無法者頭と特別な乗騎

バイクとTRPGの記録

狂える魔導士の迷宮 -5(ネタばれ注意)

2021年10月09日 | 狂える魔導士の迷宮
第4次探索

第2階層に到着して直ぐにパレスが叫んだ。
「俺には分かる!奴等は近い。しかしおかしい、奴らはバラバラになっているようだ。一番近い奴は東にいる」
改めて復讐対象のことを聞いた。

カッパー・ストームフォージ:ドワーフの泥棒、何よりも黄金が好き
ミドナ・タウバース:シャーに仕えるヒューマンの司祭、自分にできないことはないと思っている
"鎚の”レックス:ヒューマンの戦士、富と栄光を求めておりそのためなら誰を踏みつけようと気にしない。

こんな奴らとパーティーを組んだのがそもそも間違いだったという気がするが、すでにその報いは受けている。大体冒険者になろうと言う者の多くが、このような奴らだ。そんな世界で生き残るには、相応の慎重さが必要だ。パレスにはそれが足りなかった。しかし犠牲者を責めてはいけない、悪いのは加害者だ。そのために我が神がいる。

巨大な地下ホールで多くのゴブリンを発見した。まだこちらには気付いていないようだ。ファイヤーボールで一網打尽にしようと近付いて、様子を窺う。ここは彼らの市場のようだ。扱っているのは盗品に違いない。しかし一定の秩序を持って活動している者に、いきなり攻撃を仕掛けるのは野蛮人に等しい。文明人たる者は会話を以て目的を果たすものだ。


ゴブリンの頭目はイェークといい、(ゴブリン達が言うには)呪いのサークレットで魅力的なヒューマンの姿となっている。しかし本人はその姿が気に入っているようだ。ここにパレスの復讐対象である、ドワーフのカッパー・スチームフォージが捕らわれていた。すぐにも飛びかかりそうなパレスを宥め、イェークにドワーフの解放を求めた。交渉の結果、ヒーリング・ポーション1本でドワーフを引き渡すことに同意した。事情も分からず我々に感謝を伝えようとしたカッパー・スチームフォージは、パレスの存在を認めて凍り付いた。ドワーフが逃げ出さないように左右から抱え込んで、昨日見つけた安全地帯へ連行した。

「カッパー・スチームフォージ、お前はパレス・ガーキから仇人との申立てが成されている。驚くべきことにこの申し立ては犠牲者本人からのものであり、その主張を疑う余地は無い。しかし状況の正当性が両者のうちどちらにあるかは知る由もない。よって復讐の主、ホアの御前にて決闘裁判を行う」
私は予備のメイスをドワーフに渡すと、パレスを見た。彼は首を振り、拳を顔の前に構えた。
「双方遺恨無く、重敵および又候敵討無く、尋常に勝負せよ」
勝負は一瞬だった。決闘開始の合図と同時にパレスからは強烈な波動が迸る。それはカッパー・スチームフォージの肉体を縛り、動きを封じた。ドワーフは恐怖の表情を浮かべ、近づくパレスの拳を見つめている。必殺の拳はドワーフの分厚い胸板を貫き、心臓を粉砕し、その背中から盛大に噴出する血液と共に突き出た。

血と宗教のメロドラマが終われば、いつものダンジョン・クロウルの再開だ。迷宮の主、マッド・メイジ、ハラスターの弟子、カラバシュの研究室を発見。消えかけた魔法陣を修復すると、酔っぱらった魔法使いが出現し、コーン・オブ・コールドをぶっ放してきた。慌てて魔法陣を元のように消すと、消えた。今のがカラバシュだろうか?


研究室区画の片隅にあったシュートを下ると、目の前にジバリング・マウザーが待ち構えていた。私はいささか調子に乗って「このヴォルクマール、心にも鎧を纏っている」などと言って突撃して、後悔することとなった。
コメント
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