無法者頭と特別な乗騎

バイクとTRPGの記録

狂える魔導士の迷宮 -2(ネタばれ注意)

2021年08月21日 | 狂える魔導士の迷宮
第2回探索

先の探索から3日後、我々はダンジョンに再挑戦した。
流石は名にし負うアンダーマウンテン、第一階層でさえも油断はできない。手前にオークの骨が積み上げられ山となっているアーチ門には危険な魔力が満ち、屈強な男の裸像が抱える竪琴には「青銅の顔で見たならば、私は謎を解き明かすに」と共通語で書かれている。更にティーフリングの骨が縫い止められた壁には地獄語で「我に問え!」とある。この階に巣くうザナサーギルドのゴブリン族にはインテレクト・ディヴァウラーが寄生し、危険度が増している。


「我に問え!」ティーフリングの骨


魔法のアーチ門


竪琴をもつ屈強な男性の裸像


ザナサーギルドに裏口から突入

キュウキがこの状況を楽しんでいることが左手から伝わる。私の冒険がこの忌まわしく暗い武器により支えられていることは間違いない。ホアの名の下に果たされる復讐とキュウキが求める殺戮は全く異なる。異なるのだが、行き着くところはいつも同じ、流血と死だ。
利己的な理由で私を恐れ、魂と信仰を失うことも厭わず、私を奈落へと突き落とした者共らと同じになってしまうのではないか。懊悩する私の耳元でキュウキが囁く。
「違いはない。違うことに意味など無い。俺を存分に揮え。おまえは生き残り、力のありようを知るのだ。そして歓喜せよ。」私は眼を堅く閉ざし、一心にホアへの祈りを唱える。
「どうしたヴォルクマール、傷が痛むのか?」
まぐみん、爆炎魔導士、いや光の司祭。この者は今の私のように魂の危機を迎えたことがあるのだろうか。いや、侮ってはいけない。彼女の爆裂魔法は一級品だ、ロサにも引けを取らない。これだけの技を習得するのには、どれだけの修練が必要なのだろうか。今でも時間がある限りその力の研鑽に余念がない。
「大丈夫だ、問題ない。なによりこの痛みは、お前の祈りでも癒せない」
「私は医術の心得もあるぞ」
「知っている、ありがとう」

そして今日、ホアは私に道をお示しになられた。我らはアンダーマウンテン全28階をシンボルとして表した地図を発見した。調べるために近づくと、その手前に深い穴が掘られていることに気がついた。しかも中から助けを求める声が聞こえる。近づいて慎重にのぞき込むと、穴の底からこちらを見上げる一人の男性が見えた。彼の顔はひどく青白く、かなり具合が悪そうだ。
「そこの方、助けてもらえないだろうか」
私は誰かがそっと背中を押すのを感じた。私が垂らしたロープを力強く手繰って穴から出てきた彼を見て、私は理解した。
「ありがとう。私はパレス・ガーキ、ワーキンの司祭だ。私は仲間に裏切られ、穴の底に突き落とされたときに死んだ。しかしレブナントとして蘇った。私は仲間だった者達に復讐するために蘇ったのだ。」
これは神の啓示だ。彼は信仰を失いかけている私のために、神が使わした天使にちがいない。私の答えは決まっている。
「ようこそレブナント・ガーキ。私はヴォルクマール・フォン・ヒンデンシュテルン。ホアの信徒として貴方の復讐をお手伝いしよう。」

今回の成果
魂の救済
黄金のサークレット(サークレット・オブ・ブラスティング)
インゴット(5sp)×120本
1,400cp、 350sp
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする