木めぐり像めぐり

気に入った木、気になる像などを紹介していこうと思います。

岡倉天心像

2012-01-23 10:47:51 | 

 前回のバルザック像と共に、芸大美術館に行った時に見つけた像です。照葉樹に囲まれた東屋の様な下に鎮座していました。とても薄暗く、すぐ手ブレするので、撮るのに苦労しました。ほとんど満足できるものではありません。
 岡倉天心はこの芸大の前身である東京美術学校の設立に大きく貢献し、横山大観や菱田春草の教育に大きな影響を与え、洋画に負けない日本画の将来をよく考えていたようです。この像は、青銅時代で解説したときのエピソードに出てきた平櫛田中の作品です。上野谷中にも、日本美術院創設の地の公園の中にある六角堂を模した建物の中に金箔で覆われたこの像が飾られています。彼は岡倉天心を尊崇し、毎朝この像を拝んでいたそうです。この服装は、天心が意匠した奈良時代の官服を模した、東京美術学校の制服姿です。宮廷画工を描いた韓国ドラマ「風の絵師」というのがあります。その制服がこの像の服装とそっくりです。
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ロダンのバルザック像

2012-01-13 21:28:19 | 
東京藝術大学美術館へ行った時、芸大の中庭にロダンのバルザック像を見つけました。写真でこの像を見て知っていましたが、ロダンの作品でも異色の作品のように思えます。どう見ても顔が、映画「スターウォーズ」に出てくるような異星人にみえて、人間離れしています。この作品が発表されたとき、「牛肉の塊」「失敗作」と批評家に酷評されたそうです。そういう問題作を自分なりに鑑賞するのは楽しいものです。前回の「青銅時代」とくらべて、同じ作家の作品とは思えません。額が白いのは、鳥の糞の跡です。
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ロダンの青銅時代

2012-01-08 18:19:36 | 

 上野駅から国立博物館の横を通り、東京芸術大学美術館へ行く途中に東京芸術大附図書館の入り口があり、その中庭にこのロダンの青銅時代の彫刻がありました。この像は「実際の人間から型を取ったのではないか」と疑われた、ロダンが彫刻家として認められるようになった作品である。実際に目の前で見てみると、本物の裸の男が立っているような感じを与える。この作品について東京藝術大学の設立に貢献した岡倉天心が面白いことを語っている。1907年、若手彫刻家たちが岡倉天心に会見し「彫刻があまりにも売れません。何とか需要の途がつかないものでしょうか」とたずねると「諸君は売れるものをお作りになる、だから売れません。売れないものをお作りなさい、必ず売れます」と助言した。その言葉を聴いた平櫛田中(近代日本の彫刻家の中で最高の彫刻家だと私は思っています)は、弓をひきしぼる座した僧の彫刻「活人箭」を制作し、天心の批評を受ける。「あの弓と箭いりません。あんなものを附けてもじき失ってしまいます。只これだけでよろしい」と袖をまくり、左手を突出し、射る姿をされ「すーつ」と言って上半身と共に両手を左方に、矢が風を切って飛ぶ姿を示され「これでよろしい。私はフランスでロダンに会いました。偉いじいさんです。ロダンはこれをやって居ります。あんな姿では死んだ豚でも射れやしない」と語った。
 この青銅時代は作った当初、槍を持っていたそうです。
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