無法者頭と特別な乗騎

バイクとTRPGの記録

恐怖の墓所 -70

2018年11月18日 | 恐怖の墓所
(PC Lv30 オンセ)

長い戦いの日々は過ぎ去った。英雄達は神性を獲得し、それぞれの究極の目標に向けて最後の一歩を踏み出す準備を始めていた。ダークソードを手にしたマッシュはエベロンの王となり、生者と死者の魂の行く末に思いを巡らす。スィーリアは異形を求めて次元界を縦横無尽に駆け巡っている。ミエリットも体内を巡るエネルギーに突き動かされるままに、突然姿を消しては、ある日いつものソファーで自堕落に過ごす姿を見せたりといったところだ。
チューリングはエベロンの機能の研究を続けている。
「マッシュ、オベリスクのパワー吸収能力は停止しているのだな?エベロンを研究していて気づいたんだが、あの内部空間が保有しているエネルギー量は理論的な推定値の約2倍なのだ。しかも異形のパワーを排出していること、ドラゴンマークを通じて消費されていることを考えると、総量は漸減しているはずなのに、むしろ微増している。」
「そもそもエベロンとは何なのか。それはアサーラックが作ったとされるアーティファクトであり、シールドランドが体現する世界でもある。エベロンは一つの世界を現すものであり、そこには神話がある。ソブリンホストや暗黒六帝と呼ばれる神々はエベロンによって作られたものであることを知っている。またエベロンの創造神話ではその名もエベロンという原初ドラゴンがおり、他にもシベイとカイバーと呼ばれる原初ドラゴンがいるとされている。ぞっとする話だが、ここにエベロンがあるなら、シベイとカイバーがあってもおかしくない。」
「スィーリアとミエリットを呼んでおいたほうが良い。胸騒ぎ・・・、いや違う。私の計算と観察結果に有意な差が生じているということは、私が知り得ぬ何かが存在するということであり、そのダークマターは常に私の脅威となる。」

「で、いつ何が起きるの?」
暇を持て余したミエリットがお気に入りのソファーにだらしなく寝そべりながら言った。
「私の計算に間違いはない、もう間もなくだ。よし、窓の外を見てみろ。」



渦巻く黒雲が空を覆いつくし、その中心では巨大な竜巻が生物のようにうねっている。それは周囲のすべてのものを巻き込み急速に拡大している。無数の稲妻が竜巻の姿を浮かび上がらせる。そのシルエットは正にドラゴンのようだ。マッシュがつぶやく。
「ついに現れたな。あれはシベイなのか、カイバーなのか。どちらにせよ倒さねばならんだろう」
何かを感じ取ったスィーリアが言う。
「異形の力を感じる。すると奴はカイバーということになるのかしら?」
「実のところ名前は関係無いのだ。異形の力を宿した、巨大なドラゴンが出現したというのが本質だ。それを観察者が名付けることで認識される。スィーリアがカイバーと呼んだことで奴はそれと定められた。それにより奴の得意とすることと弱点が決定される。そしてこの世に私の知り得ぬことはない。」

【遭遇1】カイバー【遭遇Lv32】

Lv32 単独・制御役 カイバー(アイミックスベースのオリジナル) x1



「やはりな。神たるカイバーを倒すには神話に倣う必要がある」
「つまり?」、チューリングの言に対しスィーリアが問いかける?
「つまりエベロンかシベイでなければ、カイバーを倒すことは出来ないということだ」
「どうすればよいのだ?」、マッシュが尋ねる。
「ここに巨大なエネルギーはある。それにエベロンたる意志を宿せば良いのだ」
「つまり?」
「我らのうち誰かがエベロンになるということだ」

「それは僕の役目だね。エベロンって嵐のドラゴンでしょ?」、ミエリットが快活に言う。
「・・・そうだ。マッシュ、ミエリットにパワーを流し込むのだ」
チューリングはミエリットに向き合う。
「ミエリット。エベロンのパワーの源は信仰心だ。お前にその力が流れ込むとき、無数の人々の思いに晒されるだろう。しかしお前ならば、それも雷鳴の一部として無頓着に受け流すことができるだろう。お前は電撃と雷鳴の化身、そこに意識を集中してさえいれば立派なドラゴンになるだろう」



そのドラゴンはプラチナの鱗に覆われ稲妻を自在に操る。カイバーとエベロンの元のパワーはほぼ互角。しかしミエリット=エベロンは更に強力だ。カイバーは粉砕され消滅した。

ミエリット=エベロンは役目を終え何処へか飛び去った。アサーラックの野望とフォーセイクンの希望は新たな神を生み出した。そしてアサーラックは滅び去り、フォーセイクンは新たな神を得た。

「マッシュ、これからどうするのだ?」チューリングが尋ねた。
「そうだな。レイブンクィーンとは若干意見の相違があるので、まずそれを正そうと思う」
「それはなかなか大仕事だな」
「あなたはどうするの?」スィーリアが聞く。
「禁断の知識とやらに関わって、私と敵対することにならないでね」
傷ついた表情を浮かべチューリングが言う。
「まだ分かっていないな。私に”禁断の”知識などと言うものはない。全てはただの知識であり、私の本質だ」
「ともあれ、我々もここでお別れだ。再びまみえることもあるかもしれないが、それまではさらばだ」
「む、では」
「さようなら」

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

恐怖の墓所 -69

2018年11月03日 | 恐怖の墓所
(PC Lv29)

魔力の受信&発散機能を持った魔道装置を設置した黒の図書館を元の次元、彼方の領域に返した後、ソードブリンガーはエベロンへと帰還した。
目の前の風景に違いはないのだが、空気の中に張り詰めた気配を感じる。まるで猛獣が物陰からこちらをじっと見つめているような。空に渦巻く魔力の文様が時折、眼のような形をとり君たちの動きに合わせて動いているような気さえする。
視界の片隅を蝙蝠のような生物が一瞬横切る。畑では農民が一心不乱に働いており、その中にはジョーラム王と思われる人物もいる。ジョーラム王の方へ向かいかけたその時、農民の一人が君たちを指さし、鋭い声を上げた。「やつらだ! 殺せ」。王は周囲の状況に全く反応を見せない。


【遭遇1】這寄る村人【遭遇レベル26】
Lv26 雑魚 異形の村人(コラプテッド) x26

倒された村人へ大気中の魔力が流れ込む。彼らは四肢ををあり得ない方向に曲げながら立ち上がる。
「これではキリがないぞ。マッシュ、ダークソードを抜け」
鞘から放たれたダークソードは黒い死の力を周囲に放射し、村人を魔力に還元してゆく。
「ふむ、この世界の者はエベロンの魔力を元に生み出されたようだな」チューリングがつぶやく。


この領域全体が敵だ。兵士に気付かれないよう裏口から、すなわち井戸に通じる洞窟から城へと侵入した。井戸から出たところで巡回兵に見つかった。

【遭遇2】巡回兵【遭遇レベル28】
Lv28 兵士役 城の兵士(ドラゴンボーンの勇者改造版) x5

兵士たちは殺さず気絶させて異形化を防ぎ、先へ進む。




居館の中は平穏が保たれている。時折巡回してゆく兵士をやり過ごし、サー・エバレントの執務室を目指す。しかし物音に気付いた兵士が廊下を伺い発見されてしまう。

【遭遇3】サー・エバレント【遭遇レベル30】
Lv30 兵士役(指揮) サー・エバレント(エクラヴドラLv修正+2) x1
Lv28 兵士役 親衛隊 (クルリキル)x2
Lv28 兵士役 城の兵士(ドラゴンボーンの勇者改造版)x6



一気に執務室になだれ込み、狙うはサー・エバレントただ一人。スィーリアの異形無双オーラにより異形化したサー・エバレントはなすすべなく倒れた。しかしやはり魔力の集中が始まり復活の気配を示す。マッシュはダークソードを抜き放ち止めを刺す。サー・エバレントがエベロンに還元されると同時に、マッシュにはエベロンが持つ膨大な魔力とエベロンに接続した無数の存在、すなわちドラゴンマークやオベリスクからもたらされる情報が流れ込む。それらの奔流にマッシュの意識は吹き飛ばされそうになるがドワーフの頑健さを発揮して何とか耐える。サー・エバレントの代わりとなる存在を作り、魔力と情報に対する防壁を立てる必要がある。咄嗟にマッシュのトーテムである熊の精霊を作り上げた。



城の兵士と親衛隊は剣の保有者であるマッシュに改めて忠誠を誓った。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする