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20210928 9月定例県議会一般質問「新型コロナ禍における非正規雇用労働者への支援について」

2021-09-28 21:26:24 | 雇用労働・産業

2,新型コロナ禍における非正規雇用労働者への支援について

【中川】2009年リーマンショックで派遣労働者の首切りが大きな問題となりました。コロナ禍では、大規模な雇止めはありませんが、非正規労働者の人員整理で雇用調整が行われているようです。

コロナの影響を最も深刻に受けた対人サービス業では、シフト制や日々雇用、登録型派遣など雇用の柔軟化・不安定化が極限まで進められています。その結果、コロナ禍での非正規雇用労働者の人員整理は、自主退職や合意退職に追い込む形で行われ、コロナによる雇止めの数字として表れてきません。登録型派遣労働者やシフト制労働者に対しては、労働日があいまいであることをいいことに休業補償を支払わず、無収入の状態に追い込み自発的に離職するよう仕向けている例があります。また、派遣先から契約を解除された際に、派遣会社が労働者の希望とは異なる派遣先を紹介して、労働者がそれを断ると合意退職へと誘導されるケースもあります。特に、女性、学生、外国人労働者が、極めて厳しい状況におかれ、自己責任や自助が求められる結果として、相談にもたどり着かないケースもあり、女性の貧困、女性の自殺の増加の原因として指摘されてもいます。

私が関わっている労働相談を行っている松本のユニオンサポートセンターでの事例を紹介します。

・3歳と8歳の子どもを持つシングルマザーの方。子育ての為フルタイムで働けず、週20時間の勤務をしていたが、雇止めになった。

・観光業で働いていたが、新型コロナの影響で正社員からアルバイトへ身分変更をされた。

・病院の食堂で働いていたが、新型コロナで会社は休業したが、パート労働者には休業補償が支払われなかった。

現在、労働相談に来ている例をあげれば枚挙にいとまがありません。多くの労働者は「新型コロナで仕方がない」とあきらめている現状があります。しかし、パートタイム・有期雇用労働法や労働契約法で、労働条件の明示、均等待遇を求めているのであり、非正規雇用労働者に休業補償を払わないことは違法となります。

 長野労働局は毎月「新型コロナウイルス感染症の影響等に係る対応について」を発表しています。8月31日発表では、相談件数は25,130件、解雇・雇止めは昨年4月以降の累計で176事業所2287人です。ただ、これはハローワークに設置されている「特別相談窓口」に情報があった事案などに限られています。

一方総務省の労働力調査によれば、全国の非正規の職員・従業員数は、直近の2021年7月で2062万人、2年前の2019年7月は2174万人で112万人減っています。都道府県別の数字は発表されていませんが、長野県内に置いても相当の非正規雇用労働者が減少していると推測できます。そこで、産業労働部長にお伺いします。

 

(1)労政事務所での相談状況につて

【中川】コロナ禍における労政事務所などでの相談内容と対応はどうなっているのでしょうか。

【産業労働部長】コロナ禍における労政事務所等での相談状況についてでございます。

労政事務所における本年4月から8月末までの相談状況につきましては、新型コロナウイルス感染症関連の相談が132件となっており、前年同期の415件と比べますと3割程度に減少しております。

これは、昨年度の第1波、第2波の状況とは異なり、雇用情勢に改善の傾向が見られることなども背景にあるものと受け止めております。

相談内容といたしましては、休業手当や失業給付、自宅待機期間中の賃金など収入に関する相談のほか、ワクチン接種に関するもの、勤務日数や休暇などの労働条件に関するものなどが多く寄せられております。

また、ジョブカフェ信州や「Jobサポ」においても、コロナにより離職を余儀なくされた方などからの相談に応じております。

これらの機関では、希望する職種や条件に合う求人が見つからないといった相談が多いことから、求職と求人のミスマッチ解消のため、アドバイザーによる丁寧な支援に努めているところでございます。

 

(2)労働契約法やパートタイム・有期雇用労働法の周知を

【中川】非正規雇用労働者や企業に対して、労働契約法やパートタイム・有期雇用労働法等について、一層の周知を行うべきではないでしょうか。

【産業労働部長】労働契約法等の周知についてでございます。

労働力調査によれば、令和2年度の全国の非正規労働者数は、前年度に比べ約100万人減少しております。

特に、宿泊業・飲食サービス業や卸売業・小売業で減少が目立っていることから、これらの業種では、非正規労働者を中心に解雇・雇止めが行われたことが推測され、本県においても、同様の状況が生じているものと受け止めております。

こうした中、不合理な待遇差の解消など雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保を目的としたパートタイム・有期雇用労働法や労働契約法の改正が行われ、中小企業については、本年4月1日から適用となっております。

県といたしましては、長野労働局や経済団体、労働団体とも連携して法令の周知に努めております。また、「労働フォーラム」や「労務管理改善リーダー研修会」、「新社会人ワーキングセミナー」に加え、本年度からは、就業前の若い時期から労働法制に関する知識を身に着けてもらえるよう新たに「高校生向けキャリア教育講座」も開催しております。

今後とも、法令の趣旨の一層の浸透を図るべく、関係機関等と緊密に連携しながら取り組んでまいります。

 

(3)県の支援先における雇用対策について

【中川】続いて、知事にお伺いします。コロナに限らず県は様々な企業・産業支援を行っているわけですが、そこで働く県民が不幸な状態であってはならないし、支援をしているにも関わらず違法な雇止めや不利益な扱いがあってはならないと考えます。県の支援先の【知事】企業・産業で違法な雇止めや不利益な扱いが起こらないよう、県として対策を行うべきではないでしょうか。

労働者保護に関連して、県の支援先の企業・産業で違法な雇止め、不利益な取扱いが起こらないよう、対策を講じるべきではないかというご質問でございます。

県としては、この間、様々な要請等、あるいは様々な支援を企業の皆さんに行っているところであります。そうした中で、例えば、時短要請等を行う際には、雇用調整助成金等をご活用いただいて、雇用の維持に努めていただくよう、あわせてお願いをしてきているところでございます。

もとより、公的な支援を受ける企業、あるいは事業主のみならず、ご質問にありましたような従業員に対する違法な解雇や雇止め、不利益取扱いというものは、あってはならないものというふうに考えております。

県としては、労政事務所に専任の労働相談員を配置をして、労働者の方々、働く方々からのご相談に応じています。特に、違法・不当な解雇等の深刻な相談につきましては、特別労働相談員、弁護士の方、あるいは社会保険労務士等の方が相談に応じていただき、事業主側に問題があるというふうに思われる事案については、指導権限を有する労働基準監督署につなぐなど、連携して対応を行っているところでございます。

今後とも、関係行政機関、経済団体、労働団体等とも連携して対処していきたいと考えております。

【中川】また、少なくとも県が支援している事業のもとで違法な雇止めなどが無いような対策を重ねて要望をいたします。

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