無法者頭と特別な乗騎

バイクとTRPGの記録

狂える魔術師の迷宮 -26(ネタばれ注意)

2023年11月25日 | 狂える魔導士の迷宮
第15次 1日目

神託の祭壇でまぐみんは啓示を得た。
「みなさん、やはりカエルは滅ぼさねばなりません。神がそう言っています」
私はまぐみんの目を見つめた。彼女は逸らさない。
「なるほど、まぐみんの願望ではなく、神託のなのだな」
「当然です」
「ならば成そう。まぐみんの神のために」

私は皆の先頭に立ち、プリーワグの土地を突き進む。

わらわらと多数のプリーワグが水中から姿を現す。だが所詮カエル。私の敵ではない。雑魚は無視してカエルの首領を目指す。背後からは呪文の詠唱と共に、立て続けに爆裂音が響く。
「黒より黒く闇より暗き漆黒に我が深紅の混淆を望みたもう。覚醒のとき来たれり。無謬の境界に落ちし理。無行の歪みとなりて現出せよ!」


「プリーワグの王よ、眷属を率いてここを退去するなら良し、さもなくばわが剣の露となるべし!」
「この俺に一騎打ちを望むか、良かろう。沼の王の偉大さを教えてやろう。ファイヤーボール!」
「何っ! 流石プリーワグの王、魔法を使うとは。では私も出し惜しみはすまい。キュウキ奴を呪え!ホアよ復讐の聖怒の炎をわが武器に与えたまえ!」
ヴォルクマールの神聖なる一撃とプリーワグの王の魔法が交互にダメージを与える。一撃ごとに相手の体力を削り、勝負は拮抗している。
仲間たちはパラディンの一騎打ちに手出しすることはできず、見守るしかない。
「いくら王様だと言っても、プリーワグが魔法を使うかしら?」ロサはプリーワグの王をじっと観察する。
お互い次の一撃で倒れるところまできた。ヴォルクマールは次の一撃をまともに食らったら負けるのは自分だということを自覚していた。しかしそれも運命。因果は巡り、自分が倒して敵の数だけここで終わる可能性が高まる。いずれにせよ最後は誰かの手で倒されるのだ。
一方、プリーワグの王も次の一撃で自分が倒れるだろうと考えていた。カエルとして死ぬわけにはいかない、私は…。
「出でよヒュドラ、こ奴らを食い殺せ!」

「これはダンナの粘り勝ちだな。一騎打ちは終了、これからは団体戦ということで良いだよな、ヴォルクマール」メネルが嬉しそうに武器を構える。
「プリーワグの王よ、残念だ。お前が勝つ可能性は高かった。しかし、こうなれば私が倒れても、私が負けることはない」

プリーワグの王が倒れると、急速に姿を変えた。
「やはり、プリーワグではなかったのね。貴方はデス・スラード」
「そうだ俺はデス・スラード。狂人ハラスターの犠牲者だ。ここでの俺の生は終わる。ホアの闘士よ、俺をこんな場所に束縛したハラスターに鉄槌を」
「ホアの使徒、ヴォルクマール・フォン・ヒンデンシュテルン。お前の復讐叶えよう」
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