(PC Lv30 オンセ)
長い戦いの日々は過ぎ去った。英雄達は神性を獲得し、それぞれの究極の目標に向けて最後の一歩を踏み出す準備を始めていた。ダークソードを手にしたマッシュはエベロンの王となり、生者と死者の魂の行く末に思いを巡らす。スィーリアは異形を求めて次元界を縦横無尽に駆け巡っている。ミエリットも体内を巡るエネルギーに突き動かされるままに、突然姿を消しては、ある日いつものソファーで自堕落に過ごす姿を見せたりといったところだ。
チューリングはエベロンの機能の研究を続けている。
「マッシュ、オベリスクのパワー吸収能力は停止しているのだな?エベロンを研究していて気づいたんだが、あの内部空間が保有しているエネルギー量は理論的な推定値の約2倍なのだ。しかも異形のパワーを排出していること、ドラゴンマークを通じて消費されていることを考えると、総量は漸減しているはずなのに、むしろ微増している。」
「そもそもエベロンとは何なのか。それはアサーラックが作ったとされるアーティファクトであり、シールドランドが体現する世界でもある。エベロンは一つの世界を現すものであり、そこには神話がある。ソブリンホストや暗黒六帝と呼ばれる神々はエベロンによって作られたものであることを知っている。またエベロンの創造神話ではその名もエベロンという原初ドラゴンがおり、他にもシベイとカイバーと呼ばれる原初ドラゴンがいるとされている。ぞっとする話だが、ここにエベロンがあるなら、シベイとカイバーがあってもおかしくない。」
「スィーリアとミエリットを呼んでおいたほうが良い。胸騒ぎ・・・、いや違う。私の計算と観察結果に有意な差が生じているということは、私が知り得ぬ何かが存在するということであり、そのダークマターは常に私の脅威となる。」
「で、いつ何が起きるの?」
暇を持て余したミエリットがお気に入りのソファーにだらしなく寝そべりながら言った。
「私の計算に間違いはない、もう間もなくだ。よし、窓の外を見てみろ。」
渦巻く黒雲が空を覆いつくし、その中心では巨大な竜巻が生物のようにうねっている。それは周囲のすべてのものを巻き込み急速に拡大している。無数の稲妻が竜巻の姿を浮かび上がらせる。そのシルエットは正にドラゴンのようだ。マッシュがつぶやく。
「ついに現れたな。あれはシベイなのか、カイバーなのか。どちらにせよ倒さねばならんだろう」
何かを感じ取ったスィーリアが言う。
「異形の力を感じる。すると奴はカイバーということになるのかしら?」
「実のところ名前は関係無いのだ。異形の力を宿した、巨大なドラゴンが出現したというのが本質だ。それを観察者が名付けることで認識される。スィーリアがカイバーと呼んだことで奴はそれと定められた。それにより奴の得意とすることと弱点が決定される。そしてこの世に私の知り得ぬことはない。」
【遭遇1】カイバー【遭遇Lv32】
Lv32 単独・制御役 カイバー(アイミックスベースのオリジナル) x1
「やはりな。神たるカイバーを倒すには神話に倣う必要がある」
「つまり?」、チューリングの言に対しスィーリアが問いかける?
「つまりエベロンかシベイでなければ、カイバーを倒すことは出来ないということだ」
「どうすればよいのだ?」、マッシュが尋ねる。
「ここに巨大なエネルギーはある。それにエベロンたる意志を宿せば良いのだ」
「つまり?」
「我らのうち誰かがエベロンになるということだ」
「それは僕の役目だね。エベロンって嵐のドラゴンでしょ?」、ミエリットが快活に言う。
「・・・そうだ。マッシュ、ミエリットにパワーを流し込むのだ」
チューリングはミエリットに向き合う。
「ミエリット。エベロンのパワーの源は信仰心だ。お前にその力が流れ込むとき、無数の人々の思いに晒されるだろう。しかしお前ならば、それも雷鳴の一部として無頓着に受け流すことができるだろう。お前は電撃と雷鳴の化身、そこに意識を集中してさえいれば立派なドラゴンになるだろう」
そのドラゴンはプラチナの鱗に覆われ稲妻を自在に操る。カイバーとエベロンの元のパワーはほぼ互角。しかしミエリット=エベロンは更に強力だ。カイバーは粉砕され消滅した。
ミエリット=エベロンは役目を終え何処へか飛び去った。アサーラックの野望とフォーセイクンの希望は新たな神を生み出した。そしてアサーラックは滅び去り、フォーセイクンは新たな神を得た。
「マッシュ、これからどうするのだ?」チューリングが尋ねた。
「そうだな。レイブンクィーンとは若干意見の相違があるので、まずそれを正そうと思う」
「それはなかなか大仕事だな」
「あなたはどうするの?」スィーリアが聞く。
「禁断の知識とやらに関わって、私と敵対することにならないでね」
傷ついた表情を浮かべチューリングが言う。
「まだ分かっていないな。私に”禁断の”知識などと言うものはない。全てはただの知識であり、私の本質だ」
「ともあれ、我々もここでお別れだ。再びまみえることもあるかもしれないが、それまではさらばだ」
「む、では」
「さようなら」
長い戦いの日々は過ぎ去った。英雄達は神性を獲得し、それぞれの究極の目標に向けて最後の一歩を踏み出す準備を始めていた。ダークソードを手にしたマッシュはエベロンの王となり、生者と死者の魂の行く末に思いを巡らす。スィーリアは異形を求めて次元界を縦横無尽に駆け巡っている。ミエリットも体内を巡るエネルギーに突き動かされるままに、突然姿を消しては、ある日いつものソファーで自堕落に過ごす姿を見せたりといったところだ。
チューリングはエベロンの機能の研究を続けている。
「マッシュ、オベリスクのパワー吸収能力は停止しているのだな?エベロンを研究していて気づいたんだが、あの内部空間が保有しているエネルギー量は理論的な推定値の約2倍なのだ。しかも異形のパワーを排出していること、ドラゴンマークを通じて消費されていることを考えると、総量は漸減しているはずなのに、むしろ微増している。」
「そもそもエベロンとは何なのか。それはアサーラックが作ったとされるアーティファクトであり、シールドランドが体現する世界でもある。エベロンは一つの世界を現すものであり、そこには神話がある。ソブリンホストや暗黒六帝と呼ばれる神々はエベロンによって作られたものであることを知っている。またエベロンの創造神話ではその名もエベロンという原初ドラゴンがおり、他にもシベイとカイバーと呼ばれる原初ドラゴンがいるとされている。ぞっとする話だが、ここにエベロンがあるなら、シベイとカイバーがあってもおかしくない。」
「スィーリアとミエリットを呼んでおいたほうが良い。胸騒ぎ・・・、いや違う。私の計算と観察結果に有意な差が生じているということは、私が知り得ぬ何かが存在するということであり、そのダークマターは常に私の脅威となる。」
「で、いつ何が起きるの?」
暇を持て余したミエリットがお気に入りのソファーにだらしなく寝そべりながら言った。
「私の計算に間違いはない、もう間もなくだ。よし、窓の外を見てみろ。」
渦巻く黒雲が空を覆いつくし、その中心では巨大な竜巻が生物のようにうねっている。それは周囲のすべてのものを巻き込み急速に拡大している。無数の稲妻が竜巻の姿を浮かび上がらせる。そのシルエットは正にドラゴンのようだ。マッシュがつぶやく。
「ついに現れたな。あれはシベイなのか、カイバーなのか。どちらにせよ倒さねばならんだろう」
何かを感じ取ったスィーリアが言う。
「異形の力を感じる。すると奴はカイバーということになるのかしら?」
「実のところ名前は関係無いのだ。異形の力を宿した、巨大なドラゴンが出現したというのが本質だ。それを観察者が名付けることで認識される。スィーリアがカイバーと呼んだことで奴はそれと定められた。それにより奴の得意とすることと弱点が決定される。そしてこの世に私の知り得ぬことはない。」
【遭遇1】カイバー【遭遇Lv32】
Lv32 単独・制御役 カイバー(アイミックスベースのオリジナル) x1
「やはりな。神たるカイバーを倒すには神話に倣う必要がある」
「つまり?」、チューリングの言に対しスィーリアが問いかける?
「つまりエベロンかシベイでなければ、カイバーを倒すことは出来ないということだ」
「どうすればよいのだ?」、マッシュが尋ねる。
「ここに巨大なエネルギーはある。それにエベロンたる意志を宿せば良いのだ」
「つまり?」
「我らのうち誰かがエベロンになるということだ」
「それは僕の役目だね。エベロンって嵐のドラゴンでしょ?」、ミエリットが快活に言う。
「・・・そうだ。マッシュ、ミエリットにパワーを流し込むのだ」
チューリングはミエリットに向き合う。
「ミエリット。エベロンのパワーの源は信仰心だ。お前にその力が流れ込むとき、無数の人々の思いに晒されるだろう。しかしお前ならば、それも雷鳴の一部として無頓着に受け流すことができるだろう。お前は電撃と雷鳴の化身、そこに意識を集中してさえいれば立派なドラゴンになるだろう」
そのドラゴンはプラチナの鱗に覆われ稲妻を自在に操る。カイバーとエベロンの元のパワーはほぼ互角。しかしミエリット=エベロンは更に強力だ。カイバーは粉砕され消滅した。
ミエリット=エベロンは役目を終え何処へか飛び去った。アサーラックの野望とフォーセイクンの希望は新たな神を生み出した。そしてアサーラックは滅び去り、フォーセイクンは新たな神を得た。
「マッシュ、これからどうするのだ?」チューリングが尋ねた。
「そうだな。レイブンクィーンとは若干意見の相違があるので、まずそれを正そうと思う」
「それはなかなか大仕事だな」
「あなたはどうするの?」スィーリアが聞く。
「禁断の知識とやらに関わって、私と敵対することにならないでね」
傷ついた表情を浮かべチューリングが言う。
「まだ分かっていないな。私に”禁断の”知識などと言うものはない。全てはただの知識であり、私の本質だ」
「ともあれ、我々もここでお別れだ。再びまみえることもあるかもしれないが、それまではさらばだ」
「む、では」
「さようなら」