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そうだったのかTPP24のギモン Q14,食の安全は守られたの? Q15,検疫がしっかりしていれば大丈夫では?

2016-10-26 14:49:00 | TPPと私たちの食・農・くらし

A14 消費者が求める厳しい規制はできなくなります。

政府は「今後も日本の安全基準が変わるようなことはない」と説明していますが、そうではありません。食の安全を守るために規制しようとすると、明確な科学的根拠が必要になり、消費者は食べたくないものがあっても、ますます避けることができなくなります。
 TPP協定の第7章「衛生植物検疫(SPS)措置」には、SPS委員会という専門委員会が新たに設置され、食品の安全性について検討することが書かれています。ここでは締約国や利害関係者が意見を述べることができ、「リスク分析」という客観的で科学的な証拠に基づく考え方が用いられます。
 これは、輸出国や遺伝子組み換え企業・食品企業などにとって大変都合のいいルールです。例えば、遺伝子組み換え作物など、安全かどうか世界でまだ科学的に結論が出ていないものについても、はっきり危険だと証明する必要が出てきます。ヨーロッパでは「予防原則」といって、科学的に因果関係が十分証明されていない状況でも規制を行う考え方がありますが、こうした慎重な考え方は通用しないのです。
 日本政府は、BSE対策や遺伝子組み換え食品の承認、食品添加物の使用基準、農薬の残留基準などについても規制緩和をどんどん進めています。その背景には、TPPの貿易優先の考え方に沿い、アメリカからの要求に対して日米平行協議で譲歩を重ねたこと、さらには国際機関の甘い基準を重視していることなどがあります。TPPが発効すれば、消費者が求める厳しい規制はこれまで以上に実現できなくなります。(山浦康明)

 

A15 「48時間ルール」では食の安全を守れません。

 現在、日本に入ってくる輸入食品は、平均92時間あまりかけて検疫所でチェックしていますが、TPPでは、48時間以内に検疫を終えて国内で流通させることが原則となりました。
 TPP協定文の第5章「税関当局及び貿易円滑化」には、輸入手続きの迅速化という名目で、「原則48時間で必ず入れなければならない」(原文で“shall”(すべき)と記載)と書かれています。日本政府は例外も認められると説明していますが、この条文が厳密に適用されれば、輸入品をしっかりとチェックできるのか、甚だ心配です。今でも、全国の検疫所で400人あまりの検査官が抜き取り検査(検査率10%程度)を行っているに過ぎないなか、さらに検疫体制がおろそかになることが予想されるからです。
 これまでにも、トマトから基準値を大幅に超える残留農薬が見つかった例がありましたが、判明したときにはすでに全量が消費済みで4万人以上が食べてしまいました。以前は、検疫所で安全性が確認されるまで留め置いていたのですが、近年、貿易優先の考え方が重視されているのです。今後TPPが発効し、さらにグローバル企業が利益を拡大することが重視されれば、消費者の健康や権利は後回しになりかねません。(山浦康明)

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