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ndd a.k.a NO-DOUBTによるレビュー。音楽中心に徒然と。微力でもアーチストや表現者への還元に繋がれば。

■Egberto Gismonti / "Alma"

2010年01月01日 | BRAZIL/LATIN/BOSSA
Alma
Alma
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Egberto Gismonti / "Alma"
(BRZIL/CLASSIC/PIANO)
評価:★★★★☆

引越しのバタバタと年末仕事で忙殺ぎみの日々も落ち着いてじっくり聴けてなかったブツを聴きこみ中。ここ最近は海外勤務から帰国していた友人とレコードをディグしたり、昔の名古屋の某クラブで同じパーティーで皿回してた現エリートビジネスマンが帰省していたり、もうずっと仲の良い変わらない愛すべき仲間と忘年会やったり、フットサル最終戦やったりとプライベートを無理やり充実させてました。

そして、やはり仕事以外の友人たちが自分にとっては最も愛すべき大切な連中なんだと気付かされるわけで、リーマンショック以来、けっこう大変な奴もいたり、色々とオーバー30にもなると皆結構色々あるんだけど、職種も違うし、同級生とかってわけでもないけど音楽だったりユースカルチャーだったり、なんか好きなものの根っこが近い奴とは、ずっと続いていく気がするね。

話は変わって、今なおその独自の美学で孤高のJAZZレーベルたり続けるECMにブラジルの鬼才エグベウト・ジスモンチが残したピアノ作品。AlmaとはSOUL、つまり"魂"というわけで、なるほど崇高な想いがあるのだろうなというほどある種の美意識を感じさせる。

ギタリストとしても一流なのですが、個人的にはこの人はピアノ作品の方に強烈に惹かれる。今作もM-6"Agua&Vinho(Wine & Water)"が収録曲としては最も有名ですが、その曲を特別視する必要もないくらいアルバム通しての完成度が高い。決して明るさや高揚感が前面に出た作品ではないのですが、感情爆発になりすぎない温度感で、しかもクラシックの素養にブラジルという音楽の密林の様な国出身の彼にしかなし得ない非常に叙情的で流麗なピアノソロ作品はJAZZとかBRAZILとか音楽の垣根を越えてしまう。

超絶テクのピアノも聴き所ですが、やはりその湯水のように溢れ出すジスモンチのクリエイティブ極まりない複雑かつ流麗なピアノソロに酔いしれるのが正しい聴き方かと。ライナーには全曲の楽譜が載っているのも深い想いを感じてしまうのだが、彼の中でもやはり特別な作品であったのであれば、しがないリスナーとしても幸運な解釈であるが、まあとにかく素晴らしいピアノ作品。ある種教授のようなクールで感傷的なところが好きです。

Alma

Egberto Gismonti - Agua & Vinho