国際医療について考える

国際協力という分野に興味を持つ人たちとの情報共有、かつ国際協力に関する自分としてのより良いありかたについて考える場所。

ワクチンの抗体価検査

2010-04-23 | Vaccine 各論
【麻疹の抗体検査法】 - 通常、HI法、NT法、ELISA/IgG法、PA法が用いられる。 ・ NT法(中和反応) 被検血清を段階希釈して一定量のウイルスを加える。 ウイルス・被検血清混液を培養細胞に接種し、細胞変性効果(CPE)を観察。 ういるすの活性を阻止する血清希釈倍数。 長所:感染防御抗体を検出できる、安価で信頼性が高い 短所:培養細胞、チャレンジウイルスが必要、施設環境(麻疹であればB . . . 本文を読む
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日本の予防接種の歴史(全般)

2010-04-22 | Vaccine 概要
日本におけるワクチンの主な歴史 1849年6月:長崎に種痘痘苗種、9月:京都に種痘所、11月:大阪除痘館 (Vaccineを「白神(はくしん)」と表記) 1876年:天然痘予防規則 1897年:伝染病予防法 既定のある10疾患:伝染病予防法:コレラ、赤痢(疫痢を含む)、腸チフス、パラチフス、痘瘡、発疹チフス、猩紅熱、ジフテリア、流行性脳脊髄膜炎およびペスト 1910年:種痘法 1919 . . . 本文を読む
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MCQs in Travel and Tropical Medicine 3rd edition Section1 (Epidemiology and Geographical)

2010-04-22 | MCQ in T&TM
MCQs in Travel and Tropical Medicine 3rd edition Section1 (Epidemiology and Geographical) *答えが間違っていると思われる設問には☆ S1-1 世界最も多い原虫感染症3つ ↓ - マラリア:毎年2億5千万人が罹患、 86万人が死亡 [WHO, 2010] - 住血吸虫:年間200万人以上の罹患、2 . . . 本文を読む
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WHO マラリア治療のガイドライン 第2版 + α

2010-04-20 | Malaria
マラリアは2010年の現在も重要な熱帯感染症の1つ - 世界人口の約半数がマラリア罹患のリスク - 毎年2億5千万人がマラリアに罹患 - 毎年86万人がマラリアにより死亡 - 死亡症例の約85%アフリカに住む小児 [Malaria World Report 2009] Malaria World Report 2010によると 2009年にはマラリア症例数は2億2500万人、死亡数は78 . . . 本文を読む
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マラリア予防 (長期渡航者)

2010-04-20 | Malaria
長期(6ヶ月以上)渡航者のマラリア予防 長期渡航者のマラリアリスク - タンザニアの語学学校で予防内服をしない渡航者はしない渡航者と比較して4倍のリスク (Blanke, 2003) - マダガスカルにおいて、平和協力活動に参加したボランティア参加者の15.9%がマラリア罹患(100人当たり1年間で8人罹患) (Leutscher, 2003) - ザンビアに支社がある海外滞在者、82%がマラリ . . . 本文を読む
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偽膜性腸炎

2010-04-20 | 感染症内科 各論
偽膜性腸炎の診断 - Clostridium difficile (C. difficile) やトキシンは、C. difficileによるイレウスが疑われない限り、下痢(非有形便)の時だけ検査されるべき (B-II) - 症状のない患者検体による便検査は、治療効果の検査を含めて臨床的に有用でない。疫学的な調査を除いて検査は推奨されない (B-III) - 便培養検査は最も感度が高く、疫学研究で重 . . . 本文を読む
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航空医学

2010-04-17 | Travel Medicine 各論
- 航空医学 航空機搭乗が不適な人(WHO International travel and health 2007) 小児 ・生後48時間以内の新生児(できれば生後7日以上必要) 妊婦 ・妊娠36週以降 ・多胎妊娠の場合は妊娠32週以降 疾病 ・狭心症あるいは安静時の胸痛 ・重症あるいは急性感染症 ・ダイビング後の減圧症(<24hr) ・頭蓋内圧亢進症(出血・外傷・感染症) ・副鼻腔・ . . . 本文を読む
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登山医学 (高山病: Acute mountain sickness)

2010-04-17 | Travel Medicine 各論
登山医学 (高山病: Acute mountain sickness) - 登山医学 注意すべきは4つのH Hypoxia Hypothermia deHydration Hypoglycemia 酸素変化(標高m/気圧Torr/PIO2/PaO2/Ave. SpO2%) 平地:0m/760/149/95/97% 富士山頂上:3776m/480/91/46/86% エベレストBC:5200m/3 . . . 本文を読む
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狂犬病ワクチン [Rabies Vaccine]

2010-04-14 | Vaccine 各論
疫学:100カ国以上で報告、2002年WHOの報告では12番目の死因世界の狂犬病による年間推定死亡数は55000人 (2)紀元前2300年前にメソポタミア文明の象形文字(Egyptian codes)でも狂犬病に関する記載あり。アジアで56%、アフリカで44%ほとんどが地方の田舎で起きる(84%)15歳以下の子供の症例が30-50%都市部:インド(1058例)、中国(1324例)、アフリカ(588 . . . 本文を読む
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ジフテリア・百日咳・破傷風 三種混合ワクチン [DPT Vaccine]

2010-04-08 | Vaccine 各論
1988年から1994年にかけて米国の調査でジフテリアの抗体価保有率は6歳以上で61%、20歳以上で47%、70歳で30%と低下していた[McQuillan GM, Ann Intern Med 2002]。1955年におけるロンドンでの同様の調査では長期予防効果のある抗体価保有者は31%、予防効果のある抗体価保有者は31%であった[Maple PA, Lancet 1995]。1980年から19 . . . 本文を読む
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インフルエンザ菌b型ワクチン [Hib Vaccine]

2010-04-06 | Vaccine 各論
乾燥ヘモフィルスb型ワクチン(破傷風トキソイド結合体)商品名:アクトヒブ製造販売元:サノフィパスツール第一三共ワクチン株式会社、製造元:仏・サノフィパスツール社、販売元:第一三共株式会社承認取得日:2007年1月26日、発売開始日:2008年12月19日 ・インフルエンザ菌における年齢別 肺炎球菌の占める割合 4カ月未満:15-20% 4ヶ月~5歳:70-72% 5歳~49歳:5-10% 50歳 . . . 本文を読む
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蛋白結合型肺炎球菌ワクチン(小児用肺炎球菌ワクチン) [ Pneumococcal Conjugate Vaccine (PCV)]

2010-04-06 | Vaccine 各論
[疫学] 毎年世界で70~100万人の5歳未満の小児が肺炎球菌感染症で死亡すると推定される[WHO position paper. Wkly. Epidemiol. Rec, 82:93,2007] 世界の低~中等所得国において、年間推定1450万人の5歳未満の乳幼児が侵襲性肺炎球菌感染し約50万人が死亡。[WER 2013;88(17): 173-180] 肺炎球菌の血性型は91種類、侵襲性 . . . 本文を読む
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コレラ(Cholera)ワクチン+腸管毒素原性大腸菌(ETEC)

2010-04-06 | Vaccine 各論
O1型のうちclassic型は過去6回世界的な流行がみられたが、7回目の流行はEl Tor El Tor型で、無症状で便中の菌排出量が多いため流行しやすい1973年までIHRでワクチン接種が規定されていた200種類以上のserotypeがあるが、毒素産生株は2種類のみO139型はインド、バングラディッシュ等のアジアのみでみられるコレラの典型的な臨床症状は、1つのAサブユニットと5つのBサブユニ . . . 本文を読む
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MCQs in Travel and Tropical Medicine 3rd edition Section6 (Fish Hazards)

2010-04-04 | MCQ in T&TM
S6-1,2☆ Ciguatera poisoning(シガテラ中毒) の特徴 ↓ 南太平洋やカリブ海で最も多く、米国においてサカナ関連の食中毒の半数以上 400種類以上の魚で起こりうるが大きい魚の方が有害物質が蓄積し、それを食べる人で起こる Ciguatoxinは脂溶性、熱に安定、酸耐性な神経毒素 細胞膜の電位依存性ナトリウムチャンネルを開き、細胞膜の脱分極を起こす Maitotoxinはci . . . 本文を読む
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A型肝炎ワクチン [Hepatitis A Vaccine]

2010-04-01 | Vaccine 各論
A型肝炎ワクチン [Hepatitis A Vaccine] 旅行者のリスク 1000ヶ月の滞在に対して3-5件[steffen R, 1994] 100,000ヶ月の滞在に対して6-30件[Mutch M, 2006] 国内:エイムゲン® 用法と容量:本剤を添付の溶剤(日本薬局方注射用水)0.65mLで溶解し、通常、0.5mLずつを2~4週間間隔で2回、筋肉内又は皮下に接種し、更に初回接種後 . . . 本文を読む
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