黒水熱について
1884年にフランス人医師によって最初の報告[1]
背景にマラリア流行地域での長期滞在、高原虫血症、G6PD欠損症[2]
熱帯熱マラリアに長期暴露を受けていることが多いが、現地人ではなく、非流行地域からの長期滞在者、VFRに多い[1]
三日熱マラリア、場合によってはその他のマラリアでも発症と関与[1]
病態はマラリア原虫感染がほぼない状態での重篤な急性血管内溶血[2]
原因は不明だがマラリアに対する免疫反応が関与か[1, 2]
キニーネ依存性抗体も血管内溶血の原因となりうる[1, 2]
誘発される原因として、アミノアルコール系の抗マラリア薬[2]
アミノアルコール系薬剤使用から発症までは平均24時間(5-120時間)との報告あり[2]
古典的にはキニーネの不適正使用によるとされ、クロロキンが使用されていた50-80年代には報告が減少[3]
予防薬としての使用でも発症しうるが、治療薬による発症が多い[1]
80年代後半から使用されるようになった、メフロキン、ハロファントリン、ルメファントリンでも誘発[2, 4]
90年代以降クロロキン使用減少により、報告数増加[2]
罹患率は1941-43年で1%, 90年代で2.6%の報告[2]
主な症状は発熱、ヘモグロビン尿、黄疸、嘔気嘔吐[1]
合併症として尿細管壊死、急性腎不全[1, 2]
アミノアルコール系の薬剤使用があれ、別の抗マラリア薬に変更すべき[2]
ステロイドが有効との報告あり[5]
別のアミノアルコール系抗マラリア薬でも再発あり[2]
鑑別診断として薬剤性溶血(薬剤性HUS等)、敗血症、レプトスピラ症、ハンタウイルス感染[1, 2]
20世紀初頭には新種のスピロヘータが原因と考えられていた[1]
死亡率は現在では低いと考えられるが、1930年代には25-30%[1]
マラリア流行地域に長期滞在していた帰国者が黒色尿を呈したら、黒水熱を疑う[2]
References:
[1] Tran Thi Hong Chau, CID 1996
[2] Febrice Bruneel, CID 2001
[3] Manson’s Tropical Diseases 23rd edition 2009
[4] Merat S, 2003
[5] Trowell HC, 1956
1884年にフランス人医師によって最初の報告[1]
背景にマラリア流行地域での長期滞在、高原虫血症、G6PD欠損症[2]
熱帯熱マラリアに長期暴露を受けていることが多いが、現地人ではなく、非流行地域からの長期滞在者、VFRに多い[1]
三日熱マラリア、場合によってはその他のマラリアでも発症と関与[1]
病態はマラリア原虫感染がほぼない状態での重篤な急性血管内溶血[2]
原因は不明だがマラリアに対する免疫反応が関与か[1, 2]
キニーネ依存性抗体も血管内溶血の原因となりうる[1, 2]
誘発される原因として、アミノアルコール系の抗マラリア薬[2]
アミノアルコール系薬剤使用から発症までは平均24時間(5-120時間)との報告あり[2]
古典的にはキニーネの不適正使用によるとされ、クロロキンが使用されていた50-80年代には報告が減少[3]
予防薬としての使用でも発症しうるが、治療薬による発症が多い[1]
80年代後半から使用されるようになった、メフロキン、ハロファントリン、ルメファントリンでも誘発[2, 4]
90年代以降クロロキン使用減少により、報告数増加[2]
罹患率は1941-43年で1%, 90年代で2.6%の報告[2]
主な症状は発熱、ヘモグロビン尿、黄疸、嘔気嘔吐[1]
合併症として尿細管壊死、急性腎不全[1, 2]
アミノアルコール系の薬剤使用があれ、別の抗マラリア薬に変更すべき[2]
ステロイドが有効との報告あり[5]
別のアミノアルコール系抗マラリア薬でも再発あり[2]
鑑別診断として薬剤性溶血(薬剤性HUS等)、敗血症、レプトスピラ症、ハンタウイルス感染[1, 2]
20世紀初頭には新種のスピロヘータが原因と考えられていた[1]
死亡率は現在では低いと考えられるが、1930年代には25-30%[1]
マラリア流行地域に長期滞在していた帰国者が黒色尿を呈したら、黒水熱を疑う[2]
References:
[1] Tran Thi Hong Chau, CID 1996
[2] Febrice Bruneel, CID 2001
[3] Manson’s Tropical Diseases 23rd edition 2009
[4] Merat S, 2003
[5] Trowell HC, 1956