌキくんも元の住処を追われたのは想像に難くない。近所にはまだ森や草原も散在するが、人間と接しないで暮らせるのはあの広大な森林が最後だ。
あれから1年強が経ちました。今は置き餌をしてないが、サクラやキジロの食べ残しを片付けるのが遅れると、たまにあのときと同じ荒らされ方をしていることがあるのです。さすがにそれだけ長く出没していればご近所で噂になるだろうと思いつつ、もしあのタヌキくんだったら救う手立てはないものだろうか、などと考えたりするこの頃です。