アートセラピストのイギリス便り

アートセラピスト間美栄子のシュタイナー的イギリス生活のあれこれを綴った友人知人宛のメール通信です。

第四十九話  ふたたび旅へ

2009-09-15 00:00:00 | 映画

      (長い道)

* 政権交代で日本はこれからいいほうに変わっていくのでしょうね。
私個人もシュタイナーベースのニューロリハビリの病院でアートセラピストとして採用されたので、大きな変化を迎えています。また、新たなる土地で再出発。



第四十九話  ふたたび旅へ

やっぱり人間は追い込まれないと哲学できないのか、と思うこの頃。
永住権を獲得し、経済的にも楽になって、がけっぷちに立っているという緊張感がないせいか、夏の間中のほほんとしていたわたしです。

そんな時見た映画が、「The motorcycle diaries」キューバ革命のチェゲバラの若いころの旅のお話です。南アメリカ大陸をほとんど無銭で縦断し、人々と出会っていく中で、不平等な社会のシステムに気づき始める若き医学生ゲバラ。

映画を見ていて「あ、私にもそんな時があった」と、懐かしく思い出したのは、20代のときはじめて行った外国、タイ。スラムや難民キャンプを訪れることで理不尽な世界のシステムに気づき始めたのでした。それで、教員になるという道からはずれ、その後のWinding road。

「Into the wild」という映画では、クリスという大学を卒業したばかりの青年が,体裁ばかりの物質主義の両親に反発して家を出て、アメリカを無銭で旅し、ジプシーや老人に会って語り合う中で、考えを深めていきます。アラスカの自然の中で孤独に暮らし、クリスが最期に悟ったものは幸せとは他と分かち合うものだということでした。両親を許すことで光を見ることができるということでした。

あちこち訪ね歩くのが好きな私は、日本にいるときにも、「もうひとつの日本地図」という本を見ては、有機農業をやっている人たちや、有機八百屋、有機カフェ、と訪問していました。

福井にあるジャージー牛で有名なラブリー牧場で泊めてもらったときは、奥さんがとても気さくで、夜も更けるまでいろいろ語り合ったことがありました。

佐渡で裂き織りをしている方のところにお邪魔したときは、スーパーでバイトをしながら小説を書いている方も紹介してもらい、お風呂のかまどの火を見ながら、こういう風に少しの現金収入で、好きなことをする暮らし方もあるんだなあ、と感じ入っていました。

そんな旅で出会った人たちのことを思い出し、PhDが終わったら、ウーフWWOOF(World Wide Opportunities on Organic Farms)で、また旅に出ていろいろな人の暮らしを見せてもらおうかな、と考えているところです。

(間美栄子 2009年 9月15日)

PS 岩崎サンという日本人男性がママチャリで7年もユーラシア大陸を旅しているという記事を目にしました。まるで「フォレストガンプ」とかかれていたけど、まだまだ旅を続けるそうです。



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