シンガー『ナターシャ』のブログ

関西・東京・名古屋・広島、そして台湾もグローバルに歌うシンガーソングライター、jazzシンガーナターシャのブログです

ふれあい

2009-02-04 | カラダとこころ
この間、友達にブラジルのサンバ・ジ・ガフィエラの踊りを習わないかと誘われ、私がよくわからないと言うと、山のようなブラジルのCDを貸してくれました。

CDを眺めていたら私の最初のブラジル人の友達リアのことを思い出しました。

私はアメリカで最初1年をフィラデルフィアで過ごし、その後モントレーというカリフォルニアの静かな素敵な街に引っ越しし、そこで大学院に行きました。

学校が始まっても、ほんと最初は何がなんやらわからない状態・・フィラデルフィアに居るときは楽しいホストファミリーと暮らし英語の学校に行く毎日で籠の中に居た状態だったけれど、モントレーに来たら家さがしから何から何まで一人でしなければなりません。知って居る人もいないし。

その学科の同期の中にブラジル人リアがいました。彼女はアメリカ人と結婚して10年ほどアメリカに暮らしていたから英語はアメリカ人並みだったけれど、でも何かほかの人と違う雰囲気を持っていました。

籠の中から出され、毎日莫大な量の課題にびびり、クラス自体がなんのこっちゃら?でパニックになりながら必死だった余裕のない私に、いつも優しい言葉をかけてくれたり気をかけてくれていました。私も今ほど自分のことをうまく説明できず(英語の面でも人間的な面でも)ぺちゃくちゃおしゃべりできたわけではないけれど、彼女と居るとどこかほっとしました。

そんな彼女が言ったことで今でも覚えていることがあります。

「ブラジルでは皆がハグをしたりキスをいっぱいするのに、アメリカ人は全然しないからすごく冷たく感じるしすごく寂しく感じる。」

私はほんとにびっくりしました。日本から来た私にとってアメリカ人のハグ攻撃は「すごいなあ」と感じていたのに、これでさみしいと思う人、文化があるなんて・・と。

でもアメリカ式のハグに慣れてしまうと、日本に帰ってとってもさみしい思いをしました。リアの言うのはこんな感じなんだろうなって。今では仲良しの友達とは日本人同士だけど街中であろうが、どこで会ってもハグをするから心地いい。でも、慣れていない人は警戒したりびっくりするからこらえていますけどね。このこらえるのってあまり体によくないなとは感じるけど。

日本でこれだけマッサージ屋さんが流行るのは、日本人だってスキンシップを求めているからじゃないかなって思う。日本でなぜハグをしない文化になったかというと、一説では昔は狭い家にたくさんの家族が住んでいていつでも触れ合っていたから、わざわざハグなんてしないでも満たされていたからだとか。でも、現在は核家族が主流になり一人暮らしも多いし、そうなると人との本当の触れ合いがほとんどない。

反対に知らない人と触れ合うことはあまり気にしないみたい・・日本だけでなくアジア圏での文化だろうけど。満員電車やバーゲンなどの込み具合とかを見るとね。
西洋人は自分の領地が自分の体から1メートル以上あるって言うけど、私もそれは一緒。だから、知らない人同士が触れ合う空間や町にはできるだけ行きたくない。機嫌の悪いときは気が狂いそうになる。

以前、カナダ人の風水の先生が日本人のオーラが小さいって言ってたけど、満員電車に乗れるのもそのおかげでしょ。オーラが大きかったらぶつかって絶対無理だもん。

ま、文化いろいろですがハグすることがもっと日本にも広まったらいいなあと私は思っています。