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Type-Sか非Type-Sか? HHKBの選び方

2022-09-18 15:47:51 | コンピュータ/スマートフォン/周辺機器
iOS16の画像を切り抜く機能はすごいですね...

HHKBを買う前の自分にアドバイスするなら?

初めてHHKBを手にしてから3年半あまり経ちました。より正確には有線モデル・非Type-SのHHKB Professional2(以下、Professional2)とともに3年7か月、Bluetooth接続可能なHHKB Professional HYBRID Type-S(以下、HYBRID Type-S)とともに1年3か月を過ごしています。ふと、HHKBをまったく使ったことのなかった過去の自分に、3年以上HHKBを使い続けてきた今の自分がアドバイスするなら何を伝えるかを考えてみたくなりました。

Type-Sは最上位モデルなのか?

Webサイトの商品説明や紹介記事などを読んでいると、HYBRID Type-Sが最上位モデルというような書き方がされているので、「HHKBの購入検討 = HHKB Professional HYBRID Type-Sの検討」になっているケースが多いのではないでしょうか。実際、以前の私もType-Sを冠するモデルが最上位モデルだと考えていて、Professional2を検討したときにもすでに静音化された上位機種としてHHKB Professional2 Type-Sがありましたが、初回だし下位モデルで自分に合うか試してみようといった感じの発想でした。しかし、実際に非Type-SとType-Sの2種類のHHKBを毎日使ってみると、購入前とは異なる印象を持つことも事実です。HYBRID Type-Sを買うことにした当初は、「最上位機種のHYBRID Type-Sを買ったら、もう(非Type-Sの)Professional2は今後ほとんど使わなくなるのかも」と思ったりもしたのですが、完全に杞憂でした。ここ3年半を振り返ってみるとHYBRID Type-Sをしばらく使っていると打鍵感が物足りなくなってProfessional2に戻り、またしばらくProfessional2を使っていると指が疲れてきてHYBRID Type-Sに戻ることを繰り返しています。

打鍵感の違い

ある程度の期間HHKBを利用したユーザの立場からすると、Type-Sと非Type-Sの違いは製品としての上位・下位ではなく、単に打鍵感が異なるだけだというのが実感です。例えばメカニカルキーボードで、クリック感の強い青軸があったり、静音性に優れたピンク軸など様々な軸の種類がありますが、青軸の上位機種がピンク軸という訳ではなく、単に好みの問題であるのと同じ感覚です。HYBRID Type-SとProfessional2の2機種を併用している者からすれば、Type-Sも非Type-Sもそれぞれ捨てがたい打鍵感の魅力を感じます。

ふわふわな感触と静音性が魅力のType-S

Type-Sの魅力はそのふわふわとした感触、モコモコとした打鍵感でしょう。ほとんど指に力を入れることなく、流れるように文字を入力していくことができます。HHKBの打鍵感を「スコスコ」と表現される方がいらっしゃいますが、恐らくType-Sの感触のことを表していると思います。セブンイレブンにあるATMのキーボードを、若干反発力を強めたような感触で、勢い良くタイプしていても周りに迷惑を掛けることはありません。

「打っている」感が気持ち良い非Type-S

一方で、非Type-Sは何と言ってもキーを押下したときの手応えが、まさにキーボードをタイプしている感じがしてとても気持ち良いです。Type-Sに比べるとカチャカチャとした音がタイプ時に漏れますが、在宅勤務で仕事をしているときなどは、力強くキーを押し込みこの音を盛大に鳴らして打鍵感を味わいたくなります。メカニカルキーボードの青軸とは異なる感触ですが、非Type-Sのモデルを使いたくなる理由は青軸のキーボードと同じところにあるような気がします。

正直、どちらを買っても正解ですし、可能であればType-Sと非Type-Sの両方を買った方が楽しめると思います。

接続するパソコンの数と持ち運び有無で選ぶ

打鍵感の観点ではType-Sモデル、非Type-Sモデルのどちらでも正解だとすると、何にこだわるべきでしょうか。私見では何台のパソコンと接続するかと、持ち運びの有無で選ぶべきだと思います。

結線する必要がないのはとても快適

Type-Sか否かとは無関係にHHKB Professional HYBRIDは4台のパソコンとのBluetooth接続に加えて、さらに1台のパソコンと有線接続することができます。特にBluetooth接続した4台をキーボードショートカットで簡単に切り替えられる手軽さを一度経験すると、これ以外の切替方法には二度と戻れないでしょう。例えばオフィスと自宅で同じHHKBを持ち運んで使いたいとか、出張に行くときもノートパソコンと一緒にHHKBを持ち出したいというようなニーズには、もはやBluetooth接続以外は考えられません。場所を変えてもキーボードさえ取り出せばすぐにタイプし始められるのは快適ですし、移動中の新幹線の中で座席に据え付けられたテーブルにパソコンを載せ、HHKBだけ膝の上に置いて作業するのも想像以上に快適です。これらは無線ならではのメリットですね。

人が集まる場所で利用するならType-Sを選択

非Type-Sは打鍵感は最高ですが、人が集まる場所で利用する場合は注意が必要です。吸振マットを底面に貼り付けてもそれなりに打鍵音が鳴るため、静かなオフィスなどでは周囲の人が不快に感じるケースもあるかも知れません。またWeb会議中に他の作業をしたりしたら、タイピング音で会議に参加していないのがバレてしまう懸念もありますよ。ご自身がふだんタイピングするTPOをイメージしながらType-Sにすべきかどうか判断する必要がありますね。(悩ましいのであれば、持ち運ぶ前提なら無条件でType-Sにしてしまった方が良いです)

利用環境がWindowsかmacOSかは気にしなくて大丈夫

少し脱線しますが、旧機種であるProfessional2ではWindowsモードとmacOSモードの切替はDIPスイッチでしかできませんでした。しかし、現行機種は有線接続のHHKB ClassicからHYBRID Type-Sまで、キーボードショートカットで両モードを簡単に行き来できます。この機能はBluetooth接続した4台のパソコンの切り替え機能と同じレベルで大変便利です。現行機種からHHKBを選ぶのであれば、WindowsとmacOSを併用するかどうかは気にしなくても大丈夫です。

Altキーと◇キーの入れ替えをキーボードショートカットだけでできないのが残念

これだけ便利なHYBRIDモデルにも1点だけ残念なことがあります。僕は先日の記事にも書いたように⌘英かなalt-ime-ahk.exeを使って、macOSでは左右の⌘キーで、WindowsではAltキーでmacOSライクなかな漢字変換モード切替が出来るようにしています。左のキーを押すだけで半角英数字が入力でき、右のキーを押せば全角文字が入力できるのは本当に便利です。

ただし、HHKBの場合、macOSの⌘キーは◇キーに割り当てられており、Altキーとは別のキーになっています。スペースキーの左右にある◇キーに、macOS利用時は⌘キーを、Windows利用時はAltキーを割り当てられれば最高なのですが、後者についてはDIPスイッチを切り替えないと入れ替えることがでません。これがWindowsモードとmacOSモードの入れ替えと併せてキーボードショートカットでできれば、非の打ち所もないのですが...もしこの機能が搭載されたHHKBの新モデルが発売されたら、Type-Sと非Type-Sの無線モデルを躊躇なくもう2台買いますよ。

長くなりましたが上記が貴方のHappy Hacking Lifeの参考になれば幸いです。


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