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お気に入りの音楽や活字。その中に秘められた想いと、世の中の事、セールスの事をリンクさせて紹介していきます。

本当の冒険が始まる

2013-09-14 | Yukio Mishima
11.25自決の日を見たので、、、やはり三島をどんどん再読したくなりまして。。。三島と言えば新潮文庫ものが、、メインですが、今回は角川文庫より出版されている少し違う視点で三島を愉しめる作品などを、、、 と手に取ったのは「夏子の冒険」です。三島の作品として7作目の長編小説です。「週刊朝日」1951年8月5日号~11月25日号まで連載された作品で、単行本は51年12月5日に朝日新聞社より刊行されています。 1951年(昭和26年)まだ戦後から6年目の夏・・・昨年(1950年)より勃発した朝鮮戦争の激化される中、(7月10日に休戦会議が行われる)共産党は武装闘争方針を提起し、マッカーサーは朝鮮戦争で強硬策を主張しトルーマン大統領と対立し解任されてしまいます。。。「老兵は死なず、消え去るのみ」という言葉をマッカーサーは残していますね。この51年の1月に第一回紅白歌合戦が行われ、名古屋から登場した「パチンコ」が全国で大流行を始めます。テレビの初実験放送が開始され、民間ラジオ放送が始まったり日本初のプロレスの試合(力道山対ブランズ)が行われました。そして9月4日にはサンフランシスコ講和条約が開催され、対日講和条約調印、日米安全保障条約に調印します。(首相は吉田茂)この時社会党は賛成する右派、中間派(書記長浅沼稲次郎)と左派に分裂します。 こんな戦後の引きずりながらも、日本として再度世界に復帰できた分岐点でもあります。。そして朝鮮戦争の特需を受け、少しずつ国民が余暇を楽しみ、、欠乏欲求から少し価値欲求を感じ求めるような時代でした。

そんな中で登場したこの作品のヒロイン「夏子」まだまだ連合軍の配下で女性の大学進学率が低く、良家の娘は高校や短大を卒業すると「良縁」を待つことが一般的でした。そんな中でこのヒロイン「夏子」の破天荒で通常の恋愛に辟易し、心トキメク男に出会えない為・・・出てきた発想が「修道女になる!」でした・・・一度言うと聴かない娘は函館の修道院に入る事を家族に宣言し実行に移してしまいます。。。その函館へ移動する連絡船で出逢った・・夏子が求めるべき目をした理想の男性「井田毅」そして井田の計画を聴き、、、「私も熊を退治に行く~」と毅を説き伏せてしまい、二人で熊退治へと向かう事になります。 この二人の関係がその中でだんだん深められる中で、、脇を固めるコミカルな三人(夏子の歯母、祖母、叔母)が醸し出す、これまた世間知らず珍道中、、、、この対比が織り成す色彩が、、また違う三島の作品として輝きを放ちます。。

まだまだ東京の人からみると「外地」北海道を舞台に、、、(ちなみに私は北海道出身なので東京の事を「内地」と周囲の人は言っていました)その少し現実から逃避できる不思議さ漂う北海道。。。そして修道院、、 そして四本指の巨大な熊・・・ その熊退治に心を燃やす男と破天荒な都会娘。。 当時東京に住んでいた方には、現実感と非現実感の狭間の微妙さ加減が心地よかったとの同時に、女性からみると美しき完璧お嬢。そして良家の娘という庶民の憧れの世界を、、面白く描く三島に心トキメク感じを溢れさせながら読んだのではないでしょうか。。。1953年には映画化されています。
新潮文庫の数々の作品と違い、、優雅で笑える、、心の拠り所になるような作品が角川から出ています。こんな側面も観ながら三島の作品を楽しみ、、半面はのような自決に向かって行ったのか、、、見つめてみたいですね。理想と掲げやっと理想が見つかったと心トキメキこの人だと!選んだ結果。。退治が済んでしまうとそこらの男と変わらない小さな理想しか持ちえていない男分かり、、やはり修道院に入る!と宣言してしまう主人公・・・・このような状況から、、三島自身が掲げて理想はやはり理想であり、、現実にするのはもう無理なのかと、、、悲観を代弁し、、それであれば自分は隔離の世界へと足を踏み込む・・と宣言でもあるように感じます。 

オリンピックが決まりましたが、、何か変わるか・・・マスコミやテレビが騒いでいるだけで、、どんどん転落の一途を辿っているようにしか感じないこの国。。。2020までもつのか? 安倍ちゃんは「原発はコントロール下」にあると宣言していましたが、私が勝手に感じたことは、、コントロール化にあるので、、福島第一周辺を大きな壁で囲い国民の目から覆い隠します。。だから世界の核のゴミは受け入れましょう~的に聞こえました。。。東京の次2024年はパリの可能性が強いですよね。 色々な意味で、、国民を目かくししながらどんどん事を運び、、一部が儲かるこの世の中をそろそろ排除しないといけない!急務に感じます。 この調子だと安倍ちゃんの長期政権になりそう・・・ そして消費税は確実に上がり、オリンピック景気~だと煽りながら、、国民には何も還元されない・・・どんどん苦しくなるだけ、、そうならないように・・・ 色々なモノを根底から変える必要がありますね。本当の日本の冒険は2015年からではないでしょうか、、、だからこそ、、今年、来年は大事な時です。 どんな大転換が起きる事もあると意識して、、心構えと揺るがない信念とそして熱き篤きパッションをもって行動&考動していくことが重要です。 

あなたは・・・どんな冒険をしますか?

追伸・・・この作品がインスパイアとなって村上春樹氏の「羊をめぐる冒険」が書かれたと説を唱えている方がおりますね。。そのあたりはちょっと検証してから自分の考えをまとめたいと思います。。

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