むさしの連歌会

雅な和歌の言葉で連歌を楽しむ会、一度、のぞいてみませんか?

賦夕何連歌(巻95、令和5年8月30日満尾)

2023年08月30日 | 作品集

初折表    
発句 ささがにの糸ふく風や秋のこゑ 初瀬  
残る暑さか武蔵野の庭 純一  
第三 ほの白き菊のまがきに月出でて 路光  
第四 遠の山辺に雲のひとひら  
第五 関をこえ海のけしきにいこはばや 直人  
第六 浪間ただよふ鳥ぞ恋しき  
第七 いつしかに道なきまでも雪降りて 純一  
第八 袖も裳裾もひぢてかわかず 初瀬  
初折裏    
第一 狩衣を商ふ街にまたや来む  
第二 市のちまたをよぎる小車 路光  
第三 残る香にしのぶ思ひのなほまして 初瀬  
第四 花橘に乱すこころね 直人  
第五 徒人をとりて糾せと時鳥 路光  
第六 五つの障りすくひたまへや 純一  
第七 彼の岸へ誓ひの舟をたのむべし 直人  
第八 深山の峡に響く櫂の音  
第九 浪荒し川の渡しもおぼつかな 純一  
第十 光もこほる冬の月影 初瀬  
第十一 千木高くねむるがごとき広前に 直人  
第十二 見よや吉野の神のみやしろ 路光  
第十三 世々の末かくこそあれと花散りぬ 純一  
第十四 盃巡る永き日の苑  
名残折表    
第一 うぐひすもゑひて歌へる八重霞 初瀬  
第二 山里なべてのどかなりけり 梅豊  
第三 一人こす峰の風をば友として  
第四 鄙の別れもたのしからずや 和雄  
第五 淀川や下る小舟の早き瀬に 行助  
第六 流れの君のさそふ湊江 南天  
第七 うたかたのかつ消えむすぶ恋ぞかし ヒサヨ  
第八 心がはりに袖や霑るる  路光 しほるる
第九 黒髪の千々に乱れてもの思ひ  
第十 野分ふくともたへよなでしこ 直人  
第十一 もみぢ葉の錦織りなす法の道  
第十二 秋の夕べに鐘ひびくらむ  
第十三 すむ影を待つばかりなる月の空 梅豊  
第十四 心にかかる雲のむらむら 初瀬  
名残折裏    
第一 岩がねの清水の色は涼しきに 純一  
第二 なほ尋ねみむ千代の若竹 深峰  
第三 ひと節の笛も聞こゆる中宿り 和雄  
第四 いつなれきたる旅のころもぞ ヒサヨ  
第五 消えがての残んの雪を踏むまゝに 南天  
第六 春来にけらし霞立つらむ  
第七 紛ひては色色にほふ花の影 路光  
挙句 つがひの蝶の舞ひ上がる野辺  


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