無法者頭と特別な乗騎

バイクとTRPGの記録

ファンデルヴァーの失われた鉱山 -10(ネタばれ注意)

2020年02月01日 | ファンデルヴァーの失われた鉱山
グンドレンは最近、物資の到着が慢性的に遅れていることを気にしていた。そこで冒険者たちに、原因を探るよう依頼した。冒険者は久しぶりにファンダリンの町に戻り、顔なじみから話を聞くことにした。

宿屋の主人トブレン:グンドレンは元気か?奴の兄弟のことは気の毒だった。新しい鉱山が開かれたお陰で町に活気が出てきたよ。皆が感謝していると伝えてくれ。そう言えば町長がトライボア街道を荒らしているオークのことで頭を抱えていたぞ。

ウェスター町長:これは英雄の皆様。私の悩みを解消するために来て頂いたのですね。そう問題はワイヴァーンのとまり岩に巣食うオークの山賊なのです。何、報酬が必要? 分かりました、首尾よく退治出来たら町の公費から捻出致しましょう。何しろあなた方の成功は私の成功ですから。

眠れる巨人亭の女主人グリスタ:おやおや、これは珍しいお客様だ。場末の吹き溜まりにようこそ。相変わらずここにいるのはごろつきばかりだけど、もう以前のような人殺しのたまり場じゃないよ。愛すべきろくでなしってところだよ。金もちゃんと払うし。

鉱夫交易所のハリア所長:あんた達今度はオーク退治だってね。噂になっているよ。でも気をつけな、あんたたちを恨んでいる赤印組の生き残りがどこに隠れているか分からないよ。

ソルモンメ:前に逃げられたドラウが裏で糸を引いていたりするかもな

ハリア所長の警告は正しかった。ワイヴァーンのとまり岩に向かう冒険者たちは、目的地近くでオークの夜襲を受けた。オーク達は巧妙に接近したため、完全に囲まれるまで冒険者たちは気づくことが出来なかった。



オークの襲撃隊を率いるリーダーのオログは余裕のためか自身は戦闘に参加しなかった。それが幸いし、冒険者はぎりぎりで敵を撃退することが出来た。形成が不利になるとオログはすぐさま逃げ出した。一行は捕虜にしたハーフオーガからオークのキャンプ地を聞き出した。

オークのキャンプ地に姿を隠して接近した。すると昨晩襲撃隊を率いていたと思われるオログが、広場の中央に立てられた柱に縛り付けられているのが見える。失敗の責任を取らされているのか?



奥にはオークの首領がいると思しき崩れかけの塔が見える。入り口には派手な衣装を身につけたオークが見張りを放棄して、居眠りしている。他にも数体のオークがキャンプ地の外れを退屈そうにぶらぶらしているのが見える。 ハーフオーガからオークは総勢20名程度と聞いていたが、現在その多くは出払っているようだ。
イアドスが隠れ身でオログの様子を見に行くと、彼は気づき目配せしてきた。イアドスが近づくと彼は言う。
「お前たちは俺たちを殺しに来たのだろう。俺はボスを魔法で支配している黒いエルフを殺さなければならない。手枷を外せ。俺はお前の役に立つだろう」
ただならぬ様子に、仲間が集まる。ソルモンメは納得した様子でうなずいている。
手枷がはずれ、徒手空拳で突撃するオログに、ソルモンメがショート・ソードを放りながら言う。
「やはり、俺の予感は正しかった。その剣を使え」



オークの首領は魔法をかけられていたのではなく、ファンデルバーから逃走した魔術師、イアルノ・アルブレックが変身して成り代わっていたのだ。憤怒にかられたオログが突撃するが、ドラウの護衛のジャイアント・スパイダーが行く手を遮る。イアルノは次々に魔法を繰り出し抵抗するが、ドラウは透明化し早々に逃走してしまった。

イアルノを捕えた冒険者の周りを、騒ぎに気付いたオーク達が取り囲む。殺気立ったオーク達を制してオログが言う。
「俺たちのボスはここにいる半オークのキズラル=カルが倒した。キズラル=カルには俺たちのボスになる権利がある。しかし半オークなのでその権利は半分だけだ。だから俺はキズラル=カルがボスとして最初に出す命令だけは守る。文句のある奴はいるか!?」
オーク達はぶつくさ言いながらもオログの考えに同意した。
「さあ、最初の命令を言ってくれ」
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ファンデルヴァーの失われた鉱山 -9(ネタばれ注意)

2020年01月13日 | ファンデルヴァーの失われた鉱山
洞窟入り口まで撤退した冒険者は、奥へ続く断崖に垂らしたロープを引き上げ敵の逆襲を警戒しつつ一晩休憩した。何事もなく翌朝を迎え、本日の行動予定を打ち合わせる。再度大広間へ向かい敵の首魁と思われるドラウと対峙するか、未探索の東の区画を探索するか。探索中に背後から襲撃されることは避けたいため、ドラウとの再戦を決めた。

今回は南側の扉から慎重に広間を伺う。扉の所であれば敵の浸透戦術は避けられると考えたためだ。しかし、大広間に敵の姿は見えない。すでに撤退してしまったのだろうか? 奥の大きな石像の影に大蜘蛛が1体潜んでいる気配がする。キズラルが慎重に近づく。あと少しで石像に到達するというところで蜘蛛が姿を現し、石像の眼に嵌っているエメラルドを引き抜いた。すると轟音と共に天井が崩れ、部屋の中にいたキズラルとアレックス、それに大蜘蛛自身に石の雨が降り注ぐ。それぞれダメージを受けたが、致命傷ではない。立ち上がった冒険者と大蜘蛛は戦闘を開始した。たった1匹の大蜘蛛は冒険者の敵ではない。しばらく周囲の気配を探るがドラウが隠れている様子はないため、洞窟の残りの区画を探索することにした。

ここの扉は炎で焼け焦げてひびが入り、鉄製の蝶番は半ば溶けかけている。しかし半分開いた状態となっており、中を覗き込むことが出来る。中は過去の戦いでひどい被害を受けたようだ。二つある作業台は炎でひどくあぶられたようになっており、石壁のしっくいも大きくはがれている。部屋の中央には小さな火鉢を載せた石の台があり、火鉢の中では気味の悪い緑色の炎がはぜながら踊っている。
火鉢の後ろには直径4フィート程の球形のクリーチャーが浮かんでいる。丸い身体からは4本の眼柄が突き出ており、体の中心にある巨大な眼で冒険者を凝視している。「ようこそ」と、不明瞭なごぼごぼという声が冒険者の頭の中で響く。

見た目は邪悪だが、一応の交渉ができそうなためイアドスは声をかける。しかしこの怪物の精神はひどく混乱しており、理性的な言葉が通じない。結局のところ、目玉の化け物はこの緑色の炎を上げる”呪文の鍛冶場"を守護する存在で、いなくなったこの鍛冶場の主人であるウィザードの命でここを守っているらしい。しかも本人はウィザードがいなくなったことを知らないし、いくら説明しても信じようとしない。この洞窟の価値の中心である呪文の鍛冶場を使用するためには、この怪物を倒すしかない。とは言え、無視をしておけばおとなしくしているので、とりあえずはほっておくことにした。



残る部屋は1つのみ。ここも先の部屋と同じように扉はダメージを受け開けづらい状態になっている。キズラルが力づくでこじあげ、中に入る。すると床から浮き上がるようにレイスが出現した。
「我はモアメスク。汝らの存在は我に仇なすもの。汝らの生命は失わるべきもの。我が宝は我一人のものにして、略奪は断じて許すまじいぞ!」
ここも冒険者が礼儀正しく会話を始めると、モアメスクは次のように言った。
「汝らが呪文の鍛冶場の見つめる者を殺してきたならば、ここにある金銀財宝を与えようぞ」



冒険者はドラウが姿を消して、後をつけている気配を感じている。ここで目玉の怪物であれ、モアメスクであれ戦いを始めたら、確実に背後から襲ってくるに違いないと考えた。一方、洞窟に残る怪物とモアメスクはこちらから手出ししなければ、とりあえずおとなしくしていることから、先ずはドラウの排除と洞窟の整備を先に進めることにした。ドラウの襲撃に注意しつつも、その存在を無視して作業を進めていると、いつしかドラウは去ってしまった。

イアドス、アレックス、キズラルはグンドレンの共同経営者として波音の洞窟の復興に協力することにした・・・次の冒険が始まるまで。


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ファンデルヴァーの失われた鉱山 -8(ネタばれ注意)

2019年09月15日 | ファンデルヴァーの失われた鉱山
グールとの死闘があった翌日も波音の洞窟の探索に精を出し、さらに奥を目指す。
次の部屋には溶鉱炉と水車で動く機械式のふいご、燃料となる石炭と未精錬の鉱石が残されている。
それに加え、鎧を着たドワーフとオークの干からびた死体、それに緑の炎に包まれた髑髏。フレイムスカルが居る。
イアドスがフレイムスカルに先制のエルドリッチ・ブラストを喰らわすが、ファイヤーボールの反撃を喰らい一度退却する羽目になった。



ファイヤーボールは1回だけと予想し、次は一気に肉薄することにした。しかし髑髏は部屋の奥に隠れてしまったらしく姿が見えない。突然、死んだふり(?)をしていたドワーフとオークのゾンビが立ち上がり、逆に包囲されてしまう。部屋のくぼみから姿を現したフレイムスカルは一行の背後にフレイミング・スフィアーを出して一行を苦しめる。炎に耐性の無いソルモンメがフレイムスカルの火炎光線とフレイミング・スフィアーに苦しめられるが、少しづつゾンビを削り、何とか敵を全滅させた。



ヒーリング・ポーションが足りない。地底湖に沈むマジックアイテムはそれに違いないとイアドスが言い出し、水に潜ることを決断する。しかし残念ながら沈んでいたのはワンド・オブ・マジックミサイルだった。これはこれで素晴らしいアイテムだが今欲しいものは違う。ふと共有財産を入れた袋を見ると、なんとヒーリング・ポーションが3本もはいっている。やる気を回復した一行は先を進む。

次の部屋には黒蜘蛛ネズナルの手下のバグベア5体が、愚痴を垂れ流しながら、暇を持て余していた。イアドスが言いくるめようとしたが上手くいかず戦いとなった。ここでは順調に敵を倒していく。かなわないと見たバグベアたちは、先ほどのイアドスの言いくるめに遅ればせながら乗っかり、ここから立ち去るので見逃して欲しいと言い出した。



バグベアたちが問題を起こさず、洞窟から立ち去るのを見送りさらに先に進む。
そこではドラウの指示の元、亀裂の底でバグベアが何かを探していた。一向に気付いた見張り役のバグベアが誰何してきた。先ほどと同様に適当に言って誤魔化そうとするが、リーダーのドラウは騙されず、バグベアに攻撃を命じる。しかし冒険者の方が数段優秀ですぐさま返り討ちにしたのを見たドラウは奥の通路に逃げ込んだ。



一行はすぐさま追いかける。行き着いた大広間には6本の太い大理石の柱が並ぶ古い神殿で、巨大なドワーフの像が鎮座している。そこには先ほどのドラウにそっくりのドラウが一人とジャイアント・スパイダーが4匹待ち構えていた。一人のドラウは冒険者の戦列に入り込み、自らは不利な位置を取りながらも、ジャイアント・スパイダーとでキズラル=カルを挟み込み猛攻を仕掛ける。もう一人のドラウはジャイアント・スパイダーの陰から必殺のマジック・ミサイルを連発する。その上、背後に控えたジャイアント・スパイダーは粘着性の糸を吐きだし、キズラル=カルの動きを拘束しようとする。こちらに入り込んできたドラウは何とか倒したが、それが限界。これ以上は無理と悟り、冒険者は撤退した。






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ファンデルヴァーの失われた鉱山 -7(ネタばれ注意)

2019年08月31日 | ファンデルヴァーの失われた鉱山
グンドレンと共にキズラル=カル、イアドス、ソルモンメは波音の洞窟へ到着した。入り口にキャンプが設営されていたが、そこにはグンドレンの兄弟タルデンの死体が残されていた。洞窟の北東部分の床は崩落し、穴の底の北西及び東にはトンネルが続いている。



先ずは東に向かう。比較的大きな洞窟中に散らばる骸骨に注意しながら進んでいると、頭上からスタージの大群が襲ってきた。



さらに北に進むと行き止まりだった。左右に扉があり、左側の部屋には巨大な石のカウンターが部屋の中央に鎮座しており、北側の棚には埃っぽい紙束がぎっしりと詰まっている。ここにも無数の骸骨が散らばっている。カウンターの裏には金庫があったが、道具も無く開けられないので後回しにして向かいの部屋へ向かった。
こちらの部屋はバラバラになった石のベンチの残骸と、天井が部分的に崩れてできたがれきの山に埋め尽くされている。部屋に踏み込むと、あたりに散らばった骨がひとりでに集まり、9体のスケルトンとなり襲い掛かってきた。



さほど強くはないが敵の数が多く、リソースが削られる。一度キャンプに戻ることにした。
翌日、グンドレンに盗賊道具を借りて、石のカウンターの金庫に挑戦した。ソルモンメが適当に弄り回していたら偶然開けることが出来た。
探索を再開し、今日は東の方へ進んだ。その洞窟は床の大部分を分厚い菌類のじゅうたんが覆っている他、珍しく気味が悪いキノコ類が山ほど生えている。植物に詳しいソルモンメが、床を覆う菌類が有毒ガスを放出する種類であることに気付き、ここは後回しにすることにした。



中央部を北へ向かうと、扉に行き当たった。洞窟に響き渡る波音のような騒音に混じり、中からかすかな物音が聞こえる。扉を開けると、意地汚く骨をしゃぶっていた3体のグールが新鮮な肉を発見し喜び勇んで襲い掛かってきた。



グールを倒した後、西側の迷路のような通路を北へ向かう。先行したソルモンメとキズラル=カルは地底湖を発見し、早速調査を始めた。遅れていたイアドスの背後にオーカー・ジェリーが静かに這寄る。



オーカー・ジェリーを始末し、地底湖を調べる。湖底に魔法の反応を発見したが、水に潜ることに気が進まない。荷物に引掛け鉤があったのでそれを投げ込んで手繰り寄せてみる。プラチナの指輪2個を引き上げることに成功したが、肝心の魔法の品は水の底。ここは一度諦めて、別の所の探索に向かう。

大きな洞窟を発見した。最初に入った場所と反対側を区切る中央部は一段低くなっている。低い場所には石造りのテーブルと火鉢がある。あたりには激しい戦いがあったことを物語る、さまざまな種族の白骨死体が何十体も残されている。最初に部屋に入ったソルモンメは、暗がりから一斉に殺到してきたグールに囲まれピンチに陥った。



何とかピンチを切り抜け、体制を立て直したものの敵を麻痺させる爪をもつグールの大群の前に危機は続く。気絶したイアドスが危うく頭を齧られそうになったり、キズラル=カルがハーフオークのしぶとさでぎりぎり戦い続けたり、残り全てのリソースを使い切って何とかグールを全滅させることに成功した。






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ファンデルヴァーの失われた鉱山 -6(ネタばれ注意)

2019年07月20日 | ファンデルヴァーの失われた鉱山
一行はサンダーツリーを引き続き探索する。
キズラル=カルが荒れ果てた小屋を探っていると、変哲もない下生えから6体ものトウィッグ・ブライトが現れ、襲い掛かってきた。



草木の茂っている場所を警戒し、イアドスがあたりかまわず怪光線を打ち込んでいたら比較的無償の建物の窓が開き、白い口髭を生やしたヒューマンが怒りの声を上げた。
「うるさい!何をしているんだ!」
彼はドルイドのレイドス。自然の摂理の回復と維持を目的とし、元素の力の暴走を防いだり、文明と野生とがお互いを破壊しないようにしたり、人々が自然界の危険から生き延びる手助けをしている。ここでは入り口に警告札は彼が立てたものだ。
冒険者たちはレイドスをなだめすかして、周囲の情報を聞き出す。そしてギザ牙族の砦の場所を知ることが出来た。それとこの廃村の北にある塔に若いグリーン・ドラゴンが住み着いていることを聞いた。
彼らはドラゴンがいる塔を慎重に迂回して町の残りの部分を探索した。崩れかけた店のジャイアントスパイダー2体を倒し、古い鍛冶場ではアッシュゾンビ2体を滅ぼした。ファンダリンのルミナ・デンドラーに教えてもらった薬草師の店に隠された宝飾品を見つけ、職工の小屋の裏手の藪に潜んでいたトウィッグ・ブライト6体を倒した。北西の古い兵舎のアッシュ・ゾンビ5体は倒したが、南東の小さな農家に潜んでいたドラゴン・カルト教団員とは話をするだけで別れた。



サンダーツリーの探索を終え、ギザ牙族の砦に向かった。
砦の周囲を回り、北側に崩れた侵入口を見つけた冒険者一行は、ゴブリン達が寝るのを待って砦に侵入した。砦の奥の方でまだ起きて騒いでいるゴブリン達がいた。奴らは食堂で飲んだくれているようだ。そこを急襲して、部屋の中のゴブリン1体を残してすべて倒す。



生け捕りにしたゴブリンからボスの部屋とそこにドワーフが捕らえられていることを聞き出した。
ボスの部屋の前で仕事に忠実なホブゴブリンの立哨に出会い、戦闘となった。



ホブゴブリンは大声で警告を発し、全力防御で仲間が駆けつける時間を稼ぐ。ボスのバグベアと仲間のホブゴブリンがやってきて乱戦になる。バグベアの強力な一撃を喰らいアレックスが気絶するが、ホブゴブリン2体が倒されたため、バグベアは逃げ出して仲間を呼びに行く。キズラル=カルが追いすがりバグベアを倒す。



ボスの部屋に囚われていたグンドレンを救い、隠されていた波音の洞窟の位置を示す地図を回収し(加えてボスの宝も)、入ってきたのと同様に静かに砦を脱出した。
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