無法者頭と特別な乗騎

バイクとTRPGの記録

ファンデルヴァーの失われた鉱山 -9(ネタばれ注意)

2020年01月13日 | ファンデルヴァーの失われた鉱山
洞窟入り口まで撤退した冒険者は、奥へ続く断崖に垂らしたロープを引き上げ敵の逆襲を警戒しつつ一晩休憩した。何事もなく翌朝を迎え、本日の行動予定を打ち合わせる。再度大広間へ向かい敵の首魁と思われるドラウと対峙するか、未探索の東の区画を探索するか。探索中に背後から襲撃されることは避けたいため、ドラウとの再戦を決めた。

今回は南側の扉から慎重に広間を伺う。扉の所であれば敵の浸透戦術は避けられると考えたためだ。しかし、大広間に敵の姿は見えない。すでに撤退してしまったのだろうか? 奥の大きな石像の影に大蜘蛛が1体潜んでいる気配がする。キズラルが慎重に近づく。あと少しで石像に到達するというところで蜘蛛が姿を現し、石像の眼に嵌っているエメラルドを引き抜いた。すると轟音と共に天井が崩れ、部屋の中にいたキズラルとアレックス、それに大蜘蛛自身に石の雨が降り注ぐ。それぞれダメージを受けたが、致命傷ではない。立ち上がった冒険者と大蜘蛛は戦闘を開始した。たった1匹の大蜘蛛は冒険者の敵ではない。しばらく周囲の気配を探るがドラウが隠れている様子はないため、洞窟の残りの区画を探索することにした。

ここの扉は炎で焼け焦げてひびが入り、鉄製の蝶番は半ば溶けかけている。しかし半分開いた状態となっており、中を覗き込むことが出来る。中は過去の戦いでひどい被害を受けたようだ。二つある作業台は炎でひどくあぶられたようになっており、石壁のしっくいも大きくはがれている。部屋の中央には小さな火鉢を載せた石の台があり、火鉢の中では気味の悪い緑色の炎がはぜながら踊っている。
火鉢の後ろには直径4フィート程の球形のクリーチャーが浮かんでいる。丸い身体からは4本の眼柄が突き出ており、体の中心にある巨大な眼で冒険者を凝視している。「ようこそ」と、不明瞭なごぼごぼという声が冒険者の頭の中で響く。

見た目は邪悪だが、一応の交渉ができそうなためイアドスは声をかける。しかしこの怪物の精神はひどく混乱しており、理性的な言葉が通じない。結局のところ、目玉の化け物はこの緑色の炎を上げる”呪文の鍛冶場"を守護する存在で、いなくなったこの鍛冶場の主人であるウィザードの命でここを守っているらしい。しかも本人はウィザードがいなくなったことを知らないし、いくら説明しても信じようとしない。この洞窟の価値の中心である呪文の鍛冶場を使用するためには、この怪物を倒すしかない。とは言え、無視をしておけばおとなしくしているので、とりあえずはほっておくことにした。



残る部屋は1つのみ。ここも先の部屋と同じように扉はダメージを受け開けづらい状態になっている。キズラルが力づくでこじあげ、中に入る。すると床から浮き上がるようにレイスが出現した。
「我はモアメスク。汝らの存在は我に仇なすもの。汝らの生命は失わるべきもの。我が宝は我一人のものにして、略奪は断じて許すまじいぞ!」
ここも冒険者が礼儀正しく会話を始めると、モアメスクは次のように言った。
「汝らが呪文の鍛冶場の見つめる者を殺してきたならば、ここにある金銀財宝を与えようぞ」



冒険者はドラウが姿を消して、後をつけている気配を感じている。ここで目玉の怪物であれ、モアメスクであれ戦いを始めたら、確実に背後から襲ってくるに違いないと考えた。一方、洞窟に残る怪物とモアメスクはこちらから手出ししなければ、とりあえずおとなしくしていることから、先ずはドラウの排除と洞窟の整備を先に進めることにした。ドラウの襲撃に注意しつつも、その存在を無視して作業を進めていると、いつしかドラウは去ってしまった。

イアドス、アレックス、キズラルはグンドレンの共同経営者として波音の洞窟の復興に協力することにした・・・次の冒険が始まるまで。


コメント
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